会議の概要
会議の名称 | 高槻市自動車運送事業審議会 |
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会議の開催日時 | 令和7年2月21日(金曜日)10時から12時まで |
会議の開催場所 | 高槻市役所本館2階 全員協議会室 |
出席委員 | 10名 |
議題 |
1. 市営バス事業の経営状況 2. 市営バス経営戦略(現行版)の進捗報告 3. 市営バス経営戦略の改定について 4. その他 |
審議内容 | 下記のとおり |
資料 |
資料1 令和6年度 第2回高槻市自動車運送事業審議会 議事次第[PDF:41.4KB] 資料2 過去5箇年の収支推移表(令和2年度~6年度)[PDF:113KB] 資料3 今後の収支予測(令和5年度~15年度)[PDF:554KB] 資料4 市営バス経営戦略(現行版)進捗管理表[PDF:276KB] 資料5 市営バス経営戦略(現行版)主要な具体的取組[PDF:6.2MB] |
担当課 | 交通部 総務企画課 |
開会
<会長から挨拶>
おはようございます。それでは定刻となりましたので、ただいまから令和6年度第2回高槻市自動車運送事業審議会を開会いたします。
本日は年度末のお忙しいところ、また、大変寒い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の議事進行にもご協力をいただければ幸いでございます。よろしくお願いします。それでは座らせていただいて、続けてまいりたいと思います。まず、本日は傍聴希望の方がおられるでしょうか。
会議の公開と傍聴希望の確認について
<会議の公開について>
(高槻市自動車運送事業審議会の会議の公開に関する要綱及び高槻市自動車運送事業審議会傍聴要領に基づき、公開することとなる。)
(傍聴希望者:4名入場)
1 市営バス事業の経営状況
事務局
1.令和6年度の決算見込み
2.収支シミュレーション(令和6年度~15年度)
(事務局から資料2及び資料3に基づき、説明がなされた。)
会長
ありがとうございました。それでは質疑に入ってまいります。ただいまのご説明に関しまして、ご意見ご質問などございましたら、ご発言よろしくお願いします。
A委員
人件費の高水準と標準との設定はどう違うのでしょうか。
事務局
まず標準パターンの方ですが、大きく変わっているのが人事院勧告に伴う賃上げの部分になります。標準パターンにつきましては、令和5年度の人事院勧告の内容が2年に1回あるという前提で組んでいます。従いまして、令和5年度の人事院勧告は0.96%程度の賃上げでしたので、大体0.5%弱ぐらいの人事院勧告が2年に1回あるという前提になっており、賞与については毎年0.05ヶ月上がるような想定としています。
次に、高水準パターンですが、こちらは令和6年度の人事院勧告がかなり大きな水準のものでした。30数年ぶりに3%近く、2.76%程度上がったのですが、令和7年度に令和6年度と同じ水準でまず1回上がり、令和8年度以降は2年に1回、令和5年度の人事院勧告の水準で賃上げがあったと想定し、2年に1回、0.5%程度の人事院勧告があるという想定でシミュレーションしています。賞与については標準パターンと同様に、毎年0.05ヶ月上がる想定としています。
A委員
令和8年度以降の高水準は、2.7%ぐらいが2年に1回ということですか。
事務局
令和8年度以降は、0.5%ほどの上昇が2年に1回起こるような前提で組んでおります。
A委員
標準が令和5年度の人事院勧告をベースにして、8年度以降は0.5%が2年に1回ですね。
事務局
令和8年度から2年に1回で0.5%です。
A委員
高水準は令和6年度と7年度だけがとびぬけて高くて、あとは標準と一緒で0.5%が2年ということですか。
事務局
はい。おっしゃるとおりです。
A委員
ありがとうございます。
B委員
乗客の逸走率の関係ですが、20円上がったときも30円上がったときも、それから人件費増加の高水準と標準、両方3%なのですが、これはこれでいいのでしょうか。
事務局
運賃改定を仮に行った場合の乗客の逸走率ですが、過去に消費税の改定等に伴う運賃改定をしてきましたが、そのときの数字を参考に、3%程度と仮定しています。
C委員
収入の方の推移、値上げによる逸走や人口減少が0.5%というようなシミュレーションをされていますが、この場合は結構長い期間になるので、この予測に現行の運行水準ですかね、地域全体の要素、例えば減便するとか、そういった要素も含めた収入の見込みなのでしょうか。
事務局
収入に関しましては、減便をするという想定は入れておりません。ただ、ここに書いていますとおり、今後、少子高齢化により人口も減少していきますので、その辺りは高槻市のこれまでのトレンドを見て、収入の部分では少し低めに考えているということになっています。
C委員
はい、わかりました。
D委員
資料3の1ページ、この標準ですけど収益がずっと、10年間35億近い推移と予測されていますが、これってどうやって10年間同じぐらいって計算されたのですか。なかなか10年間同じと計算するのは難しいと思うのですが。
事務局
そうですね、先ほどのC委員からのご質問のとおり、人口が0.5%程減っていくだろうというところで、収入の方も若干減って、これはグラフだと少し見にくいですが、実は数字であらわすと若干減っていっているという予測になっております。
D委員
若干増えていますよね。令和6年度から令和16年度で若干。
事務局
それはコロナ禍を経て、若干お客様が戻ってきて増えている部分も前半の部分では加味して、その後、人口減少によって収入が下がっていくという予測になっております。
D委員
乗客逸走率、消費税の兼ね合いで、ずっと3%って言われるのでしたら、そんなにずっと乗客が離れないと仮定されるのでしたら、もっとドーンと上げたらいいのではないですか。
事務局
収入をもう少し多めに予測してもという趣旨でしょうか。
D委員
そうです。
事務局
そこは予測なので難しいところですが、逸走はあくまでも運賃を上げた瞬間の、その年度での数字、逸走率を想定していまして、収入に関しては、あまり甘く見込むのはどうかというところで、若干厳しめに見込んでいます。
D委員
難しいと思うのですが、運賃を20円上げるのも30円上げるのも逸走率が一緒というのは、やっぱりしっくりこないですね。
事務局
今のご意見を踏まえまして、今後検討させていただきたいと思います。
副会長
私は、このシミュレーションを前提として考えると、恐らく利用者はそんなに希望できないぐらいになるだろうと。今回は人口の全体の減少率0.5%で考えられていますが、今の高槻市内の住宅の居住地のトレンドを見ていると、駅周辺が強いですよね。今までのような郊外丘陵地や平坦地の居住ではなくて駅前になっているので、恐らくバスに乗る回数が減ってくるだろうと。なので、これよりも収入は厳しめに見た方が、妥当だと私は考えます。
もう1つが、人口が今後どうなるかというとかなり減少します。これから社会人になる子たち、15~19歳の、令和16年頃の子どもたちって同じ5歳階級でみると100万人ぐらい今より人口が減ります。なので、5分の1に均等だとすれば、20万人ぐらい新卒が減るのです。ということは、高い給料を払っているところに行くので、当然ながら人事院勧告もやらざるを得なくなると思います。
なので、確かに市民感覚からいくと30円上がるというのは、すごくイメージが悪いかもしれませんが、そこはたまにしか乗らない方は多めに負担してください、毎日利用されて、今後も日常の利用が期待される通学に関しては据え置きます、のように、今回のこのシミュレーションをしっかり説明することで、大幅な値上げと思われても実はちゃんとした負担になるという見せ方を、これからご検討いただければと思います。なので、この30円というのは、私は妥当だと考えます。
事務局
この予測に関しましては、様々なご意見もあろうかと思いますし、D委員のご指摘や副会長のご指摘も踏まえまして、またさらに検討を深めまして次回この資料に反映させていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
C委員
環境問題について、施策の中でEVバスがいいというのはまだ仮定だと思います。今のディーゼルエンジン以外の水素やEVバスなどいろいろあるかと思いますが、そういうのは目標数値といいますか、努力目標みたいなものが5%とか出ています。車両の買い替えというのですかね、多分2030年までの目標数値というのが出ていると思いますが。そういった高価格のバスを買いかえる費用は、このシミュレーションには盛り込まれているのでしょうか。
事務局
今回のこのシミュレーションには、高価格帯のバスの購入というのは含めておりません。環境の関係の指針といいますのは、私どもは市営バスですので、市の方でそういった環境関係の指標を持っておりますので、そこに準じてやっていくのかなと考えております。EVが出てきた当初のような勢いがなくなっているところで、私どもも高槻市営バスの事業規模を見ながら、どれぐらいの時期にどれぐらいの費用で入れていかないといけないかというのは、検討してかないといけないような事案なのですが、この10年収支には見込んでいないというのが答えでございます。
E委員
非常にシミュレーション自体は難しいかなと思っています。10年間でも結構、技術変化とかもあると思いますし、DXの推進とかも考えるとどの程度コストがかかってくるのかというのは、読みにくいかなと思いますが、引き続き検討いただきたいと思います。
先ほど、20円、30円ですね、上がった分だけの逸走率が同じというのは、確かにちょっと納得はいきにくいかなとは思いますが、基本的に、こういう運賃に対して価格の感度というのは、一般的にも低いということがわかっていて、10円の差というものに対してそこまで乗客は動かないと一般的に考えられます。もちろん、きちんと精査して、もう一度シミュレーションをすることは大事だと思いますけれども、価格に対する感応度ですね。運賃に対する感応度は地域交通に関して非常に低いので、そんなには変わらないのではないかというふうに思っています。意見として伝えておきます。
C委員
弊社では一昨年、220円から230円に上げさせていただいて、大阪都市部で、去年の10月にさらに20円ということで合計30円。220円から今、大阪の都市部で30円上げさせていただいているのですが、10円のときはほとんど反対のご意見というのがなくて、逸走もわずか0.2とか0.3%ぐらいあったかなというぐらいでした。さらに、昨年の10月にプラス20円、合計30円上げたら、若干のご意見は沿線のご乗客からいただいたのですけれども、そんなにダメとかいうのはなかったです。当然、事前に各沿線の市町には、人件費の上昇ですとか、設備の安全投資とかいろいろな部分がございますので、比較的ご理解していただけたかなという感想を持っております。
会長
個人的には、これは業界全体ですけれども、ドライバー不足で値上げと並行して減便しないといけない状況が出てきていて、そちらの方が逸走率といいますか、それで不便になって、バスに乗る習慣自体が減ってしまうという方が、少し危険な香りがするなと思っているところです。高槻にそれがそのまま当てはまるかどうかというのはわかりませんが、いろいろな事業者の方からお話を伺っていると、そのようなことも考えます。
事務局
本日お示しした資料は、仮にということでいろいろな想定をしており、運賃改定に関してもまだ何も、具体的なことは決まっておりませんが、20円上げたらこうなる30円上げたらこうなる、というような資料を示したというようにご理解いただければと思います。C委員からいただいたように、仮にですけど、そういう事態が起こった場合には、丁寧に利用者の方に説明していくということは必要だと認識しておりますのでよろしくお願いします。
会長
それでは、ここまでにつきましてはまた後程、ご意見ご質問があったら承ればと思います。続きまして、議題の2「市営バス経営戦略現行版の進捗報告」に移りたいと思います。事務局から資料のご説明をお願いします。
2 市営バス経営戦略(現行版)の進捗報告
事務局
1. 令和6年度の取組結果
2. 令和7年度の取組予定
(事務局から資料4から資料6に基づき、説明がなされた。)
会長
ありがとうございました。それでは質疑に入ってまいります。ただいまのご説明につきまして、ご意見やご質問などございましたら、よろしくお願いします。
F委員
資料6のマル5番についてですが、令和6年度は8月に運賃経路、時刻表検索のビュー数がカウントされているため、大幅に増加しているという部分がよく理解できなかったので、詳しくご説明いただけますでしょうか。
事務局
令和5年度まではGoogleの仕様上の関係で、備考に書いていますようにNAVITIMEのビュー数がカウントされてなかったので、今回大幅に、100万件以上伸びているように見えるのですが、この数字もカウントできるように、システムの方が変わったということで、大幅に伸びているような表記になっております。前年と同じような形でカウントしても、ホームページの閲覧数は右肩上がりで伸びているといったような状況になっております。
副会長
今後、多分やらざるをえなくなってくるものが4つぐらいあって、1つがDXだろうと。そのDXは、当然ここに書かれているとおり人材を育成して、MaaSを積極的にやらざるを得ないと思います。スルッとQRttoもそうですし、KANSAI MaaSですか、アプリとかにもチケットを載せていかないといけないので、それに対応できる人材の育成が必要です。もう1個は、ビッグデータの活用で、データは自分たちでしっかり持ってそれを活用して、可能であれば販売して、それを副収入としていくことをこれから求められると思います。
次が、自動運転への対応で、今回、書かれていたとおり注視していくことが大事だと思います。多分やらざるを得ないと思います。あともう1個が、外的要因でライドシェアです。良い悪いは別としても、ある程度視野に入れて、それに対してどう住み分けをしていくか、高槻市交通部がライドシェアを管理するというのもあるかもしれませんので、この動向は注視いただきたいと思います。
その上で1個、本庁との調整で必要になるのが、DXを進める中で、DXはやるけれども外部ネットワークからなかなか繋げられないシステムってどうなのかということです。要は、これからのアプリやソフトだというのは、外部のネットワークにつなげて、例えばイラストレーターとかアドビのソフトがそうなのです。それが、今だとネットワークの安全性がと言って、アドビにできませんというのは、行政で多いのですよ。それでDXって何を言っているのですかというのが私の意見なのです。ある程度リスクを覚悟の上で、ソフトをうまく使って人材育成をしていかないと取り残されていきます。もしどうしても、安全性の方を重要視するのであれば、外部委託をしないといけないので、ある程度のコストは負担しないといけないのです。その点は本庁としっかり詰めていただきたいというのが、私の要望です。
いずれにしても、今後、大きな投資も必要となってきますので、最後にありました運賃改定のところでも、しっかり投資できる金額を持っておかないと時代に取り残されていきます。値上げして儲けたみたいなそういうイメージではなくて、しっかり投資できる体制を作っておくことが今後の生き残りに関わってくるので、しっかり進めていただければと思います。
事務局
副会長からもございましたとおり、DXに関しましては、恐らくですが、市の部局の中でも扱っているシステムの数はかなり多いのが交通部だと認識しておりますし、資料の中にもありましたとおり俗人的な管理になりがちなところもあるのですが、ご指摘のとおり市のDX推進と密に連携しながら、今後進めてまいりたいと考えております。さらに自動運転やライドシェア等も、関西万博の状況をみながら、今後、飛躍的に進む可能性もあるかなと考えておりますので、この辺りも市の交通政策部局とも連携しながら、注視してまいりたいと考えております。
C委員
ご参考に聞いていただけたらいいのですが、こちらの4ページのところで、小中学生向けの企画乗車券ということが書かれていますが、実は私どもも小学生などに「出張教室」みたいなものを過去はやっていたんですけど、やはり年間の回数に限度がございます。実は、そういうコーディネートしていただける専門の業者がございまして、公共交通の必要性といったものを作った冊子を各沿線地域の、小学校などで教育委員会を通じて、授業の一環で取り上げていただいています。そういう授業の中で、例えば、年1回とか、小学校を卒業するまでに1回とか、そういう公共交通の授業を開催していただけるようご協力いただいて。まだ昨年からなので、総件数は集約しきれてないのですが、そういう取組もやっているということをご参考いただけたらと思います。
事務局
ぜひこの会議が終わりましたら、詳細に情報提供について教えていただければと思います。参考にですが、高槻市営バスということで、この前も市内の中学生の方が市営バスにヒアリングに来られまして、自分たちで勉強してそれを発表するといった取組もされておりますので、その辺りは我々も積極的に協力して、ぜひ市内中学生に市営バスというものをもっと知っていただくような取り組みは、今後やっていきたいと考えております。
B委員
人材確保、運転士さんの確保というのは、非常に大変なのだろうと思いますが、高槻市営バスの運転士さんの採用情報ということで、その右側に女性が載っております。令和6年度の新規採用で応募数17人となっていますが、女性の運転士さんの応募はどうでしょうか。
事務局
この17人の中に女性の応募者は、残念ながらいらっしゃいませんでした。
B委員
全体の傾向として、応募される方がおられるのでしょうか。
事務局
応募いただける年も中にはありましたが、この数年でいきますと採用にまでは至っていないというような状況でございます。
B委員
先日、京阪バスに乗ったときに女性の運転士さんだったので、高槻市もぜひ女性の運転士さんを採用していただければと思います。運転士さん不足の解消に必要なのだろうと思ったので聞いてみました。
事務局
交通部には女性の運転士が3名、全部でおりまして。採用のホームページの中でも、例えば女性のシャワー室の様子なんかも綺麗に写真を撮ってアップしておりまして、こういったものを見ていただきながら、応募の方が出てきていただけたら大変嬉しいなと思っております。
G委員
一般市民の声として聞いていただきたいのですが、資料5の2ページのところに、バス停のことが書いてあるのですが、ずっとバス停を見ておりますと、高槻行きの方のバス停の屋根はほとんどついているんですね。ですが、高槻から目的地まで行くところは屋根がないので、バス停の存在感が薄い。やっぱり降りたらすぐ帰るという気持ちがあるのかなとは思いますけれども、インバウンドや旅行者の方が春にかけて多くなりますので、バス停を探される方が多いです。
私は北の方に住んでおりますので、上の口・原の方向とそれから塚脇の方面なのですけれども、上りに関しては、バス停の存在感がほとんどない。というのは、屋根がないからだと考えております。それから、塚脇の方。あそこは循環になっていますので、これから桜公園とか、春にかけて非常に人が多くなりますので、道路関係と一緒に開拓しないと駄目な場所かなと思っているのですが、なかなかその屋根がないというのが住民の一番の願いですね。それで、できればその要望を、私も会長になりまして丸6年になりますが、ずっと毎年のようにプッシュしているのですが、全く付かないという現状になっております。道路の関係もあると思いますが、その辺りも一般の住民からの意見としては、聞いていただけたらなと思っております。
バスの値段のことなのですけれども、20円とか30円とか上がるという話ですが、上げたらどうかというお話も聞いております。これだけ物価高で、卵も昔は10個100円ぐらいで買っていたのに、今はもう250、300円、もしくは、もう500円ぐらいにもなるという感じもしておりますので、もうそれに慣らされてきています。当たり前のような感覚に主婦はなっております。ですからバスに関しても、いつまでも上げたら乗らなくなるとかいうんじゃなくて、やはりそれ相応の値上げも必要ではないかと私は感じております。バスの赤字の解消にも繋がると思いますし、市の方からの補助も大分出ていると思いますので、その件に関してはやっぱり利用者は、納得していると思うのですね。ですから、大阪市とかの方のバス料金、それから大阪市の地下鉄、もろもろのバス料金や地下鉄の料金も皆さん、よくわかっていますので、躊躇なく上げていただいたら私はいいかなという考えを持っております。
一般の方もいろいろと話していると、高齢者は無料で乗せていただいておりますけれども、それがとってもありがたいので、皆さんたくさん利用されていると思うのですね。でも、一般の方にすれば、いろいろな値上がりから考えたら、10円や20円は許されるのではないかと思っておりますので、その辺りのところをまた、堂々と上げればいいんじゃないかなと私は思うのです。それでは困るという方も中にはいらっしゃるので、その辺りのアンケートも取られていましたので、1人2人の意見を重視するのか、それとも、全体のことを考えて運営していくのかというのは、やはり決断すべき時期に来ているのではないかと思いますので、その辺りまた考えてみてください。
事務局
今のご質問の中でのバス停の上屋の件ですが、ご質問いただきましたのでこの場をお借りして説明させていただきますと、私どももお客様の利便性、ご利用していただいているお客様が心地よく使っていただくというのが一番かなと思っておりまして、気持ちとしましては、いろいろなバス停の降り場、乗り場、区別なく雨が降っているときや夏の暑いときに、雨風日差しを防げる上屋があればいいというのが、気持ちとしては十分理解しますし、そうだなと思っております。ただ、このバス停の上屋といいますのが、建てるときのイニシャルコストもそうですし、そのあとの維持という形でランニングコストもかなりの金額がかかってまいります。私どもは先ほど収支状況等をお見せしています中で、やはりすべてのバス停に上屋をつけるというのは、費用的にも、現実的にも少し無理な話であります。
私どもで一定考えておりますのが、まず乗られるときのバスを待つとき、バス待ち環境ということで、「駅向き」ですね。申し訳ないですが、やはり降りられるところよりも、これから駅に向かわれる方が待たれるときの方が、雨風日差しというのがありますので、そこをまず優先事項としては一番に考えております。次に、高槻市内は、市営バスが住宅地深くに入り込んでいる路線が数多くありまして、そこにバス停の上屋を設置できるほどの道路状況といいますか歩道状況ですね、法的とか基準的にも厳しいところがあります。あとは、住宅地など数多く乗ってこられるところに、まずはバス停の上屋を付けたいと思っておりますので、限られた費用とこういったハード的な問題から、適切にお客様の利便性を図れるようにこれからも努力していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。
事務局
運賃についてのご意見をいただきましたが、現時点では運賃改定に関しては具体的な予定ですとか方針等は決まっておりませんけれども、運賃改定も収支の改善を図るための項目の1つであると考えております。そのためこちらの審議会で、様々なご審議をいただきながら、中・長期的な収支の改善に係る検討を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
C委員
ご参考ということでもう1点。3ページのところにDXの一環になるのかなと思うのですが、今現在はキャッシュレスの取組ということで、定期券発売窓口では、クレジットカード等いろいろなものを使えるようにされています。今後の展望のところに、運賃箱におけるクレジット決済等の導入の検討と書かれているのですが、ここは一番始めにあった収支の見積もりの将来予測の中で、車載機の更新の費用を見られていましたが、そこにはランニングみたいなものも入っていたのでしょうか。
事務局
はい。車載機の更新に加えて、維持管理費用の方も反映をしております。
C委員
私どもの方が遅れていまして、テスト的に一部の路線だけに、車内の車載機でクレジットのタッチ決済があるのですが、利用頻度が多くなればなるほど、通信費を含めて驚くほど高い値段を言われたもので、それはもう見込まれているということですね。
事務局
費用として見込んでいるレベルですが、具体的なところまでは踏み込めていなくて、ある程度の数字を見込んでいるという状況です。運賃箱のキャッシュレス化というのは利用者にとっても、利便性が上がるのかどうかという課題もあると思いますので、その辺りは慎重に検討していきたいと考えております。
副会長
いくつか参考ということで。タッチ決済についてですが、クレジットのタッチ決済で一番効果が出るのが外国人観光客だそうです。京都府内ですと、例えば、近鉄の小倉駅で、異様にクレジットの決済が高まっている理由が、任天堂ミュージアムです。大体海外の方なので、海外の方が多いような路線や事業者さんはタッチ決済を早めに検討したほうがいいというようなことが、鉄道の方でも言われているそうです。ご共有いただければと思います。
今後のドライバーさんの確保ですが、まずは今回のような情報発信がとても適切です。なかなかいい方が来てくれないと言っている事業者さんのところを見ると、ホームページ自体がそもそも情報がないと。昔ながらの求人募集みたいになっているので、若い人は多分こないだろうと。別の事業者さんなんかがSNSを駆使して、ホームページにもいろいろな情報を出した結果、一応、応募者は増えた。それが水準に至っているかどうかは別としても、少なくとも応募者が増えるということで関心を持っていただけるので、情報発信は重要だというのは他の事業者さんとも共有できればと思います。
その上で、例えばライフスタイルの変化を考えて、芝生とか緑が丘車庫の中にとは言いませんが、そのすぐ近くに保育園を作って、送り迎えしやすくするとか。子育て世代が時短でハンドル握れるようにするなどしていくような、バス事業者だけではできないのですけれども、まちづくりの取組で子育てしやすい環境というのを作っていかないと、今後、厳しくなってくるだろうなというのを感じております。それは、自分自身が通勤するときに子どもの送り迎えなどが結構大変だったので、多分今後もそうだろうと思うのです。
担い手確保と地域との連携で最近多いのが、高校生の皆さんが総合的学習の時間で、公共交通のことをいろいろと学ばれて発表するというのが増えています。中山間地域もそうですし、都市部もそうです。これは事業者さんにとっても良いのが、高校生たちの困りごとがしっかり聞こえるそうです。まだここは本数が多いからいいのですけれども、本数が少ないところだと、「もう10分遅くしてくれると部活の時間とうまく合うんです」とか、高校生の利用促進に繋がるようなことができるので、ぜひ市内の高校生の皆さんとお話ししてみるとか、総合的学習の時間で公共交通を扱っていただけるというのは、今後の利用者の維持にも繋がるのです。ここで関心を持っていただければ、入部いただける可能性が高まりますので、ぜひ高校生の皆さんとの接触機会を増やされると良いというのは、よそから聞いていますので、共有させていただきます。
会長
私の方から若干補足しますと、キャッシュレス決済ですが、例えばイギリスなんかに行きますと、地下鉄でもバスでも改札や運賃箱など全部クレジットカードで、タッチ決済というのがかなり進んでいるという状況です。ただそういった諸外国では、日本で言いますようなICOCAとかPiTaPaみたいな交通系の電子マネーというもの自体が、ほとんどありませんので。そういうのがない状況で、コロナ禍での現金決済が避けられるという状況もあって、クレジットカード決済が一気に普及をしていったというところであります。外国に行くと、我々も外国人観光客になるわけですので、非常に便利なところはあるわけです。
3ページの資料を見ていただいてもわかるように、国際的な寡占になっておりますので、手数料がこれから吊り上げられていく可能性というのはあると思います。ちょっと予測が難しいところですが、熊本でしたか交通系電子マネーをやめてクレジットカードで公共交通の利用にしたところ、もう切り換えたところもありますけれども、そういうところが、これで安上がりだからと思っていて、何年かして結構足元をすくわれる危険性というのもあるかなと思っているところです。
それでは、ここまでの案件につきましての質疑応答は、また後でお引き受けすることも可能と思いますので、次の議題です。3の「市営バス経営戦略の改定について」こちらに移ってまいりたいと思います。こちらまずは事務局から資料の説明をお願いします。
3 市営バス経営戦略の改定について
事務局
1.経営戦略改定版(素案)
(事務局から資料7に基づき、説明がなされた。)
会長
ありがとうございました。それでは質疑に入ってまいりたいと思いますので、ご意見ご質問などよろしくお願いします。
A委員
最初の方に20円値上がりしたらどうとかいう表があるので、いっそのこと39ページの経営基盤の強化のところに、「運賃料金の見直し」というのを、具体的な取組で入れたらどうなのかなと思うのですが。運賃を値上げしたらこういう形になって赤字が続く、続かないで出しておきながら具体的な収支の取組の中で、運賃を見直しするかしないかを隠したような見直し案になっているのかなと思うので、はっきりとこの期間に運賃見直しますと、審議会の中でも出してもいいのかなという気がするのですが、いかがでしょうか。
事務局
経営戦略の改定版と、A委員からありました収支の改善につきましては、二本立てで来年度の審議会からご審議いただく形がいいのかなと考えています。ここで示しております具体的取組は、あくまでも我々が取り組む内容を書いております。自動車運送事業の高収益化やあらゆる収入の確保、営業活動の強化と書いておりますが、我々の姿勢や取組を示す事をここに挙げるように考えており、このような構成になっております。
会長
バス運賃は公共料金ですので、戦略として打ち上げられる部分と、審査を経て実際認可される部分というのが、若干違ってくる可能性もないわけではないと思いますので、なかなか書きぶりが難しいところかなと思います。
D委員
14ページについて、私はこれまで知らなかったこともあって驚いたのですけれど、正職員が20歳代は0人、30歳代は3人で、殆どが50歳代でバスの運転士さんが占められています。今後10年は何とかできるのでしょうが、運転士等の確保はもっと抜本的に考えていかないといけないと思います。現状、いろいろとアクションをされていると思いますが、20代が0人、30代が3人では事業として今後を考えると、成り立たないかなと思います。
事務局
私どもも、この人数構成はどうにかして対応していかないといけないと思っております。しかしながら、大型2種免許を取得されている方自体の平均年齢も50代を超えております。全国的に超えておりまして、かつ人数もどんどん減ってきているような状況になっております。従いまして、大型2種免許の未取得者を対象とした採用試験を近々行う予定です。少しでも若い方にも入っていただきたいと考えております。業界を挙げて、2種免許を持っていない方を免許ありに変えていくような取組も必要なのかなと思っております。そういったことを含め、また、応募状況も勘案しながら、あらゆる手を打っていきたいと考えております。
C委員
私どもでも似たような状況で、60歳代がもっと比率が多い構成になっているのですが、そもそも20歳代、30歳代の応募が過去に比べたら極端に減っています。新入社員で入るのが、40歳代半ばです。勤続5年で50歳代になります。58歳、59歳で新入社員として採用するなど、それくらいしないと追いつかないような状況になっておられるのではないかなと思います。新入社員の段階で定年前というような状況ですね。各社似たような状況かと思っています。
会長
この話で事務局から何か補足はございますか。
事務局
私どもでも本当によく似た状況でして、20代の方の応募がそもそもない状況です。直近で採用している方でも、30代ですとか40代の方も非常に多いですし、30代の方が受けに来てくれたら、ものすごく嬉しいですし何とかして採用したいという気持ちで、採用活動をしております。
会長
30代の方は会計年度任用職員の方が非常に多くなっていますが、これは要するに1年任期で契約更新するという形と考えてよろしいでしょうか。
事務局
会計年度任用職員については、1年の任期で更新となっておりますが、基本的には運転士さんには長く働いていただきたいと思っていますので、1年で契約をしませんというのは、よほどのことがない限りはない状況です。普通に仕事をしていただいたら、基本的に更新しています。その中から、正職員の登用試験をしており、毎年、数は多くないのですが何名かは正職に登用しております。
会長
私が若いころ今の職場に採用してもらうときは、任期付きでしたので、継続雇用になって今に至っておりますし、その点は問題なかったのですけれども、やっぱり落ち着かないところというのはあるのですね、働いていて。
別の自治体で、市史の編さんなどに関わっておりますと、学芸員などの専門職の方も会計年度任用職員でいらして、今の事業が終わったらどうしようみたいな思いを抱えながら日々指導されているという方も多かったりします。これは、高槻市の範囲内ではいかんともしがたい部分もあると思いますけれども、雇用をどうやって安定化させていくか、安心して働いていただくかというのは非常に大きなテーマではないかなと思っております。
B委員
27ページですが。この財政計画の中で、電動バスなどとしているのですけど、こういう取組は、やはり市の環境政策と一体になった取組が私は必要ではないかなと思っています。市の環境政策と一体的にやると、財政の投資なんかも選択肢が広がってくるのではないかなと私は考えます。例えば、他市のグリーンボンドとかですね。神戸市さんからの贈り物で電動バスを導入しているような事例があるようですので、そういうことも考えていくべきだと思っています。環境面の取組は、市の環境政策と一体となった取組が必要なのではないかなと思います。
事務局
個人的にも委員がおっしゃるとおりかなとは思っておりまして、高槻市営バスの事業規模ですと、例えば民間会社さんに多いような親会社の方が電鉄グループというような形ではございませんので、EVバスを入れることによって、どのような電力需要があり、電力マネジメントが必要か、その辺のノウハウもございませんし、入れた後で、その後の費用やどのように路線バスとして回していくかということも考えないといけないです。
一方、入れるときの第1弾のイニシャルコストのところで、補助金等もありますが、今のディーゼル車を買うよりも負担が大きいのは事実でございます。私どもは高槻市営バスですので、その辺りは市の関連部署とも情報共有しながら、もしそのような話や機運などあれば、そういったところを話し合っていきたいと思っております。
副会長
ドライバーさんの正職への登用に関しては、今まで以上に積極的に正職になれるというような仕組みにしていかないと今後しんどいと思います。やはり市全体の課題だと思います。交通部だけではなくて。市役所の職員さんも、会計年度の人ばかりになってくると、そのうち市の職員になろうという人がいなくなり、市民の要望は高まるけれども、職員さんがいないので、今日は閉庁しますみたいな時代が来ると思うのです。公務員がすごい給料をもらっているといったようなイメージの時代とは違い、社会が変わっているというのを納得した上で、しっかり正職の道が開けて夢が見られるようなロードマップがない限り、その業界には就職しません。今の若い子は。
歯を食いしばって頑張ったら未来があるかもしれない、というのは我々の世代ですが、未来がなかったというのは我々が証明したわけですよ。私の親の時代なんかは、歯を食いしばって頑張って徹夜したら給料が増えるという時代だから。それを見て我々も歯を食いしばってきたけれど、そうではなかったというのが団塊ジュニアなのです。それを見て、次の子どもたちの世代がどう思っているかというと、希望のないところは大変だと、入ってしんどかったらすぐやめようと思っています。そうなっている中で、これまでのような雇用形態では、いずれ破綻がきますので、早めに庁内でこういう情報を共有して、今後どうするべきかということをやっていただきたいと思います。
実際、熊本市が給料を抑えた結果、結局は運転士さんがいなくなって電車も増発できませんとなっています。民間さんも今お金がなくて、電車の運転士さんをアルバイトで雇用するみたいな募集をしているのです。それでは多分未来がないのです。ただ、高槻市の場合はまだ若い世代も多いですし、そんなに高齢化していないのです。この北摂エリアは。なので、今のうちに若い人たちが夢を見られるような社会にしていただけることを強く望みます。
この中身に関してですが、安全対策の強化が本当にこれから重要になってきます。なぜかといいますと、今後、高齢化が進むにつれて車は絶対やめないのです。高齢になったら車をやめようなんていう人は、ほぼいません。本当に真剣にこれはやばいねと思っている人などがやめてくれますが、多くの人はやめないままになると思います。そういう中で何が必要かというと、運転している人たちも、バスに対して気をつけた運転をしないといけないという啓発が必要だと思います。発車しようとウインカー出しているときに、譲らない高齢者の車など。それは本当におかしいと。
あとは、乗っているお客様方も扉が開くまでは絶対に動かないでください、というこの啓発も、安全対策の強化になりますので、ハンドルを握っておられる方々のスキルの向上だけではなくて、その社会の需要という点についても力を入れていただければ、より安全な運行ができると思います。その点は警察と協力して加味いただければと思います。
最後に、電気バスなどの課題ですが、CNGのバスを入れた結果どうだったかという反省点を踏まえていただければ、おのずと答えが見えてくるのではないかと思われます。
事務局
今回いただいたご意見を踏まえて、次回、具体的な取組のところは再整理しまして、皆さんにお示しさせていただきたいと考えております。
4 その他
会長
新年度のこの審議会は、経営戦略の改定に重点を置いて進めていくということになります。本日、素案をお示しいただいただけでも、いろいろと活発な議論が出たわけですが、さらに詳細なところの議論を深めていければと考えておりますので、引き続き議事進行へのご協力をいただけますと、大変に助かるところでございます。
以上で、本日の案件は終了としたいと思いますけれども、委員の皆様、あるいは事務局から何かございますか。
事務局
来年度の予定等についてご説明させていただきます。令和7年度は、現行の経営戦略の計画期間として5年目となりますが、引き続き経営戦略に基づく取組を推進するとともに、本日ご説明させていただきました、経営戦略(改訂版)の素案についても、令和7年12月の策定に向けてさらに検討を深め、その結果を本審議会で報告させていただく予定としております。
また、本日の「議題1」で説明いたしましたように、市営バスの経営、収支が大変厳しい状況となっていることを鑑み、中長期的な収支均衡を図るための方策等についても、審議をお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いします。そのため、令和7年度は都合3回の審議会の開催を予定しております。第1回目は、5月30日(金曜日)の午後に開催する予定となっております。詳細は追って連絡させていただきますので、ご出席のほどよろしくお願いします。
会長
それでは以上をもちまして、令和6年度第2回高槻市自動車運送事業審議会を閉会とさせていただきます。ご協力ありがとうございました。
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