知ってほしい、市営バスの「いま」

公開日 2026.10.27

リーフレットの表紙

皆さん、こんにちは。高槻市交通部長の田中です。
日中はまだ暑さを感じるものの、朝晩はひんやりとし、秋の気配が深まってきました。過ごしやすい季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、前回このコーナーでは「市営バス経営戦略2026-2030」に纏わる話をしましたが、今回は、市営バスを取り巻く環境と課題のうち、経営状況と運転士不足について、少し詳しくお話したいと思います。

 

まず、市営バスの経営状況についてです。市営バスの利用者数は、昭和50年代に年間3,014万人をピークに、減少から横ばい傾向で推移してきました。ところが、令和に入り新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込み、その後は回復傾向にあるものの、まだまだコロナ前の水準には戻っていません。
年間利用者数は、コロナ禍の影響を受けた令和3年度の約1,400万人に対して、令和7年度には約1,800万人まで回復しました。
 

また、この間の運送収益も、利用者数の増加に加え、さまざまな経営努力により、令和3年度の約31億円に対して、令和7年度は約36億円に増加しました。

 

ここまで見ると、利用者も収益も増えており、経営は順調に見えるかもしれませんが、全体の収支では、令和6年度は1.2億円の赤字、令和7年度は1.6億円の赤字と、2年連続で赤字が続いています。

 

主な要因は、物価高による燃料費や人件費の高騰で、利用者の増加や経営努力だけでは吸収しきれない支出が今後も見込まれます。「市営バス経営戦略」で示した将来収支試算でも、このままでは今後10年のうちに経営が成り立たなくなるおそれがある、非常に厳しい状況です。

 

このような状況を改善するための手段は、鉄道やバスなど、多くの交通事業者が行っている運賃改定、いわゆる値上げしかありません。しかし、市が様々な物価高対策を行っているこのタイミングで、市営バスが値上げするのは難しいと判断し、当面の間、市からのサポートを受けることとしています。

緑が丘営業所

次に、運転士不足についてです。全国的に見ると、運転士不足による路線の廃止や減便が相次いでいます。背景には、バスを運転するのに必要な「大型二種免許保有者」の減少や高齢化、さらにいわゆる「2024年問題」に伴うダイヤを維持するのに必要な人員が増加し、全国的に人材の確保が難しくなっています。残念ながら、市営バスも例外ではありません。

 

市営バスの運転士数は近年ほぼ横ばいですが、今後10年間で約70人が定年退職する見込みとなっており、計画的かつ安定的な人員確保が大きな課題となっています。


こうした中で、新たな人材確保の取組として、昨年度からバスを運転するために必要な免許を持っていない方を対象とした運転士の採用を始めました。これは、免許の取得費用を支援する制度で、昨年度は3名の若手運転士を採用しています。加えて、女性運転士の採用や働きやすい環境づくりを進めながら、優秀な運転士の確保に努めています。


ここまで、市営バスの現状と課題についてお話しましたが、皆さんに市営バスを利用してもらうことが、将来にわたり安全・安心な運行を続ける力になります。厳しい経営環境が続きますが、これからもお客様サービスの向上に取り組み、より利用しやすい市営バスを目指していきますので、引き続き、ご利用をよろしくお願いします。


なお、今回お話しした内容は、「知ってほしい、市営バスの『いま』」と題したリーフレットとして、広報誌11月号と同時にご自宅へお届けしています。市営バスの現状や直面している課題、そして「市営」ならではの取組をわかりやすく解説していますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

たかつきDAYS(広報たかつき)令和8年11月号同時宅配リーフレット「知ってほしい、市営バスの「いま」」

プロフィール

田中 二朗

1971年(昭和46年)生まれ。高槻市出身。
2026年(令和8年)から現職。
趣味はテニス。