令和元年度 第5回高槻市自動車運送事業審議会

更新日 2019.12.25

会議の概要

会議の名称 高槻市自動車運送事業審議会
会議の開催日時 令和元年11月27日(水)午前10時から12時
会議の開催場所 高槻市役所本館3階 第2委員会室
出席委員 10名
議題
  1. 将来収支予測について
  2. 経営基盤の強化について
  3. その他
主な審議内容 別紙のとおり
資料名
  • 資料-1 第5回高槻市自動車運送事業審議会 議事次第
  • 資料-2 将来収支予測について
  • 資料-3 経営基盤の強化について
  • 資料-4 経営基盤強化策(案)
  • 資料-5 審議会全体スケジュール
担当課 交通部 総務企画課

(別紙)

会議の公開と傍聴希望の確認について

<会議の公開について>

 

(高槻市公営企業審議会の会議の公開に関する要綱及び高槻市公営企業審議会傍聴要領等に基づき、公開することとなる。)

(傍聴希望者:9名)

1.将来収支予測について

会長

議題の1について、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料2の説明がなされた。)

会長

それでは、質疑応答に入ってまいります。ただ今の説明に対して、ご意見やご質問等があれば、よろしくお願いいたします。

D委員

9、10ページの仮定の確認ですが、生活交通路線維持事業の補助金に関しては、この見積上、平成29年度の2.1億円でシミュレーションをされているのかというのが1つ目の質問です。

2つ目は、「縮小路線は補助なし」と書いてあるシミュレーションパターンは、生活交通路線維持事業の補助金をゼロで見積もられているのかという質問ですが、数字の仮定の確認をさせていただきます。

事務局

1つ目のご質問ですが、2.1億円というのは、山間3路線に加えて、平坦部でも赤字額の大きい路線があり、それらの合計の赤字に対する補助金額になります。ここでは、山間3路線のみになるため、赤字額が約1.8億円で、その75%の補助金がないと仮定した場合となり、現状では、残る25%を市営バスが負担しているので、その分だけ収支が改善するシミュレーションになっております。

2つ目のご質問の補助金なしのケースについても、今、ご説明したとおりで、山間3路線を廃止ないしは縮小した場合、赤字がすべてなくなって、市からの75%の補助金もなくなり、かつ、残る25%の分だけ市営バスの収支が改善するという考え方です。

D委員

大体1.5億円のインパクトがあるという理解でよろしいのでしょうか。

事務局

収支上は、1.5億円ではなく、1.8億円の赤字額の25%が改善することになります。

D委員

1.8億円×0.75で計算したら、1.35億円になります。

事務局

1.8億円×0.25=4,500万円、市営バスとしての収支としては改善することになります。

J委員

現行の補助が6億円あって、シミュレーションで言うと、100%、75%、50%で出されていますが、現行であれば、どのくらいになるのか書いていないので、比較対象として、どうなのかという疑問があります。現行として、6億円の補助であれば、どうなるのかも出してもらえれば、わかりやすいと思ったのですが。

事務局

現行どおりで進めた場合のケースが、11ページの「①成り行き」パターンになります。路線の収入等については、今後、減っていく予測を入れて、さらに、高齢者無料乗車証制度の補助額6億円は固定のままで、路線見直しも行わず、今のまま成り行きであれば、どうなるかというケースになります。右上のグラフ「経常損益の将来予測」を見ると、2022年頃から赤の点線(収支均衡線)より下に黄色の折れ線(経常利益)が推移して、数年先に赤字基調になってしまうシミュレーション結果になっております。

J委員

④ミックス案には、市の補助が100%、75%、50%という割合が出ていますが、10ページの(*3)を見ると、50%なら4.1億円ということで、現状の6億円の場合が出ておらず、比較して見られないので、わかりにくいと思います。

事務局

今回のシミュレーションパターンの設定上、何も制度を見直さない6億円の場合は成り行きパターンとして整理させていただいております。ミックス案については、路線縮小も、高齢者無料乗車証制度も両方とも見直すという意味でミックス案と呼んでいます。ご指摘のパターンは、路線を見直して、高齢者無料乗車制度は見直さない、②事業効率案と同じになるかと思います。

I委員

10ページの(*3)では、「70歳以上高齢者の運賃相当額13.4億円」の満額に対して、何パーセントを市からもらうかという考え方をしていますが、実際にバスに乗る場合、その都度料金を払うか、あるいは、定期券のように月決めで支払うかですが、月決めの場合は25%とか35%割引になっています。

なので、高齢者無料乗車証についても、1回あたりの金額で考えてシミュレーションをするほうがいいのではないでしょうか。将来的にも、何人利用したのか、実数がICカード化によってデータが採れるようになったので、市からの補助制度があるにしても、補助金のもらい方として、実績に合わせて四半期ごとにもらう等、申請をしながら補助金をもらうという考え方をしたほうがいいのではないかと思います。

例えば、運賃は220円だとしても、実際、バスに乗っておられる方の中には、現金や定期券で乗られている方もおられるので、平均すると180円くらいになるわけで、それに利用者数をかければ、年間の収入が見えてきます。無料乗車証の方も、利用回数に合わせて金額を頂くという考え方にしたほうが、将来的に運賃体系が変わったとしても、対応できるのではないかと思います。

事務局

この制度の中身を考えていく場合には、当然、料金設定や1回あたりの金額を仮定して考えていく必要があると思っております。ただ、今回の審議会の主題としては、先ほどの成り行きパターンのように、当然、経営基盤の強化を上乗せするべきですが、何もしなければ、市バスの経営が非常に苦しい状況になるわけです。その状況をご理解いただいた上で、いろんな制度の見直しに着手すべきではないかという議論をさせていただいていると思っております。

例えば、運賃として50円、100円を徴収するといった具体的な金額はお出ししておりませんが、それは制度設計の話であると考えております。

I委員

追加になりますが、制度設計をしていくときに、バス事業者として考えているわけなので、経営基盤を強化していこうとするときには、運賃をいくらか徴収するのが基本だと思っております。

補助金をもらっていないバス事業者もあるわけで、高齢者からも通常運賃を徴収して、それに対して、乗りやすいバスに変えていくこと等、利便性の向上も含めて考えておられます。そういう考え方をもって、今後、検討されてはいかがかと思います。

事務局

補助金なしで事業をされているバス会社や自治体もあります。前回の審議会でご意見いただいたように、仮に運賃を220円徴収したら、大きな黒字が出ると予測された場合でも、その運賃収入をどう投資していくかという明確なプランがあれば、利用者や市民の理解も得られる可能性があります。ただ、収支均衡をどのレベルにもっていくか、今、頂戴したご意見も踏まえて、制度設計を考えていく必要があると考えております。

I委員

もう1つ発言します。高齢者の運賃を220円と考えて、市からの補助額を利用回数で割ると、45%くらいしかもらえていない計算になり、残る55%分は交通部が負担しているわけです。よく考えると、交通部が負担しているというよりも、有償の利用者が負担しているのです。例えば、適正運賃という言葉がこの後の説明で出てくると思いますが、適正運賃がいくらなのか、1人あたりの支払運賃という考え方もあります。

ただ、高齢者の分を普通(有償)の利用者が負担しているというのであれば、220円が適正なのかどうかという話になってしまいます。本来なら、160円、170円が適正ではないかという議論になるということです。その点、きちんと説明ができるように、例えば、他市の事例では、どれだけの費用をかけて、そのうち、市がどのくらい負担をして、定期券収入と同様に割引をして、25%引き、35%引きにしていくほうがいいのではないでしょうか。

事務局

具体的に制度設計をするときには、当然、必要な考え方になろうかと思います。さらに、ダイヤや路線の効率化、最適化を考えながら、適正運賃としていくら徴収するのがいいのか、複合的に考えていく必要があろうかと思います。今のご意見を踏まえて、すべての項目を踏まえた制度設計を行っていきたいと考えております。

会長

この時点では、あくまでもシミュレーションなので、例えば、10ページを見ると、市の福祉部から出ている補助金が6億円で、100%のパターンでは、約13.4億円から6億円をひいた約7.4億円が、今、言われたように、交通部の負担になっております。100%でシミュレーションしたパターンでは、約13.4億円すべてが市庁部局から出していただけることになっていますが、現実的には極めて難しいことです。

今まで何度も交渉をされてきたかと思いますが、平成9年度以降、高齢者がどんどん増えているにも関わらず、補助額は頭打ちになっています。非現実的な仮定の選択肢も含めて検討できるのが、このシミュレーションになります。細かい制度設計等についても、本来はいろいろと考えていくべきところではあります。このタイミングでは、シンプルな選択肢を準備したつもりですが、説明が複雑になった点は、答弁をお聞きになられてご理解いただけたと思います。取り急ぎ、いくつかシミュレーションパターンをご紹介したということです。

この後、経営基盤強化の話は、いろいろと具体的なアイデアも並行して提示されているので、改めて検討を進めていくこともあろうかと思います。

F委員

9ページにおいて、高齢者から料金徴収25%とされている根拠と、それに連動して、逸走率を40%、30%、20%とされている根拠をお聞かせいただけますか。

事務局

まず逸走率に関しては、近隣の某公営企業が同様の制度に変更されたときに、40%くらい逸走されたという話を聞いており、例えば、市営バスで70歳以上の全員を有料化したら、40%くらい逸走するかもしれませんし、ある年齢層だけを有料化したら、もう少し減るかもしれません。逸走率として一定の数字を決めづらいため、今回は感度分析として、3段階の数字でどうなるのかという数字をお出ししております。何パーセントが正しいのか、この段階ではわからないので、どのケースで仮定しても、なかなか市営バスの経営が厳しいことを審議会としてご理解いただき、またご意見を頂戴できればと思います。

利用者負担を25%に設定した根拠も同じで、50%ならどうなるかというケースもありますが、今回は25%と仮定してシミュレーションを行ったとご理解いただければと思います。

G委員

市バスの経営基盤の強化という観点からすれば、ここに出ているシミュレーションのすべてが理解できるのです。ただ、市の施策として、高齢者に対する参加機会の増加、長寿・健康に向けての医療費・介護費の低減を図るという高槻市の元々の観点ではなく、高齢者が25%を負担して、逸走率が40%に減ったらどうなるのかという市バスの経営基盤という観点のみです。

その前提として、高齢者に対する無料乗車証の本来の姿からすれば、異議ありかと思います。市バスの経営基盤の健全化という観点からだけではなく、総合的に市全体としてどうなのかを議論する機会も持っていただかないと、この審議会だけで検討が尽くされたことにはならないように思います。ただ、無料乗車証が今のままでいいのかと言うと、少し甘えがあるという気はしています。

例えば、70歳以上で支給されていますが、シニアクラブの会に勧誘しようとしても、70歳でも仕事をしていて、まだ老人クラブに入るつもりはないと言われてしまいます。それほど就労人口が増えて、健康寿命も延びてきている状況なので、70歳からという年齢設定が妥当なのか疑問です。今後、ますます高齢化していく中で、75歳以上に設定を上げるといった方策を、この審議会だけで検討していくのは難しいので、総合的な判断に基づいて市バスの経営健全化の審議をすべきで、横の繋がりを持った考え方で進めていかないといけないのではないかと思っています。

事務局

まず前提として、先ほど会長が言われたように、この審議会の立ち位置は、市バス経営の今後のあり方をご審議いただく場になっているだけで、この資料だけでもって、高齢者の方への負担を決定してしまうものではありません。あくまでも、シミュレーションとして、成り行き案やミックス案等、いろいろなパターンをお出ししています。本来、制度を構築するにあたっては、もともとの金額を基にして積み上げて決めていきますが、この場は制度の話ではなく、これからのバスの経営を考えていく中で、どんなあり方があるのか、仮定に基づいて検討しているわけです。

本来であれば、高齢無料乗車証を発行している市の担当部局の事業の話なので、このシミュレーション結果でもって、方針が決まるわけではありません。いろんな案がある中での選択肢の1つとして、参考までに数値化して見えるようにしている資料になります。

D委員

前回の審議会でも申し上げたのですが、22ページのシミュレーション結果は、補助金を加味した後の経常損益になるので、市全体としてどう判断するのかというのは、補助金の影響を排除して考えないといけないと思います。そうすると、今は黒字額の大きい順に、◎、〇、△をつけられていますが、内部取引を相殺すると、シミュレーションの順位が変わってしまう可能性もあります。

市バスの経営基盤という意味では、こういうシミュレーションになるとは思いますが、市全体として判断する場合には、補助金を排除した数字もわかるようにしたほうがいいのではないでしょうか。

事務局

ご指摘のように、22ページの表は、補助金を含む経常損益の一覧になっております。今回、シミュレーション別のグラフのほうには、営業損益・経常損益の「補助金あり」「補助金なし」のものも入れており、この数字を整理していけば、今のご指摘に沿えるのではないかと思います。

概ね、経常損益に近いところに営業損益もあるので、考え方の違いもあるかもしれませんが、◎、〇、△の評価は、あくまでも黒字がどうなるかという数字に対して、記号をつけているだけです。但し、この記号が落とし所の判断としての「◎」という意味ではないので、その点、ご理解いただければと思います。

会長

22ページの表の「◎」を見ると、先ほど申し上げたように、約13.4億円を市庁部局に持ってもらうといちばん収支がよくなるのは当たり前なのですが、それが難しいのでどうするのか、交通部の立場から判断するのが、当審議会の役割だと思っております。先ほどからご意見をいただいているように、福祉部等の部局の意見や予算の枠もあるため、それらを含めて、最終的には市議会での決定によって、ようやく政策が実行に移せる仕組みになっているわけです。いろいろな立場を念頭に置いておくことは必要ですが、この場で検討するのは難しいので、まずは論点を絞って検討するのが当会議の目的かと思います。

一方で、22ページの「◎、〇、△」だけを見ると、シンプルにまとめればまとめるほど、結論だけが一人歩きしてしまうので、今後、答申書をまとめる際には、表現等も含めて見てまいりたいと思います。

A委員

この資料は、今、きちんと運賃を徴収したら、高槻市バスは経営していけるという読み方ができると思います。その次は、バス事業者が何割か負担することになった場合には、経営が厳しくなるという話です。約13.4億円の費用を、誰がどう負担したらいいのか、この場では決められません。但し、運賃を徴収しないと早晩、崩壊することは、答申にはいちばん書かなくてはならないと思います。

何となく収支均衡になるのがいいと思いがちですが、収支均衡になると、次の議事の「経営基盤の強化」に着手できなくなります。さらに、赤字基調になると、某公営バスもそうでしたが、すぐに人件費をカットしろという話が出てくるのです。そうなると、ただでさえドライバーが不足しているのに、応募が来なくなります。

ニュースになっているかもしれませんが、昨日、ホームページに、京都府南部のバス事業者が12月から土日のバス運行を半分に減らすと出ていました。高槻市でも、儲からず、ドライバーも集まらず、本数が半数になってしまったら、どうなるでしょうか。バスがあるから、みんな外出できますが、本数が半分に減れば、それだけ外出機会が減ってしまうわけです。なので、当審議会では、黒字で経営していけるようにしていくことを議論すべきなのです。ただ、もし高齢者が無料で乗れることが高槻市の値打ちなのであれば、その値打ちに対する費用をどこが払うかを市庁部局に考えてほしいと当審議会から言ってもいいと思います。別に高齢者は無料のままでも、一部を負担してもらってもいいと思っています。

但し、高槻市の値打ちが何なのかというのは、考えていただきたいのです。その際、40年前の高齢者と今の高齢者を一緒にするのはどうかと思います。先ほど言われたように、昔の70歳と今の70歳が違っていて、高齢者の概念が変わっているわけなので、負担率も変えられるはずだと提案していってもいいとは思います。

繰り返しますが、当審議会はバス事業をどうしていくのかを話し合う場なので、このままでは崩壊していくことを、きちんと訴えていかないといけないというのが、私の感想です。

事務局

特に事務局として意見はありませんが、これから作成していく答申書についても、今日のご意見等を踏まえて、前回5年前の答申書よりは、前に進んだ内容にはしていきたいと考えているので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

会長

ほかにいかがでしょうか。それでは、次の議題に進んでまいります。

2.経営基盤の強化について

会長

それでは、議題の2について、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料3・資料4の1~9ページの説明がなされた。)

会長

それでは、質疑応答に入りたいと思います。ただ今の説明に対して、ご意見やご質問等があれば、よろしくお願いいたします。

E委員

資料4の2ページで、「輸送の安全確保」として、阪急バスの事例も挙げていただいています。まさに、説明のとおり、乗務員の採用不足に端を発して、乗務員の高齢化の問題もあります。大型二種免許を取得される若い方がほとんどおらず、普通免許しか持たない人の採用に力を入れているため、特に経験の浅い方の事故率が高いという問題を抱えております。

解決策として、資料にもある安全運転訓練車があります。それ以外には、弊社で取り入れている研修があり、今の若い方は座学よりも体験型のほうが合っているようです。視覚教育や体感する事故訓練に比率を高めてやっており、若干ですが、効果が見えてきている気がします。

他社では大きな事故も発生しているようなので、単体の事業者で実施するのではなく、お互いに協力して、業界を挙げて取り組んでいけば効果が上がるのではないかと思います。それに、もう少し安価でできるものとしては、DVD等、事故種別に応じた訓練型の視覚教育教材等もあります。他社も使っておられるようなので、お互いに融通し合う等、情報交換をしていければと思います。

それから、資料4の3ページに女性運転士の採用の一環として、女性用向けの制服が挙げられていますが、市バス単独では難しいのではないかと思います。例えば、制服は各社各様だと思いますが、中に着る白のカッターシャツ等、民間グループでは、共同購入をして価格を抑えています。もちろん、制服以外でもいろんな物品で共同購入をしているので、それが可能であれば、費用削減ができるのではないかと思います。

事務局

たいへん興味深く、ありがたいご提案をいただきました。交通部としても、これまでも乗務員の研修に力を入れてきたところです。ただ、新規採用の職員に関しては、公営バスは募集をかけるたびに必要人数が集まるため、免許を保有していない方の新規獲得等がかなり遅れていると自覚しております。経営基盤の強化策の案にもいろいろと載せていますが、ご提案内容を、今後に結びつけていければと考えております。

事務局

現場の視点で補足します。教習のカリキュラムは20年以上、同じ形態でやってきました。これまでにも、大型二種免許は持っていても未経験者がいましたが、そのカリキュラムで卒業することができず、教習を延長してやっと一人前になったという事例もありました。

E委員より、事故訓練等をしてはどうかと提案されたので、いろんな情報交換をしながら、乗務員の安全に関するスキルアップをご指導いただければと思います。若い乗務員は運動神経がよくて運転は上手なのですが、ヒヤリハット教育の経験がなく、危険な所で危険ではないように走行するため、DVD等の教材があれば、提供していただければと思います。

F委員

高槻市観光協会です。4ページの「貸切観光バス事業の拡大」にあるように、貸切バスにいろいろと課題があります。市も観光施策を推進しており、観光協会では現在、オープン高槻というまち歩きの事業を展開して、今年から旅行プログラムを組んで貸切バスで市内を回る事業をやっております。私どもは高槻市観光協会である以上、高槻市交通部とも連携して、貸切観光バス事業を拡大していきたいので、ご尽力いただきたいと思います。

事務局

観光協会には、これまで、雇用に関してもいろいろとお話をいただいていました。市バスでは、路線バスを使用した貸切バスになるため、先ほどの資料説明でもあったように、専用車両で走れるかどうかも検討課題になってきますので、観光協会からもまた色々なお話を聞かせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

A委員

「②高質なサービスの提供」の中で、6ページの「小・中学生向け割引乗車制度の拡充」として、小・中学生に目を向けると、将来的なバス顧客の創造に繋がるので、自腹を切ってでも投資をしていただければと思います。

実際、こうのとりパスの状況も好評と伺っており、ホームページのお客様の声を見ていても、こうのとりパスのおかげで移動ができてよかったという書き込みもあるので、今のうちに子どもたちがバスに乗る環境づくりをして、大きくなったら定期券を買うことに繋げられる制度にしていければと感じたので、ぜひ進めていただければと思います。

B委員

資料3についてです。経営基盤強化策に関しては、非常にいい取組なので、ぜひ進めていっていただければと思います。3ページに、10年間の次期経営計画に対するものとして4つの基本方針(案)が挙げられているわけですが、タイトルに「次期経営計画(戦略)」と書かれていて、計画なのか戦略なのか、どちらにされるのでしょうか。

計画にしても、戦略にしても、今までずっと議論してきた、高槻市営バスにおける課題や外部環境、または、高槻市営バスの公営企業としての強みや弱み等の内部環境を含めて、今、どうあるべきなのか、次にどういう目標を設定していくのかというビジョン等を踏まえた上で、4つの基本方針が出てくる流れだと思います。

なので、いきなり4つの基本方針を出すのではなく、今後、答申書を作成するときには、次期10年間に、どのような公営バスにしていきたいのかという戦略やビジョンがあった上で、4つの基本方針を打ち出したほうが、内容としてすんなりと理解しやすいのではないかと思います。

そして、その基本方針を受け、4ページに具体的な取組として、「重点課題」を6つ挙げられていますが、重点課題とするのは、文言として少しおかしい気がします。というのは、現状の課題を受けて、目標があって、方針があり、さらにその下に「重点課題」とまた課題が来ているからです。なので、重点課題ではなく、「重点的に取り組みたい施策」(重点施策)等、別の文言のほうが妥当であり、具体的な目標という意味合いではないかと思います。まだ案の段階なので、今後、整理していくほうがいいのではないでしょうか。

5ページの「成果指標」も、もちろんゴール(目標)があった上で、アウトカム指標が必要になってくると思いますが、ただ、答申書の段階では、そこまで細かく書かない気もします。もし書くのであれば、もう少し詰めて考えていかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。

事務局

委員の言われたとおり、4つの基本方針をいきなり出すのは、唐突感があるかもしれません。ご指摘のように、市営バスとして、市の交通まちづくりを踏まえたビジョンがあって、方針、そして、重点課題ではなく、取り組むべき重点施策というように整理し直していく必要があると思うので、答申書の中では、そのような整理を再度させていただきます。

成果指標に関しては、おっしゃるように、答申書に書くかどうかも含めて、調整と言うか、次回の審議会等でも整理した上で、出していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

B委員

言い忘れたので、追加します。もし目標があった上で、基本方針があるなら、「(2)お客様のニーズを踏まえたサービスの向上」でもいいのですが、今までのシミュレーションから、今後、人口が減っていき、乗客も減っていくと考えれば、現状維持として今の顧客だけを見ていたのでは、経営基盤強化という目標が達成できません。それを受けて、具体的な中身として、子どもに対する将来投資みたいな案も出てきていると思います。

そうすると、今の乗客だけでなく、利用していない「潜在顧客」のニーズも踏まえた「サービス向上」ではないかと思います。もちろん「お客様」の中に含んでいるのかもしれませんが、もう少し具体的に示したほうが明確になるのではないでしょうか。

事務局

それに関しても、見直して、次回審議会で提案させていただきます。

会長

市営バスでは、対象が市民になりますが、それだけではなく、市外から来る観光客も含まれるので、表現は改善の余地があると思います。委員が指摘されたのは、経営学で言う「SWOT分析」を念頭に置かれているのでしょうか。

B委員

そうです。これまでずっと「計画」と書かれていたのですが、「計画(戦略)」という文言が出てきたので、厳密に言うと、計画と戦略は違います。ただ、審議会の中でそこまで議論しなくてもいいと思います。ただ、戦略を意識した計画なのであれば、やはり課題・環境を踏まえた書き方にしたほうがいいと思います。せっかく今まで議論してきたので、それを整理して書くといいのではないでしょうか。

会長

審議会を終えた後も、いろんなかたちで進捗状況を確認する機会があるので、そのときには、ここに挙げたような具体的なテーマも関わってくると思います。改めて現状を洗い出すときには、経営学で言うSWOT分析をしてみる価値はあると思います。

それでは、資料4の後半部分の説明をしていただいて、前半部分も含めて、改めてご意見・ご質問等を受け付けたいと思います。

事務局

(事務局より資料4の10~19ページの説明がなされた。)

会長

それでは、質疑応答に入りたいと思います。ただ今の説明に対して、ご意見やご質問等があれば、よろしくお願いいたします。

B委員

経営基盤強化策の12ページ、「MM(モビリティ・マネジメント)の拡充」もやっていただきたいのですが、具体的な施策事例として、①子育て世代、②小・中学生、③市イベントとのタイアップ、④転入者、⑤市民全般となっていますが、もう1つ重要と思われるのが、高齢ドライバーに対するMMで、免許更新の際、同様の取組をしていくのがいいのではないでしょうか。高齢者はある意味、過度にマイカーに依存することのないターゲットになるので、何か文言を意識したらいいのではないかと思います。

14ページのスクールバスの運行についてです。具体的にどのようなイメージで考えているのか把握しきれていませんが、子育て世代の移動支援による定住促進を導入効果として考えるのであれば、同じ子育てをしている身として、例えば、スクールバス車両を学校と結ぶという発想だけでは、あまり利用していただけないのではないかと感じています。

今後、共働きが増えていくことを考えると、単純に自宅と学校との移動がニーズとしてあるわけではなく、例えば、お昼に子どもがどこで過ごすかが非常に重要になってきて、学童保育や塾等、子どもの預け先と学校を結ぶ移動ニーズが増えると見込まれています。今までのようなイメージでスクールバスを考えるよりも、共働きを意識して運行を考える、または、アフタースクールでバスを走らせている事業者もあると思うので、そことの連携も考えられるので、新しいイメージも加えたほうがより効果的だと思いました。

事務局

まず1点目の高齢ドライバーに対するMMについて、お答えします。第1回目の資料でもお出ししたように、高槻市は高齢ドライバーの免許返納が進んでいるので、実際、所管されている高槻警察署とも連携しながら、どういったMMができるかも含めて、検討してまいりたいと思います。

また、市民全般に実施している出前講座は、基本的には高齢者からの需要が多く、年間で数回実施しておりますが、ご指摘のように高齢者へのMMについてのご質問も出ているので、引き続き、出前講座を実施していきたいと考えております。

2つ目のスクールバスについては、まだ施策案の段階で、教育委員会と協議ができていません。ただ、委員ご指摘のように、単なる学校と自宅との輸送だけでなく、付加価値があれば、費用対効果も上がってくると思うので、今後、検討していきたいと思います。

会長

今までも、高齢者はメインターゲットで、マイカーが普及しているので、既に高齢世代の方でも車の運転に慣れている方が多いと思います。ただ、車の運転ができるうちに、バスも使っていただくためには、例えば、免許返納を考える際、高槻市はバスであちこちに行けるから大丈夫だと思っていただける施策は必要かと思います。

私から質問ですが、スクールバスに関連して、小学校の統廃合は市内で検討されているのでしょうか。

事務局

交通部では、小学校の統廃合について、確認はできておりません。

会長

統廃合があると校区が広がるため、生徒の動き方が変わってしまう可能性もあるので、教育委員会でも検討していく可能性があるかと思います。全国的に、特に地方部を見てみると、混乗(スクールバスに大人も運賃を払って乗る)もされていますが、かつては所管が運輸省と文部省と別々だったので、混乗が難しかったのですが、むしろ分けるよりもくっつけていく、地方部では、くっつけざるを得ないということで、ここ10年ほどで政策が進んできた流れがあります。スクールバスとして個別に考えるというよりは、既存の路線バスと運行時間帯や経路を柔軟に変えていくことで対応できる面があるかもしれません。

H委員

12ページのMMについて、具体的な施策実例として、今後、市バスを利用していきたいと考える潜在需要の掘り起こしもあると思います。例えば、マイカーを使わずに、市バスの路線を使って高槻市内の観光ができるという打ち出し方もいいのではないかと思います。

それから、13ページの「サイクル&バスライドの拡充」についてです。自転車を使っている方がどれくらいの距離であればバスに乗るのかという分岐点みたいなものがあると思います。その分岐点を踏まえて、バス停を選定していかないと、自転車で行ける範囲なのに駐輪場を設けても、自転車のほうが無料で、待たずに済み、いつでも行けると思ってしまいます。ただ、自転車利用者がバスに乗る分岐点が何kmなのか、私には想像できません。

例えば、柱本団地から駅までは遠いので、バス停まで自転車で行ってバスに乗ろうという気になると思います。富田団地のバス停からは駅まで自転車で行く人もいるそうなので、分岐点となる距離を考えながら、施策を進めていくといいのではないでしょうか。

事務局

1点目の観光業界との連携については、観光事業者だけでなく、商業関係全般に対して行おうと考えております。MMになるかどうかは別にして、今後も連携していきたいと考えております。

2点目の自転車を使う距離については、坂のあるなしも関連してきます。外延部の終着バス停まで自転車で来ていただいて、そこからバスに乗っていただくニーズが市営バスでも見込まれているので、候補となるのは、先ほどご説明した、柱本団地や玉川橋団地を考えていきたいと思っております。文献等があれば、参考にして今後の検討に活かしていきたいと思います。

会長

自転車利用については、天気によって左右される場合も多々あり、距離も天気によって変わってきます。今では、新規に導入するのはどこでも難しいですが、翌日、雨の確率が高いときには、バスを増便する事業者もあります。合従連衡と言うか、バスと自転車が競争する部分と補完し合う部分と両方あり、天気によって変わる部分もあるので、いろいろとデータを採りながら具体的に検討する余地があるかとは思います。まずは終点より遠くから来る方に、バスに乗っていただくのが最善だと思います。

I委員

今のサイクル&バスライドの考え方について、山間の不採算路線の対応で小型モビリティやデマンド交通をうたうわけなので、それまでの乗り継ぎとして、例えば、原大橋の回転場に休憩所をつくって、小型バスで送り迎えをして、自転車利用の人もそこまで来るようにすると、今は触れなくてもいいのでしょうか。それとも、デマンド交通はもう少し先の考え方なのでしょうか。提案内容としては、今後の方向性として出されているので、それとの整合性はどうされるのでしょうか。

事務局

まだ、具体的にどこで乗り継いで、駐輪場をどう整備するか、検討できていませんが、どこかで乗り継ぎが発生してくるので、そういう施設の整備も含めて、実現可能かどうか、今後、検討していく必要があると考えております。

会長

あくまでも私見ですが、山間路線の見直しと代替交通手段の確保については、具体的にどういう交通手段が活用できるか、検討しなければならない点が多々あります。その場合でも、今まで交通部が持ってきたノウハウは何らかのかたちで活用して、市全体の交通政策への貢献を目指していく必要があるのではないかと思います。具体的に、乗り継ぎ等、いろいろな課題が出てきたら、いずれはサイクル&バスライドの延長線上で議論すべき場面が出てくるのではないでしょうか。

A委員

個別具体的というよりは、全体的に進めていただきたい内容が盛りだくさんで、いいと思います。実現しようと思うと、導入費用がかかり、導入後の維持費もかかるわけで、今の収支状況では実施しづらいので、きちんとした収入が確保できた上で、そのおカネを投資に回していきたいと当審議会の答申書として書いていきたいと思います。

そのためには、さらに、実施するための体制づくりも必要になります。今後の想定としては、市営バスの事務員はそれほど増えない前提なのですが、できれば増やしていかないと皆様の仕事が倍くらいに増えてしまうので、今の働き方改革に逆行してしまうことになります。

なるべく人は増やさないほうがいいとは言われますが、逆に、意外と先ほどの女性ドライバーや若者の雇用に加え、事務職の雇用も生まれれば、高槻市の雇用の機会創出に繋がっているとも言えます。多角的な経営に関しても、高槻市内で経営に関わっていくことになるので、新たな雇用を生み出せるわけです。ぜひ、雇用機会の創出が定住に大きく関わっていくことを訴えていけたらいいと感じています。

喫緊では、2021年にワールドマスターズゲーム関西、そして、2025年に大阪万博が開催されるので、それに向けて経営基盤強化を実施していくことが望まれると思います。端的に言えば、万博が終わった後、急に補助制度がなくなりそうな気もしないではないので、早めに時流に乗り遅れないほうがいいと思います。個人的な感想です。

D委員

資料3の5ページ、「成果指標」についてです。言葉の使い方に関するご意見はありましたが、中身として、重要課題の「⑥既存施設等の計画的な維持管理」に対応する「成果指標の例」が載っていません。特段、載せる余地がないからなのか、今後検討するからなのか、回答をお願いします。

事務局

余地がないわけではなく、今回の案では入れていないとご理解いただいて、今後、答申書の中には、内容については検討していきたいと思います。

D委員

既存施設の維持管理という意味では、例えば、遊休施設や遊休地等のあり方を検討するという話なのか、もしくは、既存の施設をほかの事業に転用するとか、貸し出す等の活用策を検討される方向なのでしょうか。

事務局

今回、書いている文言では、バス停やバス運行に必要な施設の計画的な維持管理という意味合いが強いです。今日のご意見を踏まえて、もう少し幅広く、保有資産の活用等も踏まえた内容に変える案もあろうかと思うので、検討していきたいと考えております。

会長

ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。非常に盛りだくさんのご議論をいただきました。

3.その他

会長

議事の4につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料5の説明がなされた。)

会長

以上で、本日の案件はすべて終了いたしました。委員の皆様、あるいは、事務局から何か追加等、お伝えしたいこと等はございませんか。よろしいでしょうか。それでは、以上をもって、令和元年度 第5回 高槻市自動車運送事業審議会を閉会とさせていただきます。

配布資料

【資料-1】第5回審議会議事次第[PDF:42.5KB]

【資料-2】将来収支予測について[PDF:2.65MB]

【資料-3】経営基盤の強化について[PDF:194KB]

【資料-4】経営基盤強化策案1[PDF:1.02MB]

【資料-4】経営基盤強化策案2 [PDF:1.3MB]

【資料-5】審議会全体スケジュール[PDF:46.3KB]

お問い合わせ

高槻市 交通部 総務企画課
住所:〒569-0823 大阪府高槻市芝生町四丁目3-1
TEL:072-677-3507
FAX:072-677-3516

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