公開日 2020.02.25
こんにちは。
高槻市自動車運送事業管理者の西岡です。
令和2年もはや2月となり、時間が過ぎるのが大変早いことを実感していますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
全世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大し、大阪府内でも感染者が確認されるなど、感染症予防対策が例年以上に重要となっています。私ども市営バスでも運転士がマスクを着用するなどの対策を行っていますが、皆さんも市営バスをご利用される際は、マスクを着用するなど、エチケットにご協力をお願いします。

さて、昨年7月に始まった自動車運送事業審議会ですが、昨年末、12月25日に第6回目、1月17日に第7回、そして先日、2月10日に第8回目を開催しました。
第1回目で「市営バスにおける事業経営のあり方」について諮問させていただき、これまで5回に渡って、市営バスを取り巻く社会環境、ODデータに基づく現状分析、重点課題路線の見直しの方向性、そして、市営バスの将来収支予測について等、様々なテーマについて議論いただきました。
そして、これまでの審議内容を踏まえて、第8回目で「答申書」が確定しましたので、その内容を説明したいと思います。
まず、「答申とは?」ということについて説明します。
最初に、審議会に対してあるテーマを市長が諮問(審議を依頼)し、そのテーマに沿って審議会で議論され、その結果を審議会の総意としてとりまとめて市長に答申(提言)するというものです。今回のテーマは「高槻市営バス事業経営にあり方について」となっています。
この答申書ですが、全5章の構成となっていますので、各章ごとに要点を説明したいと思います。
まず1章ですが、「市営バスを取り巻く社会環境の変化」として、高槻市の人口や交通実態、全国のバス事業を取り巻く現状などが整理されています。ここでは、市の人口が減少し、少子高齢化がさらに進行することや、全国的にバス事業者が赤字や運転士不足に苦しんでいることなどが示されています。
次に2章では、「市のまちづくりにおける市営バスの役割」として、市営バスが高槻市の機関の一つであることを踏まえて、市の交通まちづくりの中でどういった位置づけで、どのような役割を求められているかなどが示されています。
次の3章では、「市営バス事業の現状と課題」として、市営バスにおける乗客数の推移や収支状況、運転士の労働環境などについて整理されています。
4章では、「公共負担のあり方」として、高齢者無料乗車制度や生活交通路線維持事業補助制度、いわゆる不採算路線に係る補助金について、制度の概要と今後の見直しの方向性が示されています。市営バス事業の将来にわたる健全経営を確保するため、ODデータに基づく適正な料金負担を求めるべきといったことや、極端に利用が少ない路線や区間では路線バスに替わる新たな交通体系を検討すべき、といったことが提言されています。
最後の5章、「今後の事業経営のあり方について」では、来年度策定する予定の次期市営バス経営戦略における基本方針や、経営基盤の強化に向けて取り組むべき重点施策の方向性、不採算路線の見直しと新たな需要に伴う路線再編、新たな需要創造への取組、今後の市営バス事業経営について、という内容となっています。
経営基盤の強化に向けて取り組むべき重点施策の方向性では、人材確保、将来の顧客確保、収入増加、先進技術の導入などの項目ごとに、かなり具体的な取組の方向性が示されています。また、不採算路線の見直しと新たな需要に伴う路線再編では、路線ごと、地域ごとの再編の方向性が示されています。そして、結びの今後の市営バス事業経営についてでは、「自立経営の徹底を進め、バス事業を持続可能な形で次世代に引き継いでいくことが求められる。」となっています。

このように今回の答申書は、かなり踏み込んだ内容となっており、私ども市営バスはこれを真摯に受け止め、次期経営戦略の策定、並びに計画策定後の着実な実行が責務であると考えているところです。
以上、今回まで8回に渡って審議会に係る内容を紹介してきましたが、皆さんはご理解いただけたでしょうか。
本コーナーの審議会編は今回で最終回となりますが、次回以降も市営バスに係る情報を適宜紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
令和2年2月21日
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