令和元年度 第2回高槻市自動車運送事業審議会

更新日 2019.09.26

会議の概要

会議の名称 高槻市自動車運送事業審議会
会議の開催日時 令和元年8月23日(金曜日)午前10時から12時
会議の開催場所 高槻市役所本館3階 第2委員会室
出席委員 10名
議題
  1. 現行経営計画における取組状況と今後の課題について
  2. ODデータ等に基づく現状分析について
  3. その他
主な審議内容 別紙のとおり
資料名
  • 資料-1 第2回高槻市自動車運送事業審議会 議事次第
  • 資料-2 委員名簿
  • 資料-3 配席図
  • 資料-4 前回審議会の確認事項
  • 資料-5 高槻市営バス経営計画(平成28~32年度)
  • 資料-6 現行経営計画における取組状況と今後の課題について
  • 資料-7 ODデータ等に基づく現状分析について
  • 資料-8 審議会全体スケジュール
  • 参考資料 市営バス路線図
担当課 交通部 総務企画課

 

(別紙)

会議の公開と傍聴希望の確認について

<会議の公開について>

 (高槻市公営企業審議会の会議の公開に関する要綱及び高槻市公営企業審議会傍聴要領等に基づき、公開することとなる。)

 (傍聴希望者2名)

 

前回審議会における確認事項

○会長

議事に入る前に、前回審議会における確認事項について、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料4の説明がなされた。)

会長

本件に関して、御意見や御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

I委員

2ページの「生活交通路線維持事業補助金」というのは、国には赤字を補填する補助金制度があったと思いますが、その対象にならない、市単独の補助制度なのでしょうか。それと、これについては、交付税措置の対象となるのでしょうか、ならないのでしょうか。

事務局

国の補助制度には、かなりの要件があります。特に、市内でバス事業を運行している関係から、国の補助金は市外にまたがる路線でないとダメという条件があるため、高槻市営バスとしては、国からの補助金は受け取っていない状況になります。すべて市の一般会計からの補助金となっております。

I委員

対象にならないということは、市単独の事業だと思います。ただ、市が単独で運行する場合でも、国が補助金を出してもいいという制度があったと思うので、交付税措置がされるような事業になっているのか、なっていないのかという質問です。

事務局

確認のうえ、後日、回答させていただきます。

会長

国庫補助の制度は、基本的に郡部を中心することを念頭に置いてつくられた制度です。私も京都府北部の丹後半島等で、補助金の効果をいかに高めるかという取組で、調査に行ったことがあります。ただ、高槻市のような大都市圏では、まず当てはまらないのではないかと思います。

1.現行経営計画における取組状況と今後の課題について

会長

議事の1につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料6の前半部分〔1~16ページ〕の説明がなされた。)

会長

ただ今の説明に関して、御意見や御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

E委員

12ページに「ICカード化の推進」が載っていますが、例えば、ICの次の展開として、今、スマホ利用のお客様が非常に多いので、QRコードを利用した精算等は検討されていないのでしょうか。

事務局

ご指摘の施策が他の社局等でも導入に向けての動きがあるのは、スルッとKANSAI等を通じて聞いているところです。現時点では、市営バスとしては検討中あるいは研究中という段階です。

会長

最近では、MaaS(Mobility as a Service)という言い方をしますが、実は来月の前半にB委員と私が調査団を組んで、ヨーロッパに見学に行ってまいります。もし何か、高槻市で使えそうな最新情報があれば、また折に触れて提供したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

E委員

基本的なことですが、2ページの「安全運転研修の実施」のグラフを見ると、事故件数が底打ちでなかなか減っていないようです。私は阪急バスに勤めており、同じような状況ですが、2つの現象が起きています。1つは、乗務員が採用しづらく、運転手不足の状況にあります。経験者も採れないので、大型二種免許を持たれていない人も、いろんな施策を打って採用する努力もしておりますが、それでも採れません。高槻市営バスでは、どういう施策を考えられているのでしょうか。

もう1つは、乗務員が高齢化していることです。当社で従業員組合と話して、定年延長等も含め、65歳というよりも70歳くらいを見越した雇用形態にできないか検討を始めています。高槻市営バスで何かお考えがあれば、教えていただきたいと思います。

事務局

まず、バス運転手経験者の新規採用の方法については、正直なところ、私どもも悩んでいるところです。まだ検討していませんが、ほかの企業や社局で導入されているように、未経験者を採用した後に、大型二種免許を取ってもらうことも視野に入れていかなければならないのではないかと思っております。

次に、運転手の高齢化については、私どもも若手の運転手がなかなか入ってこない中で、既存の運転手がどんどん高齢化していっております。ごく一部の路線では、例えば比較的負担の軽い貸切バス等では、定年で雇用形態が変わった臨時職員のバス運転手等を配置するかたちで、雇用延長して年齢を延ばしているところはあります。

D委員

2点あります。1つは、4ページの「経営基盤の強化」には、重点施策ではないので、出てこないのかもしれませんが、資料-5の経営計画の17ページに、重点施策でないものとして、「人員体制の見直し」「勤務体系の見直し」という話が出ています。例えば、昨今で言う、働き方改革とか、残業時間の適正化等の話があります。運転手の安全性とも表裏一体ですが、働き方改革等に向けて、何か取り組まれていることがあるのかどうかというのが、1点目の質問になります。

もう1点は、これも経営基盤の強化の話に重なりますが、経営計画の17ページに、「経費削減への取組」として、燃料費の削減も挙げていただいております。修繕費の額がそれなりに計上されていて、車両の購入額も平成20年度に大きく計上されたと聞いております。経費の適正化、あるいは、削減していくために何か取り組まれていることがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

事務局

1点目の働き方改革についてですが、数年前から、運転手の残業時間、時間外の労働時間が増えてきているのが問題になってきているため、乗務員を増やすことによって徐々に残業時間を減らす取組もしております。また、バスの運行便数の見直しや、年間の労働時間の管理により、若干、労働時間が減ってきてはいます。

経費節減策に関しては、案内所を委託で出しているのですが、そちらの来客数を時間ごとにデータを採り、営業時間を見直すことで、委託費を節減する取組みもしております。

車両修繕費が増えていることについては、近年、アナログからデジタル化に移行したことで、バスの修理に関してもコンピュータを使ったものが多くなっております。5年、10年と経ってきて、その部分の修繕費が以前よりは高くなってきています。その辺は市としても頭の痛い所で、研究課題とさせていただいております。

会長

経営計画まで細かく見ていただき、ありがとうございます。それでは、資料-6の後半部分に移りたいと思います。前半部分についても、後半部分と併せて、御意見・御質問等を改めて頂戴する時間を取りたいと思います。

事務局

(事務局より資料6の後半部分〔17~26ページ〕の説明がなされた。)

会長

本審議会の答申を踏まえ、来年度、交通部で次期経営計画を策定する流れになります。その際重要になる、今後の取組の方向性と、その基礎となる現状認識について、ご報告いただきました。これを機にいろいろとアイデアを出して、どのような方法や考え方があるかについてもご提案いただけると、議論の上でも参考になると思います。そういった観点からも、御意見や御質問等をよろしくお願いいたします。

E委員

26ページの今後の対応方針(案)として、閑散路線のあり方が挙げられていて、「バス輸送以外での代替交通手段も含めて」と書かれています。市営バス以外の民間事業者として、例えば、世間でよくされている、タクシー事業やオンデマンド交通が一部の地域ではされていますが、それも含めた考えなのでしょうか。

事務局

ご指摘のとおりです。前半部分の説明で、市の交通戦略の話をいたしましたが、必ずしもバス輸送が合理性や利便性に繋がっていない部分もあります。そのため、タクシー輸送やデマンド輸送、あるいは、地元が自ら運行されるケースも含めて、市営バスとしての強みでもある、交通政策を所管している部署との連携をしながら、今、検討しているところです。

会長

少し補足いたします。以前は、市役所の中で交通に関わるのは、全て交通部の所管という印象でしたが、今は、公共交通、鉄道、道路等も含めて交通全体の計画を立てたり、実行したりする部署もあるので、そちらとも連携していくということです。

そうすると、市内の交通と市バスが完全にイコールではない場合も含めて、議論を進められる体制になっています。自動運転はあくまでも例示ですが、先ほどお話が出た、オンデマンド等のいろんな選択肢がある中で考えていくのも1つの手法になると思います。この辺りについては、次の議題でデータも出てくるので、それも踏まえて、次回以降になるかもしれませんが、詳しく議論していくことになろうかと思います。

D委員

22ページに関連して、今後の対応方針(案)として、「博物館相当施設との連携」とあります。例えば、実際、自分が利用したいと思う事例としては、市の施策として、関西大学でのスケート教室を募集されたことがありました。車での移動はダメと言われたので、結局、娘が応募に当たって通う際には、必ずバスでの移動になるわけです。ただ、私の住んでいる摂津富田から関西大学に行こうと思うと、結構、便が限られてしまいます。このあたり市の施策との連携等について、何か考えられるのでしょうか。

関西大学のイベントと同様に、その近くにはキャンプ場があり、そこにも抽選に当たって行ったことがあります。そういったイベントがあるときに、企画と連携したり、萩谷総合公園でオリックス戦やタイガース戦があるときに、企画券を売ったりしていくのも1つかと思います。そういうような施策は、何かご検討されているのでしょうか。

事務局

まず、関西大学のスケート教室についてです。富田方面から何人、高槻方面から何人乗車するという情報を市から頂き、臨時バスの体制を整えて運行しているところです。キャンプ場については、今初めて情報をお聞きしたところです。

D委員

キャンプ場は、車で移動するのですが、どうしても車が混み合ってしまうので、バス等でまとめて行けたら便利だと思います。

事務局

明日、明後日のオリックス戦については、現在、不特定多数の方が前売券でさばいておられて、バスに乗るかもしれないという話です。大体、車で300台くらいは来場されるので、それ以外はバスで利用されるかもしれないという情報を受けて、JR摂津富田駅からの臨時便で対応しているところです。

駐車場が満車になったときには、関西大学の駐車場に自家用車を入れさせてもらって、現在、貸切バスで関西大学と萩谷総合公園を結ぶようにしております。委員が言われるように、企画券としてできれば、もし来られなくても、先にお金が入ってくるので、そういう方法があるのをお聞きして、非常に勉強になりました。ありがとうございました。

会長

キャンプ場やバーベキュー等に行く場合、車で行くのが前提になります。ただ、バスに乗って手ぶらで出掛け、山を登り、現地で全部がパッケージになっていれば、車を運転しなくて済むので、安心してアルコールを楽しめます。そういう需要も出てくれば、バスで行くことのメリットも高まるのではないかと思います。いろいろとアイデアを頂き、ありがとうございます。

野球については、阪神タイガースの甲子園の試合等、交通業界全体では、いろいろとノウハウの蓄積があるとは思います。

似たような話ですが、24ページの中学生の部活等、夏休みの時期には大会等があるみたいで、バスに乗っているのをよく見掛けます。一度に何十人もまとめて乗ってくると、1台のバスでは一大事と言うか、大量の乗客で大変な印象もあります。イベント等の予定を細かく情報収集して対応していくことは、これから進める余地もあると思います。

H委員

19ページの「市外からの来訪者の利用促進」についてです。現在、高槻市と観光協会と商工会議所で、体験交流型観光のオープン高槻を企画して、丸3年になります。交流人口の増加を目標にしている企画です。市営バスにも、企画としてご協力いただいておりますが、バスに乗って、目的地で降りる企画が結構あります。今後の対応方針(案)に、「市内事業所と連携してキャンペーン展開を行う」と書かれていますが、市の観光施策との関連という観点も入れていただけたらと思います。

事務局

ご指摘の施策の必要性は認識しております。現在、取り組んでいるのは、あまり浸透していないかもしれませんが、ホームページ等で市の観光施設にバスでどのように行けるのかという情報も、実はかなりの数を掲載しております。

また、オープン高槻についても、市営バスとしても最大限、協力していきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

F委員

同じような意見ですが、19ページについてです。オープン高槻には、われわれ観光協会も運営に参加しております。「市外からの来訪者の利用促進」として、最近、JR高槻駅が地域と連携を強めようと、観光協会にもいろいろと提案していただいているケースがあります。「ちょこっと関西歴史たび」というJR西日本の取組みがあり、観光協会にも提案されています。JRの取組みと連携することにより、市外からの利用促進が図れるのではないかと思うので、ご一考いただければと思います。

事務局

観光協会とは、これからも最大限に協力して、いろんな施策をさせていただければと考えております。最後に言われた、JR西日本の取組みについても、市営バスとして可能、かつ、集客が見込めるものがあれば、ぜひ協力して進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

I委員

25、26ページの「市民の移動手段確保のための行政施策」についてです。行政施策には、高槻市の中の計画もあれば、バス事業の計画もあると思います。高槻市が市民のために地域公共交通を確保しなければならないという考え方を持つようになりました。実際に、高槻市営バスをどういう位置づけで見ているのか、確認しておきたいと思います。京阪バス、阪急バス等、地域でどういう利用の仕方で、市民の移動手段を確保するかという考え方もありますが、ほとんどが高槻市営バスになります。

それから、市の施策には、上位計画として総合計画があると思うのですが、それを基にいろんな計画ができていると思います。市の行政を効率的に進めていかなければならないときに、高槻市営バスは、今後、どうなっていくのか、どうしていきたいのかという将来像があると思います。その位置づけを確認しておかないと、当審議会の中で計画をいろいろとつくっても、市全体としての計画がズレてくるのではないかと思います。高槻市営バスの事業をどのように見ておられるのか、ちょっと確認しておきたいのですが、何かその辺を整理された資料がないのでしょうか。

事務局

I委員が指摘された点については、実は第1回の資料で、高槻市の上位計画の中で、市営バスがどのように位置づけられているかについては、ご説明させていただいたと考えております。

最初にご指摘の、市営バスの位置づけを、われわれ交通部がどのように考えているのか、私個人として、意見を言いにくい面がありますが、やはり、大阪府で唯一公営交通を維持していることは、たいへん意義があると思っております。だからこそ可能な、いろいろな施策のご説明もいたしましたが、市との連携がしやすい面もあるので、今後も可能な限り、公営事業としてのスタンスを続けながら、さらに経営改革も両立させていくことが必要と考えているところです。

I委員

大きくは、国が経済財政運営の改革と言ってきて、それを受けて、いろんな事業が動いてきているわけです。その中で、高槻市も将来、どうしていこうかと考えたときに、要は、経費の削減を行うにしても、サービスの量を減らさないような計画がつくられています。

最近できたものとしては、「高槻市みらいのための経営革新」というのがあります。ホームページを見ると、市営バスの運営について、不安になるようなこともたくさん書かれています。その辺を理解しておかないと、高槻市の交通部がこういう計画をつくっても、高槻市全体で見ると、違う見方をしているようでは、ちょっと難しい所が出てくるので、その辺を整理しながら考えていかないと、いい計画にはならないのではないかと思います。ホームページに使っている文章でもいいので、1、2行を引用して、この場で確認をしておきたいと思います。

事務局

次回、資料を提出するようにいたします。

A委員

まず17ページの「安全・安心・快適かつ効果的なバスサービスの供給」の対応方針(案)に書かれている、「優良運転士の育成」のノウハウ共有は、ぜひ進めていただきたいと思います。ドライバーとしてすごく頑張っている人たちのノウハウが広がっていけば、ドライバーの質が上がっていって、最終的にはカスハラ(カスタマー・ハラスメント)の減少にも繋がると思います。

よく理不尽な電話がかかってきて、「取りあえず、謝ってしまえばいい」となってしまう気持ちはわかるのですが、どちらかと言うと、私が見ている限り、お客様が悪い場合のほうが結構多いのです。でも、それが守りきれないのはなぜかと言うと、やっぱりこちらも悪い所があるかもと思ってしまうからです。

いいドライバーがどんどん増えてくれば、自信を持って、「いや、ちょっと、それは車内モニターを見て、対応します」と言えるので、それ自体が事故の減少にも繋がっていくと思います。ぜひ、安心・安全のためにも、運転手のノウハウの共有と表彰制度は進めていただきたいと思っております。

次に、観光との連携についてです。今後は、北摂地方がいちばん苦手だった観光を進めていかなければならないと思います。今、古墳が注目を浴びてきて、連携できるのは非常にいい仕組みですが、古墳には最大の欠点があり、見てもよくわからないのです。上から見たら、形がわかるのですが、直接、上からは見られません。大阪府内で古墳ブームが盛り上がっているので、どうしたら古墳の魅力を伝えられるか、ノウハウを構築してほしいと思います。

その際、奈良にもたくさん古墳があるのに、なぜ人が来ないのか、失敗談を活かしてほしいと思います。1つは、食の魅力に欠けているので、古墳だけ見ても、お腹いっぱいにはならないからでしょう。例えば、高槻の売りになる食べ物としては、うどんギョーザがあり、北摂のまちでは、猪や鹿が食べられるのがすごく魅力的だと思います。食と連携した上で、ようやくバスに乗っていただけるわけです。

それから、ホームページに関連して、無理して4カ国語表記にしなくてもいいと考えています。去年、京都市内で外国人観光客にアンケートを採ったのですが、およそ8割の観光客が英語を理解できると答えています。日本語も英語も理解できない人は、約2割だけです。同じ予算をかけるなら、その8割の満足度を高めるために、適切な英語でアピールしていったほうが効果的という結論が一応、得られています。ぜひ、参考にしていただければと思います。その後、予算がついたら、4カ国語化を進めていけばいいと思っています。

また、ホームページで発信するときには、ほとんど皆さんがスマホなので、スマホでの見やすさを中心に考えていかれたらいいと思っています。特に力を入れるべきなのは、台風等の緊急時におけるバスの運行のお知らせです。緊急のお知らせが英語でも発信できて、日本語でアクセスしたときにも見やすいようトップに置けば、いちばん満足度が高まると思います。普段は見ないけれども、いちばん見るのは、去年の場合、地震と台風の時でした。その際、見やすいページであれば、みんな、バスは安心だと感じるわけです。緊急のお知らせのノウハウは、阪急バスがすごくわかりやすく、既に参考にされた事業者もあるようなので、市営バスでも参考にされるとよいと思います。

バス待ち環境については、高槻は北と南で全然、環境が違います。南の場合は、バス停までシニアカーや自転車でアクセスされて、駐輪したい方が結構多いので、既にある駐輪場とうまくセットにして、バスに乗れるように進めていければいいと思います。

参考になるのが、京都市交通局がされているバスの駅です。コンビニと連携して、イートインスペースにバスロケーションシステムを置いて、接近情報を見ながらお茶を飲んで、バスが来たらお店から出るという仕組みです。財政的な話は、京都市交通局にバスの駅のノウハウを聞かれたら、たぶん情報共有できるだろうと思います。

会長

コンビニのイートインスペースは最近、非常に増えています。パッと見ただけではなかなかわからないのですが、コンビニも競争が激しいこともあり、それぞれのチェーン店が進化していて、結構、変化している部分があります。コンビニのイートインスペースも増えていて、いろいろと連携の仕方も増えている印象があります。バスロケのシステムとしては、スマホの画面がそのまま出るような感じのものがあるだけでも、だいぶ利用者の方は安心され、場合によっては、コンビニにもいろいろと恩恵がもたらされるのではないかと思います。

A委員

あと、「今後、重要となる取組の現状と方向性」ですごくいいと思うのは、高槻市で生まれ育ってくると、ライフスタイルの中に必ずバスがあるというのが確立できることです。妊娠したときに「こうのとりパス」があって、出産したら「ベビーカー乗車体験教室」があって、幼稚園・小学校になるとバスの見学ができて、中学生になるとバスのチケットが安くて外出できるというライフスタイルが形成されます。

それに加えて、中学生の職業体験として、バスも入れていただきたいと思います。よくJRが改札で中学生の職業体験をされているように、ハンドルを握るわけではなく、駅前でどんなお客様がバスに乗られているのか、実際にバスに乗ることでどんな運転をされているのか等、中学生に職業体験をしてもらえば、ドライバーになろうという人が出てくる可能性があると思います。

数年前、京都の大学になぜ来たのかというアンケートを採りました。そのときに有意な結果が出たのは、中学生の修学旅行で京都に来て、魅力に騙され、勘違いして、京都の大学に来てしまったというのです。高校の時ではなく、中学生の修学旅行のほうが、効果が高かったのです。中学生の時の体験が大きな影響を与えるという知見が得られたので、ぜひ中学生の職業体験に、バスもできる限り参加されたほうが、ライフスタイルが確立して、その後、高校の通学でバスを使ってもらい、大学生になって、卒業後、バス会社に入ってもらえるのではないかという理想を描けるプランだと感じました。

B委員

前回の審議会で、パーソントリップ調査の結果について、年齢区分を細かく分けてほしいと要望をして、今回、資料4の3ページにまとめていただきました。これを見ても、前回も述べたとおり、18~29歳の若い人のほうが65~74歳の方に比べ、生成原単位を見たときに、移動自体が活動的ではないことがわかってきます。

細かく見ても、例えば、自動車利用も、高齢者の方のほうが割合は非常に多くなっています。このことからしても、最近の高齢ドライバーの事故の問題もありますが、なかなか交通行動が習慣化してしまうと、固定されてしまって、ずっとそのまま自動車に乗ってしまうという研究結果もたくさんあります。そんな中で、案外、若い人は自動車離れをしていると最近言われています。バスに乗っていただく習慣を形成して、そのまま続けていくと、今後のお客様を育成すると言うか、つくっていける未来にも繋がっていくのではないかと、この結果を見ても思うところがあります。

これからの取組として、こうのとりパスや子どもの市バスでぶらりキャンペーン等の施策は非常に有効ではないかと思います。高齢者の実態として、どのようにバスを利用されているか、それと併せて、今後のことを考えると、もう少し若い方がどのようにバスを利用しているのかも、調査結果を見ていくことになります。今までは調査しにくい面もあったと思いますが、より詳細に見ていくことで、移動実態に合った、もしくは、実態はなくても潜在的なニーズがあったという調査結果を踏まえて、路線の検討やダイヤの編成、また、平日と土休日をどのように分けるか等、細かく見ていけるのではないかと思います。長期的な持続可能性から考えると、もう少し若い人たちがどういう交通行動をしているのかという調査も、今後、検討していったらいいのではないかと今回の資料を見て、思いました。

事務局

B委員のご指摘のとおり、どうしても高齢者の移動に着目した資料が多くなっていましたが、その他、若い世代に関して、ODデータも含めて、これから検討してまいりたいと思います。

会長

ここまでの話を伺っていて、ライフスタイルとライフサイクルの2つがキーワードになるように思いました。先ほど出たように、高槻で生まれ育って、働いていくと、常に市営バスがあるわけですが、その重要性や特殊性は、高槻市内にいるとなかなか気づきにくいこともあろうかと思います。市営バスがライフスタイルになっているのをアピールして、ライフサイクルとして、小学校・中学校と年齢が上がっていくのに対応して、それぞれの世代ごとの交通行動の特徴に合ったアピールポイントを見ていく必要があると思います。

先ほど事務局から回答があったように、どうしても高齢パス等の高齢者対応に、5年前の審議会での議論が集中していた感じがあるわけです。実際にこれから高齢者の方が増えていきますが、それだけでなく、その下の世代を育てていくといった姿勢も、当審議会の議論の中で重要になってくるのではないかと思いました。

いろいろなアイデアを出していただき、誠にありがとうございました。これだけ具体的なアイデアが出てくれば、後はデータも見据えながら、実際の方向性も具体的に示していけるのではないかと、期待感を持ったところです。

2.ODデータ等に基づく現状分析について

会長

それでは、議題の2について、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料7の前半部分〔2~11ページ〕の説明がなされた。)

会長

交通系ICカードそのものが普及し始めたのは、15年くらい前からであったと思います。私が初めて、当審議会に関わらせていただいた頃から、もっとICカードが普及すれば、いろいろとデータが採れると感じておりました。ついに高齢者パスがICカード化されたことで、非常に細かいデータが手に入るようになりました。これに基づいた、いろんな施策や経営計画も立てやすくなっております。そういった意味で、お気づきの点があれば、ご指摘いただければと思います。急にたくさんのデータが出てきたので、なかなか全体像を把握しにくい部分もあるかもしれません。

D委員

3ページの資料について、数字の見方の確認です。高齢者ICの市からの補助金については、今後、検討されると思いますが、いちばん下の表3で、高齢者ICの運賃相当額(12カ月換算)が約13億3,700万円となっています。この数字は、正規に料金を徴収したとすれば、220円換算で約13億3,700万円になるという解釈なのでしょうが、高齢者からは料金を頂いていないので、その代わりに市から7億円の補助金を頂いているという理解でよろしいのでしょうか。

事務局

おっしゃるとおりです。実際のOD調査に基づき、乗車された回数で料金を頂いたと仮定したら、約13億3,700万円になるということです。但し、高齢者の分については、市からの補助金は6億円を頂いております。

D委員

解釈としては、補助金を除いた約7億円がバス事業としての負担になるわけですね。

事務局

その通りです。

会長

では、後半の説明を受けてから、前半も含めたディスカッションにしたいと思います。

事務局

(事務局より資料7の後半部分〔12~55ページ〕の説明がなされた。)

会長

ただ今の説明に関して、御意見・御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

I委員

50ページの表に、阿武山・塚原線の終点に真如苑というバス停が出ていますが、どういうカウントになっているのでしょうか。

事務局

真如苑の直通バスと途中のバス停にも停車する系統とがあります。

I委員

臨時バスか定期バスか分かりませんが、それがカウントされているということですね。

会長

それなら、真如苑の場所だけでも、地図に書いておいてもいいかもしれません。

事務局

真如苑は、市営バスの阿武野1丁目というバス停の辺りになります。真如苑の大祭があるとき、午前7時半から8時半くらいまでのラッシュ時間帯に重なるため、駅に向かうお客様の前を回送で行くのはいかがなものかということで、真如苑から出たバスを実車で、JR富田駅まで運行しています。

会長

真如苑直通バスは、今でもICカードを1回タッチするかたちになっているので、整理がまだ追いついていないところがあります。これについては、また別の見方をして区分して扱う必要があるだろうということです。

A委員

IC化したことで、いろんなデータが出てきたので、しっかりと議論ができるメリットがあります。3ページの券種別の利用者数を見てみると、利用頻度が高くてお得なICほど、利用回数が多く出ています。

例えば、ICOCAは月に4.2回(往復で約2日)とたまに使っているだけなので、それほど割り引かなくてもいいということです。PiTaPaの場合は、クレジット決済で、クレジットのポイントが入ってくるので、月に7.5回(往復で3、4日)と、そこそこ乗る人たちが使っています。Tsukicaは、月に12.2回(往復で約6日)と週1.5回ほどで、お得だから使っています。高槻の人たちが非常に賢い使い方をしていて、頻度の高い人たちはお得なICを使って、頻度の低い人たちはちゃんと運賃を払っているという結果が出ています。Tsukicaは、人数だけ見ると少なそうに見えるかもしれませんが、使い方としては、ヘビーユーザーが使われているとわかったので、もっと評価してもいいデータだと考えます。

利用の多いODの場所を見ていくと、市の北側にかなり集中していて、大体、人口の集中エリアと一致しています。高低差の関係から、北側の利用が増えているのだろうと思います。同時に、これから高齢化が進んでいくエリアなので、今後も利用が維持されるだろうけれども、利用者の構成は、今後4年間に大きく変化することも予想されます。

ODデータをどう使っていくか、1つは「見える化」されているので、利用者の多いバス停と少ないバス停がはっきりしています。例えば、16ページの「田能・杉生・中畑・二料線」で言えば、樫田校前(小学校)までで、ほぼ全員が降りています。利用実態を考えると、地元の人からしても、走っていても全然利用がないわけなので、一般路線として、このまま運行していいのかという議論のたたき台にはなってきます。バスという同じ資源を使うのなら、もっと乗ってもらえる所に持っていき、少ない所は別の方法で維持できるのではないかといった、議題1の「今後の課題」のたたき台にはなるでしょう。

もう1つ見えてきたのは、本来なら、運賃が安くて早く着くJRや阪急の電車を使うはずなのに、なぜ並走しているバスを使っているのかと言うと、たぶん、実態として、高齢者パスを利用しているからでしょう。JR摂津富田駅とJR高槻駅の間、阪急上牧駅も同様です。本来、淀の原から阪急の駅に行くのが不便だから、バスが欲しいというご要望でつくったにも関わらず、実際の利用としては、阪急の駅からではなく、JRの駅から無料だから使っているわけです。この良し悪しについては、ずっと議論していかなければならないと思います。

今回、わかったのは、実際に補助金を6億円しかもらっていないのに、残りの約7億円は、実際には交通部が払っているのと一緒です。高齢者パスの利用を見てみると、市の利用者が3割ほどを占めていて、これから増えて、5年後くらいには約4.5割になると思います。

最初に申し上げた、3ページの券種別利用者数を見ると、大阪府平均と比べ、3倍くらいバスを使われています。つまり、無料パスがあるおかげで、外出する抵抗が低くなって出掛けているわけです。高齢者の方は体がつらいので、1区間だけの移動も結構多くなっていますが、これはこれで、いいことだと思います。表1の高齢者ICの年齢内訳を見ると、平均回数が14.1回(往復で約7日)もお出掛けされています。

このバス利用の多さが、高槻の魅力の1つと言えると思います。ただ、その効果の部分を誰が支払うのかが大きな議論になります。例えば、外出して健康になったことで医療費が抑えられているとすれば、残りの7億円ほどを負担すべきかもしれないし、市の魅力だからということで、市の一般会計から増額して、全額の約13億3,700万円を払っていただく方法もあります。また、一般利用者の運賃を値上げして、みんなで支えていく方法もあるし、いちばんメリットを受けている受益者に一部を負担していただく方法もあります。

これから、そのシナリオを話し合うという意味では、このデータはすごく貴重なわけです。高齢者の方が多く出掛けられているのはいいことで、実際に障がい者パスの回数を見ても、日常生活の移動がバスに支えられているのがよくわかります。

もう1点、高槻市バスの特徴として、OD調査でよく出たのが、お店にたとえると、客回転率が悪いということです。要は、1回乗られたお客様が、1回転しかしないわけです。途中で降りられて、途中でまた乗られる系統は、JR富田駅を経由する便くらいです。ということは、地域でもっと回転率を上げるように乗っていただかないと、利用が増える可能性がかなり低くなります。そのために、地域に対して、バス利用を促進していくようなモビリティマネジメントをされたほうが、効果的な結果が出るだろうと思います。京都市バスのように、1周している間にお客様が3回転するようなバスとは違うので、地域とかなり連携して、バスの利用促進を進めていかないと、これ以降、維持や増加しにくいことが一応、このデータから分析できました。

会長

行政の世界では最近、EDPMという言葉が流行しています。ご存じの方もおられるかと思いますが、根拠(データ)に基づいて、政策を立てていくというものです。

それなら、今までの政策は根拠なしで進めていたのかと言うと、決してそういうわけではありません。ベテランの職員の経験や、バス事業であればドライバーの意見を聞く等が多かったと思います。交通の場合は、ICカードになりますが、数的なデータが集まってくることによって、もっと正確な根拠に基づいた政策が立てられるようになってきているのです。

言葉だけが先走っているような感じがありましたが、今回、提示されたデータを活用して、審議会の議論を進めていくこと自体が、EDPMの先駆的な事例になるのではないかと感じたところです。次回以降の議論でも、こうしたデータの活用は、ますます心掛けていきたいと考えております。引き続き、よろしくお願いいたします。

 

3.その他

○会長

議題の3につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料8の説明がなされた。)

会長

第3回以降も、かなり集中的に議論を進めていくことになります。本日もお暑い中、ご参集を賜り、闊達なご議論をいただき、ありがとうございました。次回以降も引き続き、よろしくお願いいたします。

配布資料

【資料-1】第2回審議会議事次第[PDF:52KB]

【資料-2】委員名簿[PDF:37.6KB]

【資料-3】 配席図[PDF:20.6KB]

【資料-4】前回審議会の確認事項[PDF:191KB]

【資料-5】経営計画(H28-H32)[PDF:5.23MB]

【資料-6】現行経営計画における取組状況と今後の課題について[PDF:2.34MB]

【資料-7】ODデータに基づく現状分析について[PDF:15.8MB]

【資料-8】審議会全体スケジュール[PDF:48.4KB]

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高槻市 交通部 総務企画課
住所:〒569-0823 大阪府高槻市芝生町四丁目3-1
TEL:072-677-3507
FAX:072-677-3516

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