令和元年度 第3回高槻市自動車運送事業審議会

更新日 2019.11.12

会議の概要

会議の名称 高槻市自動車運送事業審議会
会議の開催日時 令和元年9月27日(金)午前10時から12時
会議の開催場所 高槻市役所本館3階 第2委員会室
出席委員 10名
議題
  1. ODデータ等に基づく全24路線の概要について
  2. 路線及びダイヤの見直しについて(重点課題路線)
  3. その他
主な審議内容 別紙のとおり
資料名
  • 資料-1 第3回高槻市自動車運送事業審議会 議事次第
  • 資料-2 前回審議会の確認事項
  • 資料-3 路線別カルテ
  • 資料-4 全路線の概要と重点課題路線について
  • 資料-5 審議会全体スケジュール
  • 参考資料 市営バス路線図
担当課 交通部 総務企画課

(別紙)

会議の公開と傍聴希望の確認について

<会議の公開について>

 

(高槻市公営企業審議会の会議の公開に関する要綱及び高槻市公営企業審議会傍聴要領等に基づき、公開することとなる。)

(傍聴希望者:定員)

前回審議会における確認事項

○会長

議事に入る前に、前回審議会における確認事項について、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より口頭説明およびと資料2の説明がなされた。)

会長

資料2は、前回、出た宿題を解いていただいたかたちになります。本件に関して、ご意見・ご質問等があれば、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。では、ご納得いただけたということで、本日の議題に入ってまいりたいと思います。

1.ODデータ等に基づく全24路線の概要について

会長

議題の1について、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料3〔うち、重点課題路線以外の16路線〕・補足資料の説明がなされた。)

会長

それでは、質疑に入ってまいります。ただ今の説明に関して、ご意見やご質問等があれば、よろしくお願いいたします。

○J委員

JR高槻駅北からJR富田駅に向かう路線は、非常に重複しています。私も乗ったことがありますが、富田駅経由で日赤病院に行く場合、直通バスなのに、待ち時間が多くて、あまり意味が感じられません。むしろ、極端に言えば、富田駅始発の路線を重視したほうがいいはずなのに、なぜ高槻駅から富田駅経由のバス路線がこんなにもたくさんあるのか、ちょっと疑問です。

事務局

委員のご質問にお答えします。JR富田駅に乗務員の休憩施設がなく、JR高槻駅には休憩所があるため、その間を回送で走らせるのはもったいないということで、実車運行でJR高槻駅まで富田駅から運行する形態になっております。

会長

データが路線別・系統別になっているので、重複区間については、また改めてデータをまとめてご紹介いただく必要もあると感じております。もちろん、JRや阪急とも区間が重複している路線で、高齢者の方は、例えば、阿武山方面から高槻駅に出るのであれば、鉄道に乗り換えるのに比べると、そのままバスに乗って行けて、しかも、運賃が安いというメリットがありますが、精査する必要があるかもしれません。

事務局

会長が言われたように、次回、他路線だけでなく、鉄道との重複区間も含めて、もう少し整理したものを提示できるようであれば、集計したいと思うので、よろしくお願いたします。

I委員

運送収益については、路線ごとにあげて計上していただいていると思います。この中には、高齢者の無料パス分としてもらっている、総枠6億円の補助額を配分して計上しているのか、それとも、現金収入の普通券、回数券、定期券の分しか見ていないのか、その点はいかがでしょうか。

事務局

今までは、5年に1回のOD調査に基づいて、各路線のODによる配分で数字を決めていました。今、言われた、高齢者の福祉乗車証分の補助金についても、ODに基づいて、その収入があったと仮定し、案分して、収支を計算しております。

D委員

単純な疑問についてお聞きします。「9.南平台東線」は、平安女学院や関西大学を走っていると思いますが、営業収支が1,337万1,000円の赤字となっています。通学に使う路線にも関わらず、マイナス幅が目立つように思いますが、分析されたお考えは、何かありますか。

事務局

13ページの「9.南平台東線」は、ご指摘のように、営業収支は1,337万1,000円の赤字となっています。ただ、先ほど資料の説明でもお話ししたように、学校側の授業時間に合わせる学期ダイヤの設定をしており、効率的にダイヤを設定しているのですが、やはり学期期間と土日祝との格差が大きいため、完全には効率的なダイヤになっていないので、赤字になっている可能性もあります。まだ深く検討はできていませんが、これからの検討課題として認識しています。

会長

この路線には、大学があるため、高齢者IC率が特に平日は他の路線に比べて低いこともあるので、補助額が少ないと考えられます。ただ、通学定期は割引率が高いといっても、収入はきちんと入ってくる路線ではあります。収支率が94.7%と惜しい数字なので、どうやって効率化を図って、帳尻を合わせていくかが1つの目標になると思います。

事務局

先ほどもお答えしましたが、今までは特定日に調査したODに基づいて案分をしていましたが、これからはICカード化によって、すべてのODデータが得られるため、それに基づいてダイヤ編成も考えていけるので、ひょっとすると、1,300万円の赤字ではない可能性もあると考えております。

B委員

次回には、競合路線も踏まえた集計資料をお見せくださるということでした。確認ですが、京阪バスとの競合も含んでいるということでいいですか。

事務局

JRの南側で京阪バスと競合している路線についても、可能であれば、検討したいと思っております。

会長

市民の方にも配られている路線図だと思うので、京阪バスの路線も入れておいていただけると助かる気がします。

D委員

「10.国道線」は地図を見ていても、ほぼ重複路線に当たり、重複しないのは郡家のバス停だけです。国道線は全体のインパクトが低くて、この路線を設けている意味は、どういったところにあるのでしょうか。

事務局

路線沿いに会社等が多いので、通勤等で使用されている方が多数おられるためです。また、先ほども説明があったように、乗り換えずにJR高槻駅北まで行ける利便性と、休憩するための無駄な回送をなくすという意味で設けているため、重複している部分があると思います。

D委員

今の回答は想定していて、例えば、サンスターや明治製菓の工場があるというのは理解した上での質問です。質問の意図としては、サンスターや明治製菓を通る路線は、ほかにもあるのに、なおかつ、重複している国道線を設けている意義を伺いたかったわけです。

事務局

メリットとしては、直接、JR高槻駅北まで行けることと、休憩のために回送のまま行くよりも、1人でも2人でもご乗車いただければという意味が大きいかと思います。

事務局

委員の質問は、ほかの路線もあるのに、国道線が必要なのかということだと思います。

D委員

そうです。

事務局

今城塚古墳前には、郡家老人福祉センター等の福祉施設が多いため、朝夕に2便、郡家経由(25系統)で走っております。先ほど回答したのは、朝のラッシュ時に、富田駅発でサンスターに行く往路と復路の24系統です。ほかの時間帯は、阿武山・塚原線や奈佐原線を併設して運行しております。

会長

この路線の高齢者IC率は高いほうなので、実際は朝のラッシュ時に山側から下りてくるだけでなく、帰りの便にも通勤輸送ができれば理想的ではあります。ダイヤを見てみないとわかりませんが、そうなっていない可能性もあるので、精査は必要かと思います。

J委員

郡家老人福祉センター「ふるさと」があるので、今城塚古墳を回る24系統は確かに必要ですが、明治大阪工場前と幸町のバス停は利用が非常に少ないので、25系統が必要かどうか検討していただければと思います。

事務局

おっしゃるとおり、ODがかなり少ないバス停もありますが、バス停をなくしても、あまり効果がなくて、ご利用がなければ通過しているだけなので、交通部として25系統の廃止は考えておりません。24系統には、福祉施設以外にも、今城塚古墳・いましろ大王の杜といった、市でも大きな観光施設があるため、もう少し便を増やしてほしいといったご要望もあるので、今後、観光部局とも連携しながら検討していきたいと考えております。

A委員

質問と言うか、解釈の仕方についてです。例えば、先ほど出ていた、13ページの「9.南平台東線」は、多く乗っているのに、なぜこんなに赤字なのかという疑問が皆様から出ると思います。駅から平安女学院までは住宅地があるので、朝夕とも、通勤・通学の方も乗られています。ただ、平安女学院から関西大学までは、ほとんど人がいないため、関西大学まで送る便には、学生がたくさん乗っているけれども、降ろした後の帰りの便は、ほぼ空っぽです。実質、行って帰ってくる間に、お客様は半分しか乗っていないと解釈ができます。一見するとたくさん乗っているけれども、どうしてもコストがかかってしまうわけです。

同様の傾向を示しているのが、27ページの「21.大塚線」です。かなりたくさん乗っておられるのですが、朝、住宅地から高槻駅に出て、夕方に帰ってくる片道乗車といった傾向が出ているものの、かなり健闘しているのではないかと思います。前回も申し上げたように、高槻市の場合、駅の周りに住宅地があるので、どうしても、朝、駅に行くバスは混むけれども、朝、郊外に向かうバスは混雑しないということです。行きと帰りのどちらかが空っぽになるので、2分の1ほどの収入になるため、赤字が出てしまうということです。

何となく重複している路線が多いように見えるかもしれませんが、先ほどの「10.国道線」は、「11.奈佐原線」と重複していて、高槻駅北から富田駅を通って、今城塚古墳までに大体のお客様を降ろし終わって、南平台を回って帰ると無駄になるので、高槻駅の休憩所に戻るまでに少しでも乗ってもらえたらいいということで設定されています。

今回、路線ごとにODデータが出ているので、人数が少なそうに見えるものもあります。ただ、運行している回数で割ると、例えば、国道線の場合、1便当たり30人くらい乗っているので、トータルでは座席が埋まっているという解釈もできるわけです。一見したときの数字だけでなく、運行回数も併せて考えていかないと効率性が見えてこないという統計の読み方もあるので、その辺に注目されたら、もう少し違う解釈ができるのではないかと、皆様の質疑を聞いていて、思った次第です。

1点だけ確認いたします。キロ当たり費用を算出するときに、小型バスに限定されている路線もありますが、路線別に小型バスの減価償却費等のコストを分けているのではなく、全路線をひっくるめた、車両の減価償却費や運行コスト等もすべて入れて、今回、出されているという解釈でよろしいのでしょうか。

事務局

今、言われた後者の考え方で、路線別ではなく、全体をひっくるめた考え方で、コストを算出しております。

会長

キロ当たり費用は、資料3の「路線別」カルテの「(5) 路線の営業収支(2018年度)」は、全路線とも同じになっているということです。今回、ICカード化されて、ODデータが細かく取られるようになったため、費用もODで案分されると、補助金等を含めて変わってくる場合もあります。これまでは、細かいデータが出てこなかったわけですが、今後、まだシミュレーションをする余地はあると思います。

H委員

先ほど重複ダイヤに対する回答として、高槻駅にしか休憩所がないから、富田駅着ではなく、高槻駅まで行くということでした。例えば、富田駅に休憩所を設定できれば、富田発の路線が組めるのでしょうか。もし可能であれば、将来的に持続可能な運営や経営を考えたら、その方向も1つのアイデアではないかと思います。富田発にできるかどうか、その点だけお聞きしたいのですが。

事務局

富田駅に待避所ができれば、富田発を考えることは可能です。回送時に運んでいるという部分が大きいので、メインを富田発にできるのであれば、いろいろと考えることはできます。

会長

ほかにいかがでしょうか。それでは、一旦、議題1は終了としたいと思います。今の資料3に関して、また気が付いたことがあれば、後ほどご指摘いただいてもよろしいかと思います。

2.路線及びダイヤの見直しについて(重点課題路線)

会長

それでは、議題の2について、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料4の〔2~6ページ 重点課題路線:山間3路線/路線1~3〕の説明がなされた。)

会長

それでは、質疑に入りたいと思います。詳細な説明があったように、新設の富田芝生線を除き、全24路線あるわけですが、特に見直しが必要になってくると思われる「重点課題路線」(8路線)について、詳細に議論を進めていくのが議題2になります。

見ていただくと、今後の見直し方向性(案)は、肝心なので黄色く塗られているわけですが、まだ何も記載されていない状況です。一般的な会議であれば、この案まで出されていて、それに対して質疑を行うわけですが、今回は事務局側でいろいろと困っておられるので、委員側で忌憚のないご意見を出して、それを基にして改めて検討を進めてまいりたいと思います。それぞれのお立場から、各路線について、ご意見等を出していただければと思います。

E委員

単純な疑問ですが、「(3)沿線人口」は2030年の推計値になっていて、山間3路線とも微増という結果になっています。ただ、この数値は、都市部のバス停近辺の人口も入っているから、路線全体で見たら減っていないということではないでしょうか。先ほど言った、市街化調整区域等の北部エリアだけを見れば、人口は限りなくゼロに近づくという見方でいいのでしょうか。

事務局

まず前提として、人口はメッシュで見ているので、正確な数字ではありません。傾向を見てみると、実際、駅中心部は人口が減る地域もあるのですが、バス停勢圏300mをメッシュで見ているため、誤差も生じています。逆に、市街化調整区域の場合は、高槻市の場合、もともと人口が少ないので、極端に減らないという推計になっていることもあります。私も個人的には疑問もありましたが、山間部も含めて、10年後はそれほど減らないという推計になっております。

E委員

私は近隣のバス会社に勤めているので、参考になるかどうかわかりませんが、発言します。大阪の北摂地域には、山間地域が近隣の都市部にもあり、中心のJRや阪急の駅には、ご利用が多く、途中から乗りだします。ただ、郊外で高齢化が非常に進んでいる路線では、ほとんど利用されない地域もあります。

今までの観点から言えば、生活維持路線としては、減便での対応もそろそろ限界に来ているため、効率性に関して、関係市町と協議をしているところです。大型バスか中型バスが走っていると思いますが、市街化調整区域の路線は、便数を減らした上で、小型バス、もっと言えば、不便性は発生するものの、タクシーのデマンド交通等、バス以外の方法で輸送したり、乗り継ぎしたりできないか、市の補助金をどれだけ投入できるかという部分もありますが、近隣市町では、議論をしているところです。

それから、私どもは民間事業者なので、高齢者の無料パスは出していませんが、10数年前から65歳以上の方に全エリアを乗っていただける年間パスも発売しています。ただ、自治体の財政事情によって温度差はありますが、年間パス料金の引き上げや年収に応じた料金設定にする等、路線を維持するための施策を始めているような状況です。

ただ、自治体だけに負担をお願いするわけにもいかないので、自助努力として、特に人口の少ない地域では、マイカー利用をされていたり、自治会単位でバスに乗っていただく施策を地元と協議したりしています。また、高槻市に当てはまるかわかりませんが、路線を維持したい地域では、住民参加の協議会を立ち上げて、非効率な場合には、運賃自体を高めに設定する等の施策も含めて検討しています。

事務局

非常に貴重なご提案をいただき、ありがとうございます。私どもは公営事業という立場もあって、山間3路線については、少ない便数で何とか維持してきたというところがあります。それが地元の方にとって、本当に効率的で公平な交通手段の提供になっているのかという問題もあるため、交通政策を所管している部署とも連携して、委員が言われた、大型バスに替わる手段も選択肢の1つとして、これから検討を進めていかなければならないタイミングに来ていると考えております。

民間バスの場合、当然、利潤が大きな目的になろうかと思いますが、市営バスとしては、利潤の追求という面では、大きく儲ける必要はないので、資本の余力も投入しながら、市民の皆様にとって最適な交通手段を考えていきたいと思います。

会長

人口予測は、ほかの予測に比べると的中しやすいと言われています。ただ、このようなメッシュレベルで細かく地域を区切って予測するのは、かなり至難の業になっていくだろうと思います。いわゆる、コンパクトシティの実現等、高槻市の場合も、駅前にタワーマンションが建つ等、人口の比重が動いていく傾向はあると思うので、今まで以上に特定のバス停まではお客様が乗っているけれども、山側は乗っていないという傾向に拍車がかかっていく可能性も見据えていく必要があると思います。

これも市営バスの強みになると思いますが、実際に山間地域の住民の方と接する場合には、町内会や自治会の方にいろいろとお話を伺ったり、ご協力を仰いだりすることも必要になります。市営バスの場合、庁内に住民自治や地域振興の部署もあるので、関係部署との連携も必要になってくるだろうと思います。

I委員

収支についてお聞きします。例えば、4ページの「1.田能・杉生・中畑・二料線」の平成30年度収支として、約7,591万円の赤字となっていますが、この収支の考え方は、二料までの収支で見ているのか、それとも、山間部分を走ることによって赤字となっているのか、どうでしょうか。

事務局

IC利用者の97%が含まれる「樫田校前」までを対象に、収入・支出の差額を算出した結果、赤字額になっています。

I委員

例えば、原大橋や上の口等、たくさん乗られているバス停までの収支という意味ですか。

事務局

はい、そのとおりです。

会長

平均利用者数がゼロの停留所もいくつか見られるものの、今までは補助金等によって維持してきたわけですが、ICデータを見ると、予想以上に収支状況が厳しいというのが、私の印象です。

I委員

山間3路線の赤字額に、補助金を充てるという考え方ですか。

事務局

はい、赤字額の75%が1年間の補助額になります。

会長

現在、残りの25%は、交通部の自助努力で何とかせよという考え方で成り立っている制度です。

J委員

「1.田能・杉生・中畑・二料線」の周辺では、二料山荘・しょうぶ園等が軒並みなくなっていきました。結構、利用者はあったように思いますが、今後、市のまち興しとも兼ね合わせて、これからどうしていくのか、考えなければいけないと思います。今日、具体的な話は何も出ていませんが、市側の思いも地域の願いもあると思うので、検討事項として何か出てきていることはないのでしょうか。

事務局

観光との連携や地域コミュニティとの連携は、ほかの委員からもご意見があったかと思います。観光に関しては、今回、濱田市長の重点的な施策の中にも、高槻市は観光に力を入れていくといった施政方針もあります。バスは移動手段であって、目的を生み出すのはなかなか難しいので、例えば、観光路線を引けば儲かるのなら、事務局としても市の観光部局等と連携しながら考えていきたいと思っております。

H委員

いわゆる赤字路線の重点路線について、路線を残すことを目的にしてしまうと、ダイヤも含めて、本当に住民にとって便利な路線になっているとは言えないので、現状の形態がいいのか、先ほど出た、小型バス等で車両を小さくするのか、タクシーのデマンド交通にするのかというのも、議論の1つではないかと思います。自分が乗りたい時間帯に来てくれないバス路線を1便走らせることを目的にしてしまうと、利用者の利便性という視点からすると少し違うのではないかと思います。

事務局

委員ご指摘のように、日本全国、赤字路線について別の交通手段に転換している事例も多数あろうかと思います。事務局も情報収集をしており、本当に市民にとって最善なのかどうかを念頭に置いて、検討を進めていきたいと考えております。

D委員

赤字の山間3路線は、公共交通という視点に立てば、先に出た車両の小型化等、いろいろな方法があると思いますが、路線は守っていくべきではないかと私は思います。赤字になっているわけなので、もっとバスを利用することで路線を守っていこうとする住民側の意識も必要になるのではないでしょうか。そのためには、先ほど委員から協議会を設けて検討したらどうかと言われていましたが、市内に出るための手段をどう確保していくか、事務局や交通部局に任せるだけではなく、バス事業者サイドからアプローチをかけてもいいのではないかと思います。

先ほど会長が言われた、地域コミュニティを巻き込んで、市全体としてアプローチすることが、少しでも赤字を減らして路線を維持していくには、必要ではないでしょうか。なかなか遅々として進みませんが、大事なことだと思います。

事務局

山間3路線を仮に見直すとしても、最初にしなければならないのは、地元の方と意見交換をすることだと認識しており、そこは丁寧に進めていきたいと思います。それから、交通部だけではなく、市全体、オール高槻で進めていく必要があると考えております。

I委員

考え方として、例えば、地域の公共交通を考える会議があるわけで、本来的にはその場で議論していくべきものかと思います。市営バスだけで何とかしようと動くのは、すごく難しいのではないかと思います。実際にある地域の公共交通を考える会議では、赤字路線の話はしないのでしょうか。

事務局

委員の言われているのは、公的な交通の審議会という意味でしょうか。

I委員

高槻市の中でも、市民の移動をどう確保していくのか考えていかなければならないわけで、それを所管している部署があると思うので、その部署内でも議論していかないといけません。それに、京阪バスや阪急バスもそうですが、タクシー等の他の交通事業者も含めた会議の中で、どうしていってほしいという要望も含めて話が出てくるのではないかと思いますが、そういう会議体はないのでしょうか。

事務局

私の知っている範囲では、都市創造部で総合交通戦略検討協議会を持たれているかと思います。その中では、交通計画も過年度に作成されており、委員が言われたような方針は記述されていると認識しております。おっしゃるように、今後、いろんな関係者を巻き込んだ協議会を立ち上げて議論していくのがいいだろうと事務局としても思っているので、都市創造部とも連携して進めていければと考えております。

会長

その辺りも含めて、今年度の当審議会が終わった後、今後の方針をどうするかについても、答申案に盛り込んでいく必要があると考えております。

私は、ほかの自治体の会議にも出させていただく機会があります。市営バスがない自治体では、庁内部局の会議が中心となり、必要に応じて、例えば、当該地区でバスが廃止になったときに、地元代表の方にお越しいただいてお話を伺ったり、会議にオブザーバーとして参加していただいたりして決めていき、それがまた市全体の方針にフィードバックされていく仕組みをつくっている自治体もあります。そういった仕組みも参考にできることがいろいろとあると考えております。

ほかにいかがでしょうか。では、続いて、山間部以外の重点路線についてご説明して、議論をしてまいりたいと思います。

事務局

(事務局より資料4の〔7、8ページ 重点課題路線:路線15・22〕の説明がなされた。)

会長

それでは、ご意見・ご質問等、よろしくお願いいたします。確認ですが、柱本団地は市の境目スレスレで、市営バスの営業区域でも南端にあるため、他市町の駅に向かう別の交通手段もあるのではないでしょうか。

事務局

柱本団地から千里丘駅に行っている路線があります。

事務局

さらに、唐崎周辺では、京阪バスが茨木市に行く経路もあります。

会長

ほかにいかがでしょうか。特になければ、あと何路線か説明が残っているので、説明が終わってから併せてご意見・ご質問等をいただきたいと思います。

事務局

(事務局より資料4の〔9~11ページ 重点課題路線:路線22~24〕の説明がなされた。)

会長

それでは、ご意見・ご質問等、よろしくお願いいたします。

I委員

JR高槻駅から阪急上牧駅にバスで行くために、梶原東まで走っている「24.梶原線」の延伸は、一度でも検討されたことはありますか。

事務局

梶原線は、旧西国街道で阪急上牧駅方面に行く路線ですが、阪急のガード手前辺りは道路が非常に狭いので、道路事情が解消しなければ駅までは延伸できないという結論に至っております。

I委員

道路が通れるようになればという話ですね。

事務局

道路が拡幅されれば、可能と考えております。

I委員

要は、住宅地から駅まで行きたい方がすごく多いので、梶原地区の方が阪急の電車を使う場合、上牧駅に行ったほうがいいと考えるのではないかと思ったわけです。その地区の方が利用しにくいバスをカバーできていないから、赤字が出ているのではないでしょうか。ただ、路線をなくすのも難しいとは思います。

先ほどの「19.柱本・三島江線」もそうですが、柱本団地の方は、茨木市や摂津市に行きたいという需要が多かったと思います。ただ、市営バスでは、昔からJRや阪急の高槻駅にしか行けないため、30分以上かかっても仕方なく乗っているのです。

それなら、阪急や京阪の路線バスを利用できるようにならないでしょうか。例えば、柱本団地のバス停から茨木駅に行く路線ができたら会社に行くのに近いのに、今は市バスしかないので、高槻市まで時間をかけて通勤しているわけです。

それに、バスの定期券の相互利用は、今はIC化されているので、可能ではないかと思いますが、その考え方はまったくできないのでしょうか。

事務局

まったく考えられないわけではありません。先ほどの議論にもあったように、高槻市の公共交通を考える場合に、地域協議会的な会議体があれば、相互利用が可能かどうかは別にして、その場で議論はできるのではないでしょうか。但し、市庁内だけで完結する議論ではなく、ほかの事業者とも連携しながら考えていくべきだと思います。

I委員

地域公共交通を考える会議が見えていないので、そういう議論の場をつくって、住民の意見が反映される仕組みをつくっていかないと、要望は拾っていけないと思います。

会長

確認ですが、阪急上牧駅近辺に新しい道路ができていますが、先ほどのガード手前の道路は対象外と言うか、バスを乗り入れられるような拡幅の予定はないということでしょうか。

事務局

現在のところ、途中で工事は終わっており、その先は聞いておりません。

会長

新しい道路ができると、マイカーが増えるという思考回路になってしまうわけですが、バスにとっても有利になるので、梶原線の上牧駅近辺については、新道路を盛り込んだ改善案を出していく必要があるかと思います。

D委員

2点申し上げます。1点目は、1回目の会議でも、「19.柱本・三島江線」等は、非常に営業区間が長いので、応益負担、要は距離別負担を一度検討されたほうがいいのではないかとお伝えいたしました。距離別で料金を区切ると、赤字幅も緩和されるのではないかと思います。例えば、柱本団地の乗降数は500人/日を超えているので、赤字だからといって路線を廃止するのではなく、乗られている距離の負担に応じた料金体系を考える方法もあるのではないでしょうか。

2点目は、資料3の「10.国道線」の話とかぶりますが、重複路線の話です。例えば、「15.芝生住宅線」であれば、新設の「25.富田芝生線」とも重複していて、重複していない路線と比較して見ても、そんなに差はないという感覚を持っています。重複路線に関しては、芝生住宅線は他路線で代替できないか、検討事項に挙げられると思います。

また、「22.前島六中線」については、野田から六中までは他路線でカバーできると思っていて、六中以降の前島、クリンピア前島に関しては、重複していませんが、非常に乗降数が少ないので、クリンピア前島を利用している方にヒアリングで、バスを利用して来ているのかどうか等を確認して、路線の効率化を考えてみるのも1つかと思います。

以上2点、1つ目は応益負担の話で、2つ目は重複路線の他路線への代替、または、重複から外れる地域については、本当に必要なのかどうかの検討について、意見として申し上げました。

事務局

今、ご指摘の点は、事務局の考えとかなり一致している部分があります。1つ目の料金の応分負担については、実は反対の考え方もあると思っていて、逆に市内全域を均一料金にする方法もあります。ただ、何が本当に平等なのかを考えながら、今、言われたご意見も踏まえて、検討してまいりたいと思います。

2つ目の路線の効率化については、周辺環境、例えば、道路等の新設に伴い、交通事情等も変わってきているので、「25.富田芝生線」は4月に開業したばかりで、これからODデータ等を集計して、本当にどういう路線や系統が効率的なのかを考えていきたいと思っております。

「23.道鵜線」と「22.前島・六中線」については、例えば、道鵜線を延伸して、前島方面に迎えに行くことも可能なので、今後、検討していきたいと考えております。

会長

柱本・三島江線の話のときに、柱本団地からは阪急バスで千里丘駅に出る選択肢も住民の方にはあるということでしたが、路線の状況についてご存じであれば、阪急バスから概況をお話しいただければ参考になると思います。

E委員

柱本団地は成熟した地域ということで、基本的には千里丘駅や茨木駅への需要は多いので、先ほど共通的な定期が使えないかというご意見もありましたが、各社各様のシステム・運賃制度があるため、現時点では難しいと思います。今の時代はIC化がどんどん進んでいて、今でも交通系ICカードで別々の料金を払えば乗れるはずです。共通化するメリットとしては、例えば、高齢者パスをお持ちの方が他社のバスに乗られた場合、市が負担するという考え方であれば、話は進むかもしれません。いい案だと思いますが、財政的な問題等、いろいろあるというのが率直なところです。

距離別運賃についてですが、柱本団地から高槻駅まで、何kmくらいあるのでしょうか。

事務局

7~8kmです。

E委員

阪急バスの制度では、均一料金制は芦屋市しかないので、2区運賃制というのがあり、20円高くする制度はあります。ただ、柱本・三島江線だけに適用するにしても、乗降時にタッチする機器が必要になります。

事務局

昨年の4月から全路線とも、ツータッチ式にはなっております。そのため、ODデータが取れるようになったわけです。

E委員

それなら、システムの一部改良で可能になると思います。ただ、2区制や距離別運賃制にすると、別投資が必要かもしれないので、その辺は費用と収入の兼ね合いで考えることになると思います。

直接関係していない他事業者が言うのも何ですが、阪急上牧駅から高槻駅までは、非常に駅間距離があるため、途中駅の新駅構想がJRも含めて、だいぶ以前に出ていた気がします。新駅ができれば、徒歩圏内の地域が増えるので、バス路線の見直しが出る可能性はあると感じましたが、具体的には進んでいないですよね。

事務局

当審議会の第1回目の中で、JR新駅の可能性について、簡単に説明いたしましたが、具体化はこれからの話です。言われたように、新駅ができたら、その辺りの市営バス路線は、大きく見直す必要があると思います。

J委員

梶原線のJR沿線の道路が随分と整備されてきています。私も自転車でよく通りますが、新しくていい道路ができているのに、全然活用されていない感じがします。今のバス路線は狭いので、新道路を通ったほうが行きやすいのではないかと思います。それに、JRの高架下に通りやすい道もできていて、国道とも繋げられそうなので、バス路線を考えていただいたらいいのではないでしょうか。

事務局

おっしゃるとおり、バスが走るという意味では、かなり環境がよくなっています。ただ、忘れてはいけないのは、バスは人が住んでいる所を走らなければ、お客様を拾えないということです。また、新しい道路の周りには、意外と住宅がない場合もあるので、これからの開発状況等を見ながら、需要があれば、お客様を拾えるような経路変更を考えていきたいと思います。

会長

新道路をうまく活用していくのが一番だろうと思います。他の自治体でも立派な新道ができているのに、なぜ旧道をゆっくりと走るのかという場合が多々ありますが、やはり旧道側に多くの人が住んでいるので、こまめに路線で繋いでいくのもバスの役割です。

A委員

4点、資料の後半部分から、まとめてお話しします。まず、前島と道鵜町の間には、新道の府道十三高槻線ができたので、「22.前島・六中線」と「23.道鵜線」は、新道を活用して、もう少し効率的な運行ができるよう検討したらいいと思います。

2つ目は、「19.柱本・三島江線」についてです。非常に悩ましい路線で、駅行きの場合、いつ着くかわからないと普段、使われていて感じられていると思います。柱本団地はかなり商業集積もあり、人も住んでおられる中で、高槻より茨木のほうに行ったほうが便利だと思いますが、高齢者パスが無料だから市営バスを使っているのか、それとも、それ以外の利用があるのか、ヒアリング等で明らかにできたらいいと思います。

それと、駅からは重複路線が多いので、車庫前の停留所で乗り換えて、もう少し効率的な運行をしたいと思うのですが、この路線は、平日と土休日の高齢者パスの割合の差が激しいのが特徴です。ということは、平日は一定程度、阪急やJRの高槻駅から、南のほうに移動される需要もあるので、その方々は乗り換えを嫌がるかもしれません。通勤時間帯の朝・夕は直通運行するけれども、平日昼間と土休日は乗り換えにする等、柔軟に考えていくことで少しは効率化できるとは思います。

3つ目は、芝生住宅と富田の辺りの路線についてです。各路線の乗降客数を見てみると、同じバス停なのに、差が激しい所が多いのです。おそらく地元の方々は、路線や系統を見て、うまいこと使い分けていて、行きと帰りが同じ路線や系統ではないこともあると思います。

地元の方は熟知して使われているとは思いますが、中にはこの路線図を見て、何が何だかわからなくなる方々もおられるので、もう少し路線の整理はしていったほうがいいとは思います。路線の整理がしにくければ、バス自体の行き先の表示方法を工夫することで、少しは単純化できる気はします。バス停の場所が、芝生住宅東口からいろんな路線が出ていますが、バス停が分散していて、私も一見して、わかりづらいと感じました。わかりやすく整理をした上で、経路を考えていかなければならないとは思います。

4つ目は、最初に出てきた、山間3路線についてです。利用者の大半の方々は、市街地への利用で収まっていて、山間への利用はほとんどありません。人口が少ないという理由があるのは重々承知していますが、人口当たりの利用者数を見ると、果たして本当に地元の方々が公共交通を望まれているのかどうか、根本的な話から検討されたほうがいいと思います。

しかし、廃止すると言えば、地元は嫌だと怒るとは思います。自分は乗らないけれども、路線は維持してほしいというのが本音です。ただ、公共交通というのは、乗り合うことで公共性が維持できるわけです。公共交通なら、自分は乗らなくてもバスを動かせという話とは真逆で、みんなで乗り合う、今の市営バスの形態が望ましいわけです。もう一度、根本的なところから検討した上で、それでも乗り合う人が少なければ、別の手段に転換していかないと、早晩、バス事業は立ち行かなくなると思います。

単に小型車両にするという話ではなく、もっとドラスティックに地元がある程度の負担をすることで、しかるべき方法が出てくると思います。なぜかと言うと、今の交通政策基本法が、地元の人たちにも公共交通を維持する責任があるとうたっているからです。今までみたいに、行政と運行事業者任せで走らせてくれという時代ではなくなっていて、地元もしっかりと考えなければならないと、国から決められているわけです。

これを機会に、もう少し地元の方々と本当に必要なのか、ヒアリングをしていったほうがいいと思います。ただ、使わない人たちの理由を聞いた際、「本数が少ない」「運賃が高い」「行きたいときに来ない」等の意見であれば、それなら、マイカーで移動してもらってもいいと思います。1日3便のバスでも、各自が時間を合わせて、行って帰ってくるだけなので、それに合わせられるなら、バスを運行すればいいのです。その5分、10分が待てないようであれば、もはや別の方法で行ってくださいというようにしていかないと、今のままの便数を維持しても、誰も乗らないという結果になると思います。

他地域でも、実際、週に2日、1日3往復しか走らない自治体もありますが、それでも乗っておられる方がおられるのです。利用者にヒアリングをすると、「行って帰って来るだけなので、現状のままでいい」「帰りにバスを1時間待つのは、全然構わない。待てる場所があればいい」と答えておられます。

実際、高槻駅の周辺は、そもそも家に帰りたくなくなるような素敵なお店がたくさんある場所なのです。それくらい、昼間にもバスを待てる場所があるので、むしろ、バスの待ち方、使いこなし方を地元の方々と話し合いながら、今後、どうしていったらいいのかといった方向で捉えていったほうがいいと感じています。

事務局

A委員が言われたことは、事務局で常日頃、感じていることと非常に合致しております。A委員をはじめ、委員の皆様のご提言を踏まえて、検討を進めてまいりたいと思います。

会長

今日の議論を踏まえて、各重点課題路線の最後にある、「今後の見直しの方向性(案)」の黄色の空欄が取りまとめられるくらい、いろいろなご意見等を賜り、本当にありがとうございます。

3.その他

○会長

議題の3につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。

事務局

(事務局より資料5〔審議会 全体スケジュール〕の説明がなされた。)

会長

以上で、本日の案件はすべて終了いたしました。委員の皆様、あるいは、事務局から何か追加等、お伝えしたいこと等はございませんか。よろしいでしょうか。

では、議論も佳境に入ってまいりましたが、非常に細かいデータをご用意いただき、いろいろなアイデアも出てきたところです。次回以降も、同様に議論を進めて、最終的な答申書に反映させる方向で進めてまいりたいと思います。引き続き、皆様にはご協力のほど、よろしくお願いいたします。以上をもって、令和元年度 第3回高槻市自動車運送事業審議会を閉会とさせていただきます。

配布資料

【資料-1】第3回審議会議事次第[PDF:39KB]

【資料-2】前回審議会の確認事項[PDF:96.3KB]

【資料-3】路線別カルテ[PDF:5.72MB]

【資料-4】課題路線図[PDF:3.67MB]

【資料-5】審議会全体スケジュール[PDF:78.4KB]

【参考資料】路線図[PDF:857KB]

お問い合わせ

高槻市 交通部 総務企画課
住所:〒569-0823 大阪府高槻市芝生町四丁目3-1
TEL:072-677-3507
FAX:072-677-3516

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