会議の概要
会議の名称 | 高槻市自動車運送事業審議会 |
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会議の開催日時 | 令和7年9月1日(月曜日)14時から15時40分まで |
会議の開催場所 | 高槻市役所本館3階 第2委員会室 |
出席委員 | 10名 |
議題 |
1. 自動車運送事業審議会(専門部会)について 2. 市営バス事業の収支改善について(答申) 3. 市営バス経営戦略の改定について 4. その他 |
審議内容 | 下記のとおり |
資料 |
【資料-3】高槻市自動車運送事業審議会(専門部会)資料[PDF:7.69MB] 【資料-5】市営バス経営戦略(改定版)[PDF:30.2MB] |
担当課 | 交通部 総務企画課 |
開会
それでは定刻となりましたので、ただ今から、令和7年度第2回高槻市自動車運送事業審議会を開会させていただきます。
9月に入りましたけれど、まだまだ暑い天候が続いている中また、大変お忙しいところ、本日もお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
本日も忌憚のないご意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
会議の公開と傍聴希望の確認について
<会議の公開について>
(高槻市自動車運送事業審議会の会議の公開に関する要綱及び高槻市自動車運送事業審議会傍聴要領に基づき、公開することとなる。)
(傍聴希望者:10名入場)
1 自動車運送事業審議会(専門部会)について
会長
それでは、議題の1「自動車運送事業審議会(専門部会)について」に移ってまいります。
前回、5月に開催されました令和7年度第1回審議会におきまして、「市営バス事業の収支改善について」市長から本審議会に諮問されたことを踏まえまして、より専門的な見地から集中的に審議するために専門部会を設置し、井上委員、毛海委員、河﨑委員の御三方を専門部会の委員として指名いたしました。
これを受けまして、6月27日及び8月1日の両日に、合計2回の専門部会が開催されました。
第1回では各種の統計資料等に基づいて、市営バス事業の経営分析の結果をご審議いただき、第2回では、これまでの審議会や専門部会での議論や資料などを踏まえて整理された答申書の素案について、ご審議いただいたと伺っております。
そこで今回は、専門部会での議事要旨につきまして、専門部会の会長を務めていただいた井上委員からご説明をいただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
副会長
それでは、私の方から議事の1番、自動車運送事業審議会の専門部会について、報告させていただきます。
皆様、資料2と資料3をご用意ください。
資料2を中心に説明させていただきます。資料2の1番のところです。
本専門部会設置の経緯につきまして、5月30日に開催されました「令和7年度 第1回審議会」におきまして、市長より諮問された審議事項「市営バス事業の収支改善について」を踏まえ、髙橋会長より専門部会の設置が提案されました。
委員の皆様によって専門部会の設置が承認され、合わせて私「井上」、「毛海委員」、「河﨑委員」の3名が専門部会委員となることで了承をいただきました。
その後、事務局との調整の結果、私が部会長、毛海委員が副部会長に選任され、計2回の専門部会が開催されました。その開催内容ですが、項目の2番です。
6月27日に開催されました、第1回専門部会の議事要旨を説明いたします。また、資料3の2ページにある議事次第を合わせてご覧ください。
この中の議事の2番といたしまして、令和6年度決算及び令和7年度当初予算概要を確認しました。
資料3の3ページから5ページがこれに該当いたします。
これらを見た中での意見ですが、昨今の諸物価の高騰に加えまして、人事院勧告による人件費の高騰も相まって、市営バス事業の収支が急激に悪化していることがわかります。
民間のバス事業者さんも同様で、令和7年度は6年度以上の人件費の高騰が予想されています。
今後の運転士の確保を踏まえますと、運転士の正職員の比率を上げることを検討された方がよい、といった意見がございました。
そのほかに、DX化推進の中で、運賃収受のキャッシュレス化を進める際には、通信費用等のランニングコスト、ここにも留意されたほうが良い、といった意見もあがりました。
次に、議事の3番、市営バス事業の経営分析です。
これにつきましては、資料3の6ページから16ページまでがそれに該当します。
財務分析や経営指標等に関して、他の公営バス事業者等と比較いたしました。
その中では車両の稼働率、1日1車当たり輸送人員及び料金収入、職員1人当たりの人件費等につきまして、高槻市営バスは平均値を上回っており、効率的な経営環境であることが確認されました。公営交通事業者の中では、平均よりは非常に効率的な経営環境にあるというお話です。
次に、市営バス事業の経営分析についてですが、人件費や物件費等の各種費用の実績値に基づいて考察を行った結果、費用のあり方は適正であるものの、今後は更に増加傾向であることが確認されました。
また、高齢者福祉乗車制度の実績及び今後についても考察を行い、各種の課題等が確認されました。
そして、議事の4番として、答申書についてということで、資料3では17ページからが答申書の案になります。これらの目次案について審議を行いました。
資料3の18ページをご覧ください。
本目次案では、1章「市営バス事業を取り巻く社会環境の変化」、2章「公共交通事業者として必要な社会的要請事項」、3章「市民生活に必要なサービスレベルを維持するための人材確保」、4章「経営基盤強化に向けた今後の市営バス事業経営の方向性」、5章「市営バス事業の経営分析等」、6章「中・長期的な収支改善を図るための方策」とされていましたが、これに対して意見が出ました。
まず、公共交通事業者としての社会的要請事項に加えて、市営バスとしての意義についても明確にした方がよい。
4章では、まちづくりとの連携や市民の移動手段の確保、高齢者福祉乗車制度の考え方を示すのがよい。
また、高齢者福祉乗車制度の利用者数や運賃収入、今後想定されることなどを示す方がよい。
また、市の都市構造や人口構造がどのように変化していくのかという点や、将来的にまちづくり自体を根本的に見直さないと市営バスの利用者層が変わってしまう、といったことも示した方がよい。
運転士や整備士等の人材確保について、重要な課題であるということをしっかり書いていただきたい。
そして、答申書の結びとして、市営バス事業としての適正な運賃水準のあり方について整理すること、といった意見がありました。以上が、第1回専門部会の要旨です。
次に、資料の2にお戻りください。2ページ目の3番です。
8月1日に開催されました、第2回専門部会の議事要旨です。これについて報告いたします。
第2回専門部会では、第1回で提示された答申書目次案並びに、それに対する専門部会委員各位の意見を踏まえた答申書の素案が提示され、それについて審議を行いました。
資料の3にお移りください。27ページです。ここからが、第2回専門部会の内容です。
まず、全体の構成ですが、1章は「市営バス事業を取り巻く社会環境の変化」、2章が「公共交通事業者として必要な社会的要請事項」、3章「市営バス事業経営の方向性」、4章は「中・長期的な収支改善を図るための方策」となっております。
1章につきましては、市営バス事業を取り巻く環境がどう変化するかについて書かれていること、また、人件費及び諸物価も高騰する中で運賃は上がっていないということが示されておりよいと思う。
根本となるバス需要について、人口が高齢化することが想定され、高齢化が進んでいくと高齢者福祉乗車制度の負担が今より厳しくなるということがしっかり書かれていてよいと思う。
今後、都市計画や産業の立地など、大きなトレンドが出てくることがあれば追記するのがよい、といった意見がありました。
続いて、資料2の3頁目をご覧ください。第2回専門部会議事要旨のところです。
2章の「公共交通事業者として必要な社会的要請事項」につきましては、市営バスも公共交通事業者であるという中で、市営バス事業として必要な社会的要請事項、公共交通として求められる輸送の安全確保とDX化の推進があり、更に市のまちづくりということで、2章と3章を分けるのがよいか、まとめるのがよいか検討されてはどうか、という意見がありました。
また、公共とは何かということを強く意識されると、もう少し整理しやすくなるのではないか。交通事業者だけでは解決できない問題があると思うので、社会がしっかり公共交通の安全について受容することも重要である、といった意見があがりました。
3章の市営バス事業の方向性ですが、情報を収集するだけではなく、今持っている情報やデータをどのように発信していくのかもDXだと思う。
SNSで発信していくことも良いことだと思うし、利用状況をもっと可視化することで、まちづくりとの関係性と絡んでいけると思うので、情報を収集して、それらの見える化をして発信していくことを意識されると良い。
市の福祉施策との連携について、より便利なものを導入するには、多額のコストが掛かっていくということがしっかり書かれているところがよいと思う、などの意見がありました。
最後に、4章につきまして、新しい需要を創造するというのは非常に難しいことで、大事なことは、既存旅客の確保だと思う。今、乗っていただいている利用者を逃さないというのが、中・長期的に収支改善を図るためには大事なことである。その基本は大事にした上で、新たな需要創造の取組とした方がよい。
また、乗務員の高齢化について、教育や研修の改善、健康管理等は書かれているが、従業員の満足度や従業員の使用する施設などの改善、休憩のしやすさなども大事だと思う。
この4章は、必ずしもバスではなくてもよいので、高槻市交通部はバスを運行するだけではなく、みんなの移動をしっかり支えていくのだというような宣言をする部分だと思う。
移動手段がバスであろうとセダン型の車両であろうと、しっかりみんなが移動できればよいということが大事だと思うので、そこを意識するのがよい。
また、ここ最近、消費税の改定を除けば、全く運賃の値上げをしていないということをもっと強く書いてもよいのではないか。
また、運賃の値上げという表現ではなく、適正な運賃水準というような表現を心がけていただきたい。
値上げというとマイナスなイメージに思われますが、不当に上げるものではなく、適正な価格をいただかないと適正なサービスを提供できませんということであり、そういうものだということを強く意識して、社会的に発信していただきたい、といった意見がありました。
以上のような専門部会での審議を経て、とりまとめられた答申書の案が、本日の議事の2番で示されることとなります。
次の2番のところで、皆様からご意見等よろしくお願いいたします。
最後になりますが、本専門部会の円滑な議事運営や、答申書案のとりまとめにご協力いただきました、毛海委員、河﨑委員に感謝の意を述べて、私からの報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。
会長
ありがとうございました。
それでは質疑に入ってまいります。本件に関しまして、ご意見、ご質問などございましたら、ご発言をよろしくお願いいたします。
A委員
資料3の18ページのところですが、市民生活に必要なサービスレベルを維持するための人材確保について、答申書の目次案では、人材確保を個別の項目として取り上げられていましたが、答申書素案では個別の章として取り上げられていないのですね。
そして、資料2の方では、人材確保について重要ですよねとお話しされていたかと思うのですが、これはレベル感が下がったということでしょうか。
事務局
人材確保について、重要度のレベルが下がったというわけではなく、全体の構成を変えたということです。
答申書目次案では全6章の構成にしていたのですが、それらをまとめて4章の構成にしたものが、本日ご提示している案になっております。
決して、問題の認識が低くなったというわけではございませんので、よろしくお願いいたします。
A委員
わかりました。
会長
他いかがでしょうか。
本件、今、井上部会長から、説明をいただいたわけですが、専門部会の方にご出席くださっていた、河﨑委員、毛海委員も本日お見えですので、もし補足など何かございましたら、この場で述べていただければと思いますがいかがでしょうか。
(補足なし)
他、いかがでしょうか。
B委員
資料3の54ページ、4-2、新たな需要創造への取組のところですが、「高槻市に愛着を持って住み続けたいと思っていただけることが、市営バスにとっても沿線人口の増加につながり」とありますが、高槻市に住んでいる方だけではなく、市営バスがあるということで、他の地域に住んでいる方にも高槻市っていいところだな、引っ越そうかなというように思っていただくというのもいいのかなと思いました。
会長
ありがとうございます。
本件、事務局からお願いいたします。
事務局
委員がおっしゃったとおり、我々も決して市民だけが顧客だという認識をしているわけではないのですが、特に、沿線にお住まいの方というのは重要な顧客でもありますので、ここではこういった表現にしておりますが、市外から高槻に、例えば、通勤や通学をされている方も重要な顧客であると十分に認識しております。
会長
他、いかがでしょうか。
C委員
前回の審議会の際に、D委員の方から観光についてご質問がありました。
その中で、私はどのように答えようかなと思っていたのですが、観光で新たな需要を創造するというのは、時代の流れもあって非常に難しいと思います。
しかし、今回の答申書素案の第3章で、市のまちづくりや観光施策との連携として、観光について触れていただいています。
私は、観光協会の代表としてこの審議会に出席をさせていただいていますが、他の市では市営バスというような移動手段がありません。交通部とは色々と観光に関して一緒に取組をしていますが、今後さらに、他市にない新たな観光施策にも一緒に取組ができれば、まちづくりにも貢献できますし、少しでも交通の経営に貢献できればと考えておりますので、この形で触れていただけたということで、非常にありがたいなと思っております。
会長
ありがとうございます。
事務局
市営バスというのは、まちづくりがあってこそ、あるいは観光と連携して、お客様をどういうふうに増やしていくか、確保していくかということだと認識しております。
答申書素案でも、本日の資料4、答申書案でも書いておりますように、動く市道という言い方をよくしておりますが、動く広告塔としての価値についても記載させていただいておりまして、その点を認めていただけたということで、非常にありがたいと感じております。ありがとうございました。
会長
他、いかがでしょうか。
D委員
先ほど、観光協会からもお答えいただいたのですが、私の住んでいる地域、北の方なのですが、やはり原や萩谷など、どうしても交通の便が悪い地域です。
今回も、原から樫田の方に関しては、市営バスの運行が10月か11月ぐらいから変わるようになっているのですが、ますます遠のくような気がします。
ぱっと乗ったらすぐに行けるというのが、ものすごく便利かなと思うのですが、それが原で乗り換えというかたちになりますし、それに予約をしないと駄目となっていますので、そのあたりがそこに住んでいる住民の方に対して、市営バスのサービスが行き届かなくなるのかなと思っています。
私が住んでいる地域でもバス停までがすごく遠いというところがありまして、そこの方たちは買物難民というのが出てきているのです。
そこの自治会では、スーパーと契約して週に1回でも生鮮食料品を売りに来ていただこうという話が出てきています。そのあたり、縦の繋がりがあっても横の繋がりがないというのが市営バスの欠点かなと思います。
運賃に関してですが、他の地域、茨木市などでも阪急バスさんなどがありますので、そのあたりと連携するのはものすごくいいことかなと思います。
値上げではなく、サービスをするためにはこれだけの金額は要りますというのは、私は正当だと思っています。
ただし、移動難民をつくらないでほしいというのがお願いになりますので、よろしくお願いいたします。
会長
事務局からお願いいたします。
事務局
最後に運賃改定やむなしというご意見をいただきましたが、前段でありました、原大橋から北側の別の交通手段につきましては、2つ目的があると思っています。
1つ目は、今の大型バスでは非常に乗り合い率が低いということで、非効率になっているということです。
2つ目は、大型二種免許を持っている人間が少なくなっているため、小型の車両であれば普通二種免許で対応ができるという点です。
こういった手段が、市民の移動を確保するために有効な方法ではないかということで、市と連携して取り組んでおり、実証運行でその有効性を確かめていきたいと考えております。
会長
他、いかがでしょうか。
それでは続きまして、議題の2の方に移ってまいりたいと思いますがよろしいでしょうか。
議題の2は「市営バス事業の収支改善について(答申)」でございます。こちらにつきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
2 市営バス事業の収支改善について(答申)
事務局
2 市営バス事業の収支改善について(答申)
(資料4の第1章に基づき説明がなされた。)
会長
ありがとうございました。
それでは、資料4の前半部分に関して、質疑に入ってまいりたいと思います。ご意見、ご質問などございましたらご発言をお願いいたします。
B委員
質問ですけれども、15ページで、在籍車両数と車両稼働率のグラフがありますが、この稼働率というのはどれぐらいが適正なのでしょうか。あまり高くてもいけないのかなと思いますが、予備車の話もありましたし、どうなのだろうと思ったのですが。
事務局
例えば、稼働率が100%だとすると、全く余裕がない状態ですので、少しでもバスの故障などがありましたらその時点で、次のダイヤ、次のバスが運行できない状態となります。
従いまして、稼働率は高過ぎてもいけないのですが、平均で80%程度であるとした場合、効率化を求める上では高い方がよいのですが、これが98%ギリギリまでいければよいかと言いますと、実際に故障したときにバスが動けなくなります。
アナログ的な判断にはなるのですが、稼働率は極力高い方がよいだろうということになります。
高槻市が70%前半で、他市ではもっと効率的な運用ができているのに、我々は効率化が出来てないのではないか、というようなことが見えてくるのではないかということで、この資料を作成しました。
全国平均が80%で、高槻市がその平均を少し上回る程度ということで、車両を遊ばせているとか、非効率的な車両の運用になっているわけではないということを見ていただければと思います。
B委員
ありがとうございます。
もう一つよろしいでしょうか。
会長
お願いいたします。
B委員
18ページのところですが、図の1-3-9で、バス車両台数と平均使用年数の欄がありますが、平均使用年数はどんどん増えて長くなっているというお話だったと思うのですけれど、最近がピークで、この後は下がっていくといったようなグラフになっているのはなぜなのでしょうか。
事務局
今から16、7年前になりますが、大阪府や東京都などの大都市圏で、NOx・PM法といいまして、排ガス規制の法律が変わり、既存のバス車両を数年内に全て乗り替えなければならないという事象が発生し、大量の車両更新を一度にしております。
そのときからバスの使用年数というのは、概ね15年程度で更新していたのですが、その時に大量に更新したものがワンサイクル経って、更新の時期に来ているということになっています。
ただし、このことは数年前から分かっていたのですが、令和2年度からコロナ禍になりまして、お客様も大きく減って、経営的にかなり苦しくなりました。そのため、16、7年前といいましたら、まだまだ経営的には黒字でしたので、大量の車両更新が可能でしたが、その後、減価償却費も嵩んできたところに、15、6年前と同じような、大量購入、大量更新ということができなくなっているため、極力バスを長寿命化させて、今後も定期的に買い替えができるように、長寿命化を図りつつ、定期的に平均的な台数で購入をしようと考えているところです。
ですので、ちょうど今が1番の更新のボリュームゾーンになってきており、今後は、平均して毎年10台前後ずつを更新していくという形になっていますので、徐々にですが新しいものに更新しているため、こういう形のグラフになっています。
会長
16、7年前といいますと、私がこちらの会議に出席し始めたころの議論だったことを、思い出しました。確かにトラック業界も含めて、非常に大騒ぎといいますか、車両の登録をどこでしているかによって規制が変わるという時期もありました。それが今になって影響を及ぼしている部分があるということでございます。
A委員
15、16ページをご覧いただきたいのですが、こちらのグラフで平均を上回っているので、良いですといったような意見、お話を伺ったのですが、グラフを見ていると、名古屋、京都、神戸などは平均よりも高く、一方で、佐賀、北九州、鹿児島などは平均よりも低くなっています。こういう傾向の中で、平均を上回っているから良いというのは難しくないでしょうか。
では、代わりにどのような指標で比較したらよいのかというと、答えを持っていないのですが、真ん中の数字がないような指標で、平均を上回っているから良いという判断は余りよくないのかなと思いました。
会長
事務局からお願いいたします。
事務局
決して平均を上回っているので、これで安泰ですというわけではなく、ここでお示ししている大都市圏というのは人口規模も大きな都市であり、地方圏と呼んでいるところは人口規模が少なくなっています。
都市の規模によっても効率性というのは変わってきますので、平均を上回っているから単純に良い悪いというのは言えないかもしれないのですが、一応、平均は上回っているというところで評価させていただいています。
これをもって満足しているということでは決してございませんので、引き続きの努力はしながらも客観的な指標として、このような数値を示させていただいているというように認識いただければと思います。
A委員
わかりました。
会長
それぞれの市の中で、市営バスがどの程度カバーしているかというのはかなり差がありまして、それは歴史的な経緯とか合併して行政区域がどのぐらい広がっていったかとか、実はそういったところにも関わってくるところではあります。
このあたりは話し出すときりがなくなるところでもありますが、まずはデータを見るとこういった比較が可能であるといったところかと思います。
他、いかがでしょうか。
それでは、議題の2の後半部分、答申書案の後半につきまして、事務局から引き続きご説明をお願いしたいと思います。
前半部分につきましても、ご質問、ご意見等でてきましたら、後でまとめて承ることにしたいと思います。
それでは、事務局の方からお願いいたします。
事務局
2 市営バス事業の収支改善について(答申)の後半部分について
(資料4の第2章~第4章に基づき説明がなされた。)
会長
ありがとうございました。
それでは質疑に入ってまいります。
本件に関しまして、ご意見、ご質問などよろしくお願いいたします。前半部分でいただいたご意見、ご質問などに対応した記述が、後半にもなされている部分もあるかと思います。
前半部分も含めまして、答申書案全体についてご意見、ご質問などいただければ、大変助かります。
(意見なし)
それでは、特にないということでございましたら、この答申書につきまして、本日いただいたご意見を踏まえ、最終版として取りまとめていくと、こういった手順を踏んでまいります。
本日の議論を含めまして、答申書の確定の作業に入ってまいりたいと思いますが、その内容につきましては、委員の皆様からご承認いただけるようでありましたら、会長である私にご一任をいただければと思いますがよろしゅうございますか。
(異議なし)
ありがとうございます。
専門部会の委員の皆様をはじめ、多くの方にご議論をいただきまして、この答申書が現状の市営バス経営の課題も網羅し、それから今後の方向性を打ち出すものになっていると考えております。
引き続き、誠心誠意、私の方で答申書を仕上げてまいりたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
それでは次に、議題の3「市営バス経営戦略の改定について」に移ってまいります。事務局から資料のご説明をお願いいたします。
3 市営バス経営戦略の改定について
事務局
3 市営バス経営戦略の改定について
(資料5及び資料6 に基づき説明がなされた。)
会長
ありがとうございます。
それでは質疑に入ってまいります。ご意見、ご質問などよろしくお願いいたします。
B委員
自分のことで恐縮なのですけれども、資料5の93ページ、委員構成のところで、私の名前の漢字が違うので、修正していただければと思います。
事務局
大変失礼いたしました。
至急、修正させていただきます。
B委員
ありがとうございます。
会長
他、いかがでしょうか。
A委員
77ページと18ページを開いていただきたいのですが、77ページの方の個別戦略7に対する指標で、現状、在籍運転士数が204人とありますが、18ページを見ていると、運転士は241人とあるのですか、これはどう数字を見たらよいのでしょうか。
事務局
確認して正確な数字に修正させていただきたいと思います。
A委員
続けて、77ページですが、現状の運転士数が204人に対して、最低必要人数が225人となっていますが、現時点で最低必要運転士数を下回っているということでしょうか。
事務局
運転士の最低必要人数というのは、21ページの図2-19にも示しているのですが、※2に書いていますとおり、2024年度時点のダイヤを維持するために必要な運転士数、ゆとりをもってダイヤを維持するために必要な運転士数が最低必要人数となります。
現状、それを下回っているということは、運転士の時間外労働等によって賄っているという状況になっています。
ただし、目標としてはそういう数字を目指していくべきであろうということで、最低必要人数というものを指標として示させていただいています。
A委員
ありがとうございます。
運転士数を増やしていく、改善していこうということで、大型二種免許取得支援制度で改善を図るということでしょうか。
今後も免許の保有者数が減っていくのに、5年間で225人を改善できるという計算なのでしょうか。
事務局
運転士の確保につきましては、今までは免許を持っている方を対象に、年3回採用試験を行っておりました。
それに加えまして、大型二種免許を持っていない方を対象とした採用試験を今年度から始めております。
今年度で言いますと、8月に最終試験を行い、3名の方を内定とさせていただきまして、その方々に、この9月に再度説明会をした後、12月末までに免許を取ってきていただいて、4月から採用という形になります。
交通部といたしましては、免許を持っていらっしゃる方に加えて、従来の採用活動と併せて免許を持っていない方への取得制度を活用した採用活動、その両輪で数字の方はある程度確保していこうと考えております。
A委員
ありがとうございます。
それで、この5年間で225人まで達するという計算なのでしょうか。
事務局
運転士の必要人数というのが、21ページに掲載されています、図2-19になりますが、これは前提条件がありまして、その図の下に※印で書いておりますが、在籍運転士数は正職の労働力を1として換算しており、※2の最低必要運転士数でいきますと、2024年度時点のダイヤを維持するために必要な運転士数という形になっています。
従いまして、例えば、樫田地域でデマンド交通を導入したり、こういったことで必要な運転士数が減れば、225人からもっと少なくなるといった形になります。
あくまで、2024年度の仕業を維持した上での必要運転士数として示しております。
A委員
正職員を1として換算しているということですが、答申書案では、会計年度任用職員を正職員にしていくことも検討していくと書いてあったものの、現時点の5年計画では、そこはもう検討されないということでしょうか。
事務局
これは今の時点で組んでいる数字になります。
この審議会の中でも、会計年度任用職員ではなく、正職での登用が必要であるというような意見をたくさんいただいています。
その点については、現時点でこうだというところまでは申し上げられないのですが、検討しているところですので、そのあたりも審議会の中で、決定事項がありましたら報告させていただきたいと思います。
A委員
わかりました。
会長
他、いかがでしょうか。
C委員
以前にも言ったことがあるのですが、33ページの財政計画に、燃料電池バスなどが載っているのですが、やはり公共交通としてもう少し環境問題に取り組んでほしいと思います。
環境問題ということであれば、市の施策とも連動するので、それを受けて公共バスとして環境問題に取り組むという姿勢もあると思いますので、この答申書案は収支改善についてということなのですが、経営戦略ではそれに連動する部分もあると思います。
以前、アイドリングストップとか、そういったことも市営バスで取り組んでおられたと思いますので、環境問題にも配慮した形で取り組んでほしいと思います。
事務局
こういった電動バスというものを市営バスとしても全く導入しないというわけではなく、状況を見据えながら、環境性能にも配慮し、考えていかないといけないところではあると思っております。
以前の審議会で申し上げたことがあるかもしれませんが、そういったことが大切であるということは認識をしており、情報収集は絶えず行っていかなければならないと思っています。
しかし、高槻市営バスの事業規模感で言いますと、国から補助金があると言っても、どうしても1台当たりの導入コストがかなり高くなってまいります。
既存ディーゼル車であっても入れ替えていくのに、その後の減価償却費が非常に嵩張ってくるということがあります。
また、非常に危惧していますのが電動バスの運行の安定性といいますか、導入しておられる他の社局さん、民間も公営も含めて、色々と情報を聞いている中で、非常に故障等があると聞いています。
整備をするにしても、電動バスは既存の整備士ではなく、専門の資格がある者でないと整備ができない等、修理ができないまま止まっていることが結構あるということも聞いております。
車両の稼働状況、稼働率の話もありましたが、少ない車両数で効率よく回していこうとしている中で、多額のコストをかけて導入した電動バスが、数か月止まったままになってくると、市民の移動を守るというところに直結する可能性があるのではないかということも危惧しております。
そういったことも含めて、先行的に、大規模事業者では電動バスを導入されていますので、普及すれば徐々に状況は変わってくるでしょうから、導入をするときにはすぐに動けるように情報収集しつつも、現時点では慎重に検討しなければいけない、というところが現状と考えております。
E委員
参考までに、私どもでは電動バスを導入してから3年目で、18台あります。
元々は日本のメーカーがなかったので、中国製がほとんどで、純粋な日本メーカーというのは、いすゞ自動車が去年から、実質は今年から万博に間に合うようにということで導入されているのですが、価格の面では定価ベースで約3倍します。
ディーゼル車が約2千数百万、いすゞ自動車が公表されている定価が約6千8百万円なので、国からの補助が3分の1出るのですが、3分の2が自己負担ということになりましたら、約倍ぐらいですね、2千数百万の倍ぐらい費用が掛かります。
性能面では、通常は燃費といいますが、電気なので電費というのですが、フル充電で大体100キロ、公表値は200キロ走ると言っているのですが、夏場のクーラーや冬場に暖房をつけると、3~4割ぐらい走行可能距離が減ります。
ディーゼル車では、冬場の運用で、1日に百数十キロ走ると思いますが、それが非常に難しく、運用面と性能面が安定してないといったようなことも含めて、各社さんの方で、もう少し性能がよくなるよう、メーカーの方に依頼しながら様子を見ている状況かと思います。
事務局
ありがとうございました。
会長
ありがとうございます、非常に勉強になりました。
他、いかがでしょうか。
F委員
答申書案の方にも書かれていましたが、人材確保のところで、免許のない方でも採用して支援していくということですが、商工会議所の運輸部門の方に話を聞くと、トラック業界や運輸業界などでは、免許を持っていない、免許を取らない若者が多いという点と、大型免許を持っていない方が多く、採用時に困っているという話があります。
また、市営バスと同じように、免許を持っていない方を採用し、免許を取っていただいて正社員にするという話に加えて、免許を持っていなくても正社員で採用し、免許を取ってもらって雇用するという話も聞いています。
もう1点は雇用条件ですね。免許を取ってもらった後雇用し、雇用を継続して離職率を低めるにはどうしたらよいかという話を運輸業界の方がされるのですが、魅力ある職場づくりをしないと若者はすぐやめていくということがあります。
それを引き留めるにはどうすればよいかというと、78ページのところにもありますが、運転士の確保と、離職率を低下させるための魅力ある職場づくり、というところに力を入れていただきたいなと思います。
事務局
魅力ある職場づくりは、非常に大切だと思っております。例えば、設備面についても、運転士から色々な要望を聞きますので、できることから少しずつ対応しているところです。
私どもも運転士が離職していくことは残念なことだと思っていますので、その数字が最小になるように努力していきたいと思います。
会長
他、いかがでしょうか。
なければ、次の議題4「その他」に移ってまいります。ただいまの経営戦略に関しましても、後ほど、ご質問、ご意見等ありましたら、まとめて承りたいと思いますので、議題の4「その他」に入ってまいりたいと思います。
樫田地域におけるデマンド交通実証運行について、事務局からご説明をお願いいたします。
4 その他
事務局
4 その他「樫田地域におけるデマンド交通実証運行について」
(参考資料に基づき説明がなされた。)
会長
その他ということで、報告事項的な扱いかと思います。
何年か前にICカードを導入して、様々なデータをとれるようになり、その分析を進めた結果に基づいて、こういった形で実証運行を始めることになったという経緯であると思います。
以上で、本日の案件は全て終了することになりますが、委員の皆様、あるいは事務局の方で何かございましたら、今までの議事全体に関しても、ご意見、ご質問など承りたいと思いますがいかがでしょうか。
副会長
樫田でこれからデマンドを導入されるときに、再三お伝えはしていますが、新しく始まるものについては、公営になるほど非常に不安に思われます。
その不安に思う心のハードルを下げるためには、やはり実物を見ていただいて、予約をするという体験をしていただくことだと思います。
手間が掛かって大変なことは重々承知しておりますが、ここにありますような予約方法等住民講習会の実施で、予約の方法だけはお伝えいただければと思います。
もし、スマホでも登録できるような仕組みをつくられるようでしたら、皆さんにスマホを持ってきていただいて、登録をするというのが一番よいと思います。
一昨日、私も初めて別の地域のデマンドの予約をしようと思ったのですが、そこではLINEでできますと書いてあったので、やってみたのですがとても大変でした。
ようやく予約できたと思ったら、30分後からということで、それでやっと予約できたという感じになるのです。
こういうのは、使おうと思ったとき、乗りたいと思ったときに、皆さん初めて登録されると思うのです。乗りたいと慌てているときに、あれこれ手順が多いと途中で心が折れて、もう二度と使うまいということになってしまいます。
シェアサイクルのループとかもそうだと思うのですが、乗ってみようと思ったときに、訳が分からなくてやめてしまうか、頑張って何とかたどりついて利用できるかなのです。
そのハードルさえうまく下げることができれば、2回目以降は必ずお使いいただけますので、手間が掛かるとは思いますが、ぜひ、1人でも多くの方々に、地域の方々に広げていただいて、登録していただくというのをよろしくお願いいたします。
会長
コロナ禍以降、交通に限らずですが、社会の様々なところで予約制というのが増えてきたのは確かで、万博なんかもそうですよね。経験されている方も多いと思います。
確かに、アプリがどんどん便利になっているように思いますが、実際使ってみると抵抗感があるというのも、副会長が言っておられたとおりで、私もそういう場面に多々接するところはあります。
繰り返しになってしまいますけれども、高槻市の場合はまず地元があって、地元住民の方々に密着して使っていただけるということが一番だと思います。
そうした点は今後、こういった経験を積んでいくことが、様々なところで市民サービスの参考になる部分もあろうかと思っております。
他、いかがでしょうか。では、事務局からお願いいたします。
事務局
最後に、今後の予定等についてご説明させていただきます。
まず、本日ご審議いただいた答申書案ですが、会議の途中で髙橋会長からございましたように、会長預かりとして、仕上げてまいりたいと思います。
後日、内容が確定しましたら、本日の案からの修正点も含めまして、委員各位にも連携させていただきますので、よろしくお願いいたします。
また、本答申書に基づきまして、今後の市営バス事業の収支改善について、真摯に取り組んでまいりたいと思いますので、引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
次に、議題の3で提示した市営バス経営戦略の改定版ですが、今後、パブリックコメントを経て、最終版としてとりまとめ、次回の審議会で報告させていただく予定となっております。
その次回審議会ですが、現行経営戦略の令和7年度の取組状況の報告等を主な議題として、来年、令和8年の2月頃に開催させていただく予定となっています。
その際、またご参集のほどよろしくお願いいたします。
事務局からの報告事項は、以上となります。
会長
ありがとうございました。
本日ご審議いただきました答申書につきましても、経営戦略につきましても、今後数年間の市営バス事業の未来を占う、非常に重要な議論になっていると思います。
改めて身の引き締まる思いがいたしますし、それから委員の皆様には色々とご議論いただいたこと、改めて御礼を申し上げたいと思います。
それでは以上をもちまして、令和7年度第2回高槻市自動車運送事業審議会を閉会といたします。
ありがとうございました。
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