市営バス事業と2024問題について

公開日 2023.11.17

皆さん、こんにちは。

高槻市交通部長の田中です。

 

地球温暖化の影響でしょうか、昔に比べて秋が短くなっていると感じる今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。今回の「こちら部長室」では、新聞やテレビでも報じられている「2024年問題」について、お話ししたいと思います。

バスが走行している写真

まず、「2024年問題とは?」ということについて、簡単に説明したいと思います。政府が提唱している「働き方改革」という言葉は、皆さんも聞かれたことがあると思いますが、長時間労働の抑制を目的として、平成31年から「働き方改革関連法」が順次、施行されています。

 

しかし、貨物やバス等の自動車運転業界では対応に時間が掛かるとして、法律の施行や適用が令和6年3月末まで猶予されてきましたが、それが令和6年4月から一斉に適用されることになるため、令和6年が西暦2024年であることから「2024年問題」と呼ばれています。

それでは「2024年問題」が何故、市営バス事業に影響があるかということですが、種々の労働条件の改善項目の中でも特に、1日の休息期間をこれまでより少なくともプラス1時間長く取るように法律が変わる点があります。

 

その結果、前日の夜に運転した乗務員が、朝の運転業務にこれまでと同じダイヤで運行するためには、別の運転士を確保して、運転士の総数を増やす必要があるということになります。

 

本来、この法律改正は人手不足に悩む交通事業者及び労働者にとって、業界全体が魅力ある職場として働きやすくなることを狙ったものですが、現状、運転士が不足していることなどから、魅力ある職場への過渡期であることは否めません。

 

とはいえ、令和6年4月からの法律の適用は待ってくれませんので、市営バスとして新たな制度に対応するためには、始発便の一部繰り下げや最終便の一部繰り上げ、ダイヤの一部減便の必要性や、運転士の追加確保に伴う人件費の増加等の影響があり、その結果、事業収支の悪化も想定されます。

 

そのため市営バスとしては、来る4月1日からの制度実施に向け、利用者の皆さんへの影響が最小限となるよう制度構築を図るとともに、引き続き、運転士確保に向けた取り組みを継続していますが、市営バス事業の継続・維持を踏まえ、結果として避けることができないご不便については、ご理解のほど、よろしくお願いします。

 

以 上

プロフィール

田中 宏和

1972年(昭和47年)兵庫県出身。
2023年(令和5年)から現職。