令和2年度 第2回高槻市自動車運送事業審議会

更新日 2020.08.19

会議の概要

会議の名称 高槻市自動車運送事業審議会
会議の開催日時 令和2年7月29日(水)午前10時から12時
会議の開催場所 高槻市役所本館3階 第2委員会室
出席委員 8名
議題
  1. 市営バス次期経営戦略(案)
  2. 今後のスケジュール(案)
  3. その他
主な審議内容 別紙のとおり
資料名
  • 資料-1 令和2年度 第2回高槻市自動車運送事業審議会 議事次第
  • 資料-2 市営バス次期経営戦略(案)
  • 資料-3 令和2年度 第1回審議会からの主な修正事項一覧
  • 資料-4 市営バス次期経営戦略策定スケジュール(案)
担当課 交通部 総務企画課

(別紙)

開会

<会長より所感>

高温多湿になれば、新型コロナウイルスの感染拡大も少しは収まるのではないかという期待を持って、春先から過ごしてきたわけですが、ちょっとそれが打ち砕かれたという残念な状況でございます。

そういった中でも、今後の公共交通のあり方の議論というのは進めていかねばならないというところでございまして、本日の審議会では先日の第1回審議会で議論していただきました「高槻市営バス経営戦略(案)」につきまして、事務局のほうでさらに修正していただいたものをご提示いただいて、また、委員の皆様から忌憚のないご意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。

会議の公開と傍聴希望の確認について

<会議の公開について>

(高槻市公営企業審議会の会議の公開に関する要綱及び高槻市公営企業審議会傍聴要領等に基づき、公開することとなる。)

(傍聴希望者:10名入場)

<配布資料の確認>

(事務局より資料の確認がなされた。)

1.市営バス次期経営戦略(案)

事務局

前半(事務局より資料2(1~3章)・資料3に基づき、説明がなされた。)

会長

それでは、質疑に入ってまいりたいと思います。ここまでの説明に関してご意見・ご質問等がありましたら、ご発言いただきますようお願いいたします。

D委員

2点質問させていただきます。1点目は修正をお願いするものではなく、どちらかと言うと、印象的なお話になります。実施スケジュールを前回からつけ加えていただいているのですけれども、令和3年度に実施するものが多い印象を受けています。令和3年度に何か具体的に実施して、令和4年度以降に運用に乗せていくという案が非常に多いのですけれども、事務局のスケジュールとして、令和3年度に偏っていることに無理がないのかというのが1点目の質問になります。

2点目も1つの切り口として、こういうものがあるというお話になります。31ページの「事業継続計画の整備」で、台風、地震、バスジャック、テロ等の従前のBCP以外で、風水害、新型コロナウイルスを新たに盛り込むということで検討いただいているのですけれども、最近の傾向として、サイバーテロ、システム関係のテロといったあたりのことは盛り込まなくてもいいのか、ということです。システム関係ということになると、ICのキャッシュレスといったシステム化もある程度、検討されていると思いますので、極端なことを言うと、ICカードがスルッとKANSAI等の共同ネットワークでストップしてしまった場合に、どういう対応を取るのかといったところなど、各企業もシステムに対して、それなりのBCPを織り込んでいっていると思います。経営戦略に入れるかどうかは別として、そういう切り口もあるという意見を申し上げたいと思います。

事務局

1点目の実施スケジュールの中で、令和3年度にかなり具体的に書いている取組が多いということについてですが、令和3年度から本戦略が始まる関係で、今まで継続して取り組んできた事業が多くありますので、引き続き検討してきたものが令和3年度に形づくられていく事業が多くあり、令和3年度に無理やり新しく色々なものを始めるというわけではなく、重なっている部分があるということでご理解いただければと思います。

ただし、もう少し見直す必要がある部分もあるかと思いますので、お金の問題もありますので、さらに精査は必要かと思います。基本的には、今まで継続してきた事業があるということでご理解いただければと思います。

2点目のBCPのお話ですが、まず風水害につきましては、先の熊本県での大雨におきましても、ある社局のバスが全部浸水し、使い物にならなくなって、今後、事業継続が難しいというお話もあります。そういった意味でも今年度中にでも策定が必要かもしれませんが、バスを退避させるとなると、かなり詳細な検討が必要となりますので、今後、検討していきたいと考えています。

それと、サイバーテロ等につきましては、共通系のICカードに関するシステムは、スルッとKANSAIのほうでサイバーテロを防ぐ取組をされていますので、われわれはそれに基づいて対策していくということになります。ただし、私ども独自のハウスカードの関係等、その他のシステムにつきましては、おっしゃるとおり脆弱な部分もあろうかと思いますので、この中に少し追記していく方向で考えていきたいと思います。

H委員

山間3路線の縮小の件です。乗客が極端に少ないとか、利用者のニーズに合っていないということで、見直しが必要かと思いますが、苦労の割には経済効果が少ないということがあります。ただし、山間部では災害のときにバスがあることで、緊急避難に役立つということもあったようにお聞きしています。それが今回、路線を見直しされることで、どのように変わるかということも十分に検討していただければと思っています。

それから、観光バス事業の件です。市の長寿介護課のほうで、老人会のバスを1台所有されているのですが、大きいクラブの場合には、老人会が6,000円を払って、市の負担で観光バスを使うというシステムになっています。それとも関連して、うまく使えるような観光バスの仕組みを考えていただければありがたいと思います。

事務局

まず1点目の路線の見直しに関しまして、山間3路線等では、仮に市営バスが路線を縮小した場合には、別の交通手段が必要になってくるだろうと考えております。災害時の避難につきましては、路線の見直しとは別に、交通部が市の危機管理室等と連携しながら、避難所輸送を担っておりますので、当然、それは引き続き、担っていくものと考えています。近隣の京都府八幡市等では、先ほど少しお話ししたバスを退避させるときに、住民も一緒に乗っていただいて避難するといった連携協定みたいなものをバス会社と市が結んでいるといった例もあります。高槻市の場合、例えば、芝生から北に逃げるときにできるかどうかといったことも含めて、検討を進めていきたいと考えております。

2点目の観光バス事業につきましては、49ページに取組を載せておりまして、次のページの空港リムジンバスも含めて、現時点では、コロナの影響で参入は難しいと感じていますが、広告収入の増加等も含めて、本業以外の収入を確保していかないと、今後の市バス事業というのは成り立っていかないのではないかと考えております。今後のコロナウイルス感染の状況や、その収まり方等を踏まえながら検討していきたいと考えております。需要次第ですが、先ほどおっしゃられた、ことぶき号という観光バスを1台持っておりますが、その拡充がひょっとしたらできるかもしれないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

G委員

1つ質問なのですが、47ページの指標「市民1人あたり年間市営バス乗車回数」は、乗った方が市民なのか、市外の方なのか、区別できるのでしょうか。もし区別ができるなら、例えば、観光促進との連携の中で、観光で訪れた方の市バスの利用者数の増加という指標は入れられないかと考えたのですが、いかがでしょうか。

事務局

市民が乗られたかどうかまでは残念ながらわかりません。福祉パスのほうは市民ですので、回数がわかりますが、その他のICカードにつきましては、市民なのか、市外の方なのかまではわかりません。そのため、全市民の数を分母に、分子は単純に市営バスの利用回数で、「市民1人あたり」としていますが、利用回数には市民も市外の人も含まれていることになります。

観光との連携につきましては、現在、市の観光シティセールス課と連携しながら、観光と移動をセットにしたようなMaaSアプリの開発も進められております。観光協会さんとも協力しながら進めているところです。市外からの方がどれくらい来られているかというのが数字としてわからないのですが、そういった取組は進めているとご理解いただければと思います。

E委員

個別戦略ごとの具体的取組ですが、今回、指標を設定されたと思います。それぞれ具体的な取組に指標を設定したことは非常にいいことだと思いますし、目標を目指して進めていくというのは、重要だと思っています。

しかし、29ページの「個別戦略に対する指標の目標について」に、「新型コロナウイルス感染症の影響によって事業の先行きが不透明であることを踏まえ、本経営戦略では、『増加』『減少』『逓減』といった表記としました」とあります。それぞれの指標を見ますと、すべてがコロナウイルスの影響を受けるわけではないと思います。全体の中に本来的に言えば、コロナウイルスの影響を根拠として、すべてにわたって計画の中に織り込んでおくとコロナウイルスの根拠づけ、理由づけができると思います。

62ページで、コロナウイルスの収支への影響ということで詳細にわたって書いていただいているのですけれども、これはあくまでも1つの参考ということであれば、指標というのは非常に大事だと思うので、根拠づけが弱いのではないかと感じました。

もう1つ、38ページの「利便性の向上」のところで、前回、提示していただいた案の中では、「他社線との重複路線については、住み分けと連絡運輸を行う等、競争関係から共存関係に発想を転換し、相互に効率が高まる方法も検討する」という項目があったように思います。この項目は悪くないと思っていたので、なぜ、今回、外れたのか、その理由をお聞かせいただければと思います。

事務局

まず1つ目の指標についてですが、本当は定量的な数字を使って、毎年、モニタリングしていくのが筋かと思います。例えば、有責事故件数であっても、過去の傾向から年々下がってきていれば、それを延ばして、数値化することもできるのですが、仮に事業がかなり今後、縮小された場合には、当然もっと事故件数が減っていくだろうし、減らさないとおかしな話になります。今までの過去の傾向というものが非常に変わってしまうのではないかという思いがあったため、定性的な指標にしています。

全体を見渡して、あるものは定量的にして、あるものは定性的にすることも1つの案ではあるのですが、交通部としてはすべてを定性的に統一すると考えて、こういった案にしています。本日いただいたご意見を踏まえて、もう少し検討を進めていきたいと思います。

2つ目の他社路線との共存に関する、38ページの取組についてですが、あくまでも検討の方向性を明確にしたく、今回は市営バスの路線を対象とする内容にさせていただきました。39ページの導入事例のところに少し記載はしていますが、そういう取組ができればと思いますので、もう少し検討させていただきたいと思います。

F委員

今回、具体的にどういう戦略を持って、これから市営バスがどこに向かっていくのかというのが項目として決まったわけですが、実際に成功するかしないかは、市民の方にどれだけ理解していただけるかということが大きいのではないかと思っています。

そういう立場から言いますと、今回、項目の中に書いていただいているものは、耳障りのいい言葉ばかりではありません。例えば、山間地域の見直しというのは、廃止になるのか、利用実態に合わせてバス停を減らしていくのか、あるいは、小さいバスで運行するのか、いろんなことが考えられると思うのです。これを市民に、どれだけ、どういうふうに説明していって、納得を得られないにしても、交通部としてどれだけ説明を尽くして理解してもらえるような対応をしたかということではないかと思っています。

そういう意味で、地元の説明会であるとか、計画の内容は、なぜこういう考え方をしているのか、議論の中で出てくればいいのですけれども、説明して理解してもらえるようなことを一生懸命にやっていただきたいと思います。おそらく、パブリックコメントでご意見がたくさん出てくると思うのです。しかし、そこに書かれていない地元の独特な考え方が出てくると思うのです。それも拾っていけたらいいですけれども、なかなか拾っていけないと理解しています。意見は聞く、説明は尽くすというかたちを何とかやっていただけたらと思っています。市民としてはそこに不安を持つわけなので、努力してやっていただきたいと思っています。

事務局

取組の中で、38ページの部分がこれまでの計画にはないような、覚悟を決めた取組だと思っています。地元等に丁寧に説明するというのは必須だと思っていますので、令和3年度から市とも連携しながら、ひざ詰めで説明をしていく必要があるだろうとは十分に認識しております。その中で、ご理解いただくための1つのデータとして、ODデータは客観的にご利用状況や収支を示すものになると思いますので、そういったものも示しながら説明していきたいと思います。

また、パブリックコメントでたくさんのご意見が出てくることも想定しておりますので、それに対しても丁寧に回答していきたいと考えております。

さらに、26ページで説明しましたが、縮小ばかりではなくて、需要が見込めるかどうかというのは難しいのですが、ご不便な所をカバーできるような案も併せて検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

G委員

2ページの「戦略適用期間」のところで、短期・中期・長期という記載があります。全体的に見ると、10年間全部というのは難しいので、5年スパンで今後、見直していこうというかたちだと思うのです。

例えば、41ページで「課題や成果を踏まえて改善を検討」と書かれているところを、令和8~12年度部分については、前半5か年の課題や成果を見直しながら検討していって、PDCAを回しながらやっていかれると思うのですけれども、何か表記ができないだろうかと思っています。長期の欄がすべて「今後、検討する」となっている部分が、5年後はどうなるのかというのがわからない感じがします。

事務局

まず、具体的取組の実施スケジュールのところで、短期・中期・長期を示すべきと、資料を見て、思っているところです。さらに、委員がおっしゃられた、何年後にまた計画を大きく見直すとか見直さないといった辺りは、後で説明します63ページ以降の「経営戦略の推進と進捗管理」で取りまとめてはいるのですが、また、検討させていただきます。

D委員

45ページの「現状と課題」の2段落目、「一方、他のバス・鉄道事業者が行っているFacebookやTwitter」という書き方ですが、確かに検討することは必要だと思います。切り口が違うのですが、市でもLINEで「高槻市でコロナウイルスの感染者が〇〇人出ました」とか、あるいは、市の施策等の情報発信を最近始められたと思うのです。自分としては注意して見ていますので、ありがたい情報だと思っております。LINEの発信がどれくらいの効果があるというか、どれくらいの満足度があるのか、定性的にしか判断はできないですけれども、その辺りの効果を踏まえられて、Twitter、Facebook、LINE等の情報発信を検討していただいたらどうかということです。実施スケジュールを見ていますと、令和5年度から、「情報提供手法の検討」とありますので、ある程度、MaaSアプリが落ち着いてから着手するかと思うのですけれども、市のLINEの効果というのも見極められたらどうかという意見になります。

事務局

まず市営バスに関するコロナ対策等は、ホームページで適宜、情報発信しているところで、それに加えて、スマホ等で簡単に検索できるようなSNSで情報発信できないだろうかという取組になります。実は、まだ決定していなかったので、記載していなかったのですが、バスの運行情報、遅れているのか、止まっているのか、例えば、現在、樫田のほうで道路の崩壊で路線を運休している部分があるのですが、ホームページに掲載している情報を自動でTwitterに発信できるような仕組みを、8月末から9月にかけて実施できるように準備しているところです。

次のステップの部分は令和5年度から「新たに検討」としていて、今回のTwitterはあくまでも運行情報の提供ですが、その他の情報を提供されている社局もありますので、そういったニーズがあれば、ぜひ検討していきたいと思っています。

D委員

運行情報や運休情報というのは、Facebook等のWebの情報で拾えるというのは非常にありがたいところではあります。既に進められているということで、そこに対して何か異論があるわけではなく、進めていただければと思います。

副会長

これから取組を実施するときに、いちばん山場になるのは、不採算路線をどうしていくかだと思うのですが、かなりいろいろと激論にはなると思います。ただし、話し合うときにニーズをちゃんと捉えていこう、住民のニーズに合わせようといっても、ニーズがないから乗っていないわけです。

今回、いい地図がつくられているので、データをしっかりと示して、「乗っていないですよね」と、皆さんが求めているものは無料のタクシーで、それすら、たぶんつくっても乗らないだろうという現実は、しっかりと認識していただきたいのです。無料のタクシーにしても、「タクシーが来るまでの時間がかかり過ぎるからどうにかしてほしい」と絶対に言われます。

すべて請願とか要望だけでは、物事は無理だということを市民の皆さんで共有してほしいのです。超高齢化して、税収が減って、しかも、1路線単体で1億円も赤字が出ているというのは、地域からはこのビジネスモデルが受け入れられていないということなのです。より地域の実態に根差した移動システムに変えていこうという流れで、しっかりと進めていただきたいと思います。

一方で、そこそこ人口があるにも関わらず、ご利用いただけていない路線については、向いている方向とか、経路等に検討の余地があるので、ぜひ地元の方々と協力して、できれば、地元の方々が主となって動いていただけるようにしてほしいのです。

26ページの「新たな需要への対応」のところを、請願・要望だけを聞いて、交通部が動くのではなくて、請願・要望がある地域でバス停・経路・ダイヤも決めた上で実施するという流れのほうがいいです。地域がしっかりと汗をかく所には、ちゃんと対応をするということです。一方、お願いモードだけの所は、あまり対応できないことを伝えてほしいのです。なぜかと言うと、今までお願いモードできたから、こうなってしまったからです。

高槻市にはコミュニティバスはないですけれども、周辺の市町のコミュニティバスを見ていると、全部、請願・要望で欲しいということでやった結果、誰も乗っていないのです。乗らないときの理由が、「私の乗りたい時間じゃないから」とか、子どもが宿題をしたくないときの理由と一緒なのです。そうならないようにしていかないと、赤字額はどんどん増えてしまうので、ぜひ地元との協力で、今回のODデータをうまく活かした事例として、日本中に結果を発信していただきたいと思います。

事務局

交通部としては、委員が提案されたような方向性で検討していきたいと考えております。また、市としてぶれる部分もあるかと思いますので、今後とも、いろいろとアドバイスをいただければと思います。

客観的な根拠を示していくのが非常に重要だと今回、感じましたので、その辺りは情報を更新しながら示していきたいと思っております。また、市の交通政策の中でも、地域が主体となって取り組んでいくとうたっていますので、市と連携する場合にも、その点は念頭に置きながら進めていければと考えております。

会長

民間のバス事業者であれば、営利企業がやっていることだから、商売だから仕方がないと思うところでも、公営だと市がやっていることだからと、どうしても住民の方が陳情・要請モードになってしまうのはあり得る話かと思うところでもあります。

ただ一方で、京都市営バスでも、かなり住民の方と利用促進に取り組まれ、非常に成果が出ている所もあったりしますので、市全域とすぐにはいかないにしても、そういった取組を参考にしながら、地元と手を携えていくような場面がこれから増えていくのではないかと考えております。パブリックコメント等でも、そういった意見が出てくるようになってくると、反映のし甲斐があると言うか、面白くなってくるのではないかと思っております。これは一委員としての意見でございます。

H委員

今の件に関して、確かにそのとおりなのですけれども、現実的に今の地域の組織は非常に弱くなっているのです。各自治会があっても、自治会長も毎年代わって、受け皿が非常に弱くなっている現状をものすごく感じます。この点を深く受け止めないと、なかなか進まないところがあると思います。今まで他地区で出ている、いろんな取組の成功事例みたいなものを十分に参考にしていただいて、どういうかたちのときにうまくいったのか、それを踏まえて検討していかないと、本当に今は意見も多様ですし、まとめていく組織が非常に弱体化しているので、本当に難しいと思います。その辺を踏まえて、本当に大変ですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

事務局

そういう実態があるというのはお聞きしておりますが、コミュニティ市民会議には、ぜひともご協力をお願いしたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

会長

他のまちの事例を見ていますと、地域の課題がそれぞれ場所によって違うことはあるのですけれども、例えば、交通の課題がまず表面化したときに、地域で取り組み、それで地域が自信をつけ、ほかの地域課題についても積極的に取り組むようになったという例も報告されておりますので、そういったきっかけにできる部分もあるかと思っております。地域のほうでいろいろな問題を抱えておられるので、コミュニティ市民会議の方々もいろいろと奔走されていると思うのですけれども、ご尽力いただくことも、これから多々出てくるかと思います。

副会長

地域のコミュニティは、どういう所でうまくいくのでしょうか。大体、お話は自治会には来るのです。ただ、自治会長が全部をかぶるのではなく、自治会の中で、「じゃあ、私がやりますよ」という方をどれだけ見つけられるかが、成功のポイントだと他の地域を見ていて思います。自治会長にすべての仕事が来ると潰れてしまうのです。

いちばんは、奥様方がパワーを出していただけると、うまくいくと経験上、感じております。若い方でも、地域の若い方にお声掛けをしたら、「自治会とかには関心がないけれども、そういった問題だったら、私、お手伝いするよ」という方もいらっしゃるのです。いちばん大変な作業は、そういう方を見つけることというのを共有していただければと思います。なかなか自治会、町内会に入らない傾向が強いと思いますが、うちは周りが全員高齢者で、全員入っているのですけれども、実際に入ってみて、子育てしているほうからすれば、お金を取られて使われていることが、うちの子育てのためにならなかったら、誰が入るかというのが、今の若い人たちの本音だと思うのです。

それは組織を変えていくしかないので、この場とは違う問題にはなるのですが、自治会に入っていなくても、地域の方にお声掛けをすると、やってくれる人たちが結構いらっしゃるので、そのためには、ポスティングとかの方法になります。実際、コミュニティ市民会議の方々の協力なしでは、これから動けないと思うのですが、すべてを背負うのではなく、あの人がいいという方を見つけていただけると、いちばんうまくいくと思いますので、その節はよろしくお願いいたします。

会長

それでは、一旦、議題1の後半に移ってまいりたいと思います。後半のご説明をいただいた後に、また前半に立ち戻って、改めてご意見等をいただくこともできますので、まずは事務局から説明をお願いしたいと思います。

事務局

後半(事務局より資料2(4・5章)に基づき、説明がなされた。)

会長

それでは、ここまでの説明に関して、ご意見・ご質問等をよろしくお願いいたします。

B委員

63ページの「経営戦略の推進と進捗管理」の説明を聞いていて思ったことを述べます。内容がどうのという意見ではなくて、ここに図表を入れていて、わかりやすいのですけれども、この図表を先ほどの個別の戦略の前に入れたほうが対応していて、すごく見やすくなると思います。例えば、29ページに「個別戦略に対する指標の目標について」の説明があって、その後、基本戦略の具体的取組の説明が続いています。実施スケジュールが具体的取組の中に書かれているので、見方の問題だけですが、もう少し整理できると思いました。

事務局

資料の説明をしていて、委員がおっしゃるようなかたちのほうがしっくりと流れていくと感じましたので、変更する方向で検討させていただきたいと思います。

会長

短期・中期・長期という説明は、早い段階であったほうが何年後辺りを指しているのかというのが、個別の戦略を見るときに見やすくなると思います。

D委員

61、62ページで大きく2点申し上げます。61ページの(2)の2段落目、先ほど財務担当から収支の説明をしていただきましたが、具体的に言うと、「3月以降は大きく減少し、6月はやや改善しました」と記載いただいていますが、例えば、「4月・5月は5割程度減少し、6月は3割程度減少しました」と具体的な数字を入れていただくほうがコロナウイルスで深刻な影響を受けていることがわかりやすいのではないかと思います。これを最初に見たときの印象として、下のグラフを見れば、確かに5割減っていることがわかるのですけれども、なかなかこの文章だけでどれくらいの深刻度なのかということがわかりにくいので、数字を入れられたほうがわかりやすいのではないかという意見になります。

2つ目として、61、62ページの分析観点は運輸収益、要は収入の観点で分析していただいていると思います。損益に与える影響というのがどの程度のものなのか、例えば、令和元年度だけでも触れられてみてはどうかというのが意見になります。ここで、損益の話に触れてしまうと、文章的にうるさくなるということがあるかもしれませんが、損益の影響がわかれば、より事の深刻性がわかるのではないかと思います。

事務局

まず1点目、61ページについてですが、具体的に数字を追記する方向で考えさせていただきたいと思います。

それと、損益の話は、さらに今後の大きな課題で、実はいろいろと取り組みつつあるのですが、書ける部分、書けない部分もありますので、その辺りも書ける部分については追記する方向で考えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

D委員

あくまでも、「こう見えたら、わかりやすいだろうな」という意見ですので、ご検討いただいた結果、このままでいかれるというのであれば、特に異論はございません。

会長

例えば、議会にかけるとか、パブリックコメントで示すとか、何か月かすると、またデータはその都度、更新して掲載する予定なのでしょうか。

事務局

最終的には、パブリックコメント後の12月に確定というかたちになるのですが、このデータをどこまで最新のものを入れられるか、どこかで締め切りを決めないといけません。今後、パブリックコメントを実施するための決裁もとっていきますので、一旦は6月までの数字で締めようと考えております。

会長

月ごとに状況が変わっていくような感じで、今までにないプロセスを踏まないといけないかと思いますが、よろしくお願いします。

E委員

要望と言うか、意見です。経営戦略の10年間、ここにコロナウイルスの問題等が見られるように、非常に難しい舵取りが求められるのではないかと思っているところです。先ほどの山間部の不採算路線の見直し等も含めて、PDCAサイクルを十分に活用して、柔軟にその都度、問題が出れば、改善策等を検討していただいて進めていく必要があるのではないかという印象があります。

事務局

先ほど会長からございましたとおり、日々状況が悪化したり、6月末辺りには第一波が収まったかと思われたりしました。先ほど財務担当から説明させていただきましたが、その状況に応じて、収益が上下している状況で、本当に先行きの見通しが厳しいです。しかし、前を向いて考えていくところも必要かと思いますので、特に観光協会におかれましては、さきほど、MaaSの話もさせていただきましたが、お客様を増やす取組の部分で、ぜひご協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。

副会長

7月に売上が戻らなかったというのが予想外で、もう少し戻るかと思っていたのですけれども、たぶん現金のお客様が戻ってこないのは、おそらくバスに対する不安が強くなって、控えられているからではないかと感じています。実際、よそのまちを見ていても、「通勤電車が怖い」「バスの密状態を何とかしてほしい」という意見が出るのですが、早めに「それは勘違いですよ」とお伝えすることで、少しでも利用者の回復に繋がるのではないかと思います。

高槻市営バスの場合は、大学生・高校生の通学と企業の通勤でかなり支えられているので、おそらく秋も大学は結構厳しいだろうし、高校もいつ、どうなるかわかりません。ただ、企業においては、テレワークを推進しても、大手の一部が実施するだけなので、そんなに問題はありませんが、中小企業が一時帰休をして、助成金をもらうという動きのほうが強いので、そうすると、同じくらいの比率で下がることが想定されます。

いちばん問題なのは、「バスが怖い」という風評被害だと思っています。バスは密ですが、三密ではないのです。ちゃんと換気していますし、路線用の車両でしたら、3分で換気は可能ですし、普段から窓も開けていて、安心・安全です。次は、利用者側がどれだけきちんと、それに対応した生活スタイルにするかということで、感染リスクを下げようとする啓発が必要だと思います。

48ページにあったモビリティマネジメントのところで、利用者側もきちんと対策すれば、感染リスクが低くなり、むしろ、自分のマイカーのほうが怖いというくらいのことを言ってあげたほうがいいと思うのです。実際、クルマを運転している人を見ると、全然マスクをしていないし、窓も開けていません。乗った後に消毒しているかと言うと、みんな消毒していません。バスはかなり気合を入れて消毒していて、窓も開けているので、バスのほうが安心だと私は思います。

ただ、そう思われない方々のほうが多いので、しっかりとモビリティマネジメントの手法を活かして、感染リスクを下げる方法、とにかくバスに乗るときは、マスクをする、大声で騒がない、降りた後に手洗い・うがいをする、それだけで安心ですということを伝えていくのです。市営バスでもバスの前に、マスクのような幕をつけている車両がかなり増えていて、今日もラッピングバスを何台か見ました。あれを継続的に進めていくことが、利用者回復への一助になると思います。今後も引き続き、バスのマスクとラッピングは続けていただければと思います。ぜひ、その成果もよそのまちにアピールして、バス・鉄道全体のイメージを上げていくことも重要だと思います。

事務局

委員のおっしゃるとおり、いろいろとホームページ等でもやっていることを公表はしているのですが、なかなか、それ以上の手段が難しくて、どれだけ市民の方や利用者に伝わっているのかと感じているところもあります。モビリティマネジメントを進めていきたい気持ちもありながら、例えば、大学と連携して何かやりたい気持ちもあるのですが、現在は、それ自体ができない状況にもあります。どういうかたちが取れるか、知恵を絞って考えていかなければならない部分だと思います。いろんなアイデアをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

副会長

1つは、高槻市ならではのすごくいい施策として、こうのとりパスがあるので、ずっと継続していただければと思います。子育てするほうとしては、バスは大丈夫なのかと思われるでしょうから、こうのとりパスをお渡しする際に、バスは換気していて、乗車後は手洗い、うがいをしてくださいという例のポスターと同じ内容の配布物を一緒につけて、これで安心して乗れるということを伝えるだけでも大きな成果になります。ピンポイントでお伝えできる所で取り組まれればとよいと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。

会長

よろしいでしょうか。それでは、議題2の今後のスケジュール(案)に移りたいと思います。

2.今後のスケジュール(案)

事務局

(事務局より資料4に基づき、説明がなされた。)

会長

本件に関しまして、ご意見・ご質問等はございませんか。

以前は、5年ごとの審議会の間は、組織自体がお休みと言うか、あるいは、公営企業審議会という名前で、水道事業とかの議論がされていて、メンバーも総入れ替えでしたが、こういうかたちで継続して議論を進める体制になりましたので、委員の皆様には引き続き、少し間が空くこともありますけれども、いろいろとご意見をいただければと思います。

それでは、以上で本日の案件はすべて終了でございますけれども、委員の皆様、あるいは、事務局から何かご連絡等はございませんか。よろしいでしょうか。

 

3.その他

(特になし)

会長

それでは、以上で、令和2年度 第2回高槻市自動車運送事業審議会を閉会とさせていただきたいと思います。どうも、皆様、長時間にわたりお疲れさまでした。

 

配布資料

【資料-1】第2回審議会議事次第[PDF:45.1KB]

【資料-2】高槻市営バス経営戦略(案)[PDF:8.81MB]

【資料-3】前回審議会からの修正事項一覧[PDF:87KB]

【資料-4】次期経営戦略策定スケジュール(案)[PDF:37.5KB]

 

お問い合わせ

高槻市 交通部 総務企画課
住所:〒569-0823 大阪府高槻市芝生町四丁目3-1
TEL:072-677-3507
FAX:072-677-3516

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