公開日 2019.09.09

こんにちは。
高槻市自動車運送事業管理者の西岡です。
今年も昨年に引き続き大変な猛暑でしたが、9月に入り、ようやく秋の気配もただよってきました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。このような気持ちのよい季節こそ、快適で便利な市営バスでのお出かけがお勧めです。
さて、去る7月26日に、学識経験者や高槻市に関係する有識者等で構成する「第1回自動車運送事業審議会」を開催しました。
この審議会は、市営バスを取り巻く社会環境や課題を踏まえた中長期的な経営目標や、収支のバランスに配慮した取組の方向性、独立採算制の基本原則から留意すべき事項などをご議論いただくというものですが、第1回では「市営バスを取り巻く現状と課題」を議題として、各委員から意見や提案をいただきました。
その内容ですが、これまで65年間市営バスが歩んできた沿革に始まり、高槻市の社会経済状況や交通実態、更には、わが国全体のバス事業に関するトピックや、市の上位計画における市営バスの位置付けなどとなっています。
それでは、これらの議題について順にご説明いたします。
まず、社会経済状況ですが、今後の市営バス事業が目指すべき方向性を検討する上での基礎的な資料として、市の人口や高齢化の推移、今後の人口の分布などについて整理を行いましたが、わが国全体の状況と同様、今後も市の人口は減り続け、高齢化率が高まると予測されています。
次に、市の交通実態としては、市営バスの利用者が昭和50年頃をピークに減り続けていることや市営バスの収支の状況、人の移動に関する様々なデータを整理しました。
交通に関するトピックでは、市営バス事業に関連が深いと考えられる市内のプロジェクトとして、安満遺跡公園の整備や新名神高速道路高槻IC周辺のまちづくりなどの概要を整理しています。また、わが国の路線バス事業を取り巻くトピックでは、最近10年間で全国のバス路線が約1万4千キロも廃止されていることや、運転手の労働環境等に起因して慢性的な運転手不足となっていることを整理しました。
最後に、市の上位計画における市営バスの位置付けについては、各種の計画において市営バスが市民の重要な移動手段となっていることを整理しています。
以上のような資料やデータから、わが国全体で、路線バス事業が大変厳しい状況におかれており、市営バスにおいても、今後、現状の路線やダイヤ及び、制度を維持していくのが困難となる可能性があることを皆さんに認識していただければと思います。
そのため、今後は、運転手や車両などの限りある資源をいかに効率的かつ有効に活用し、市民の移動(生活)を確保していくのかということを、数値的な根拠に基づいて検討していかなければならないということになります。
次回の審議会では、昨年から取り組んでまいりました乗車券のICカード化によって収集されたODデータ(※英語のOrigin+Destinationの略で、出発地と目的地の組合せの利用者数を表しています)を様々な視点で分析し、審議会の中で説明するように考えていますので、次回のこのメッセージでは、その概要をお話しさせていただきます。
令和元年9月9日
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