平成26年度 第7回高槻市公営企業審議会

更新日 2019.02.12

会議の概要

会議の名称 高槻市公営企業審議会
会議の開催日時 平成26年10月17日(金曜日)
10時00分から12時00分まで
会議の開催場所 市役所 本館2階 全員協議会室
出席委員 8名
議題
  1. 前回の質疑に対する回答
  2. 第1回~第6回の中間まとめについて
  3. その他
主な審議内容 別紙のとおり
資料名
  1. 高槻市と京阪神ブロック社局との生産性に関する比較資料
  2. 高槻市公営企業審議会 事務局説明まとめ
  3. 高槻市公営企業審議会 委員意見中間まとめ
担当課 交通部 企画運輸課

 

(別紙)

審議会開始

○会長

 おはようございます。

 ただいまから平成26年度第7回高槻市公営企業審議会を開催させていただきます。

 それでは、まず傍聴希望者の方に入室をお願いいたします。

(傍聴希望者入室)

○会長

それでは、初めに事務局から、資料の確認と議事録の確認について御説明をお願いいたします。

<配布資料の説明>

 (事務局より配布資料と前回審議会の会議録について説明がなされた)

 

○会長

 それでは、本日の審議に入ってまいります。

 まず、事務局から、前回の審議会で質問があった点について、御説明お願いいたします。

○事務局

 では、前回御質問のあった点について、御説明をいたします。

 まず、資料1をご覧ください。

 前回の審議会で、生産性に関するデータについてお問い合わせがありましたので、資料を御用意させていただきました。これは、高槻市と京阪神ブロックのバス社局との生産性に関する比較資料ということで、定量的なデータをまとめさせていただきました。これは、国土交通省の調査結果から数値をピックアップして作成したものです。数値は、平成24年度のものです。

 表の内容についてですが、縦軸に、「高槻市」、「民営の平均」、「公営の平均」、そして「民営公営の平均」の四つに分類し、横軸に「従業員の一人1カ月当たりの営業収入」、「従業員一人1カ月当たり実車走行キロ」、「実働1日1車当たり実車走行キロ」の三つに分類をしております。

 「従業員一人1カ月当たり営業収入」につきましては、高槻市は136万7,292円、民営の平均は109万5,966円、公営の平均は171万6,833円、民営公営の平均は134万9,391円となっており、高槻市は民営平均よりも稼いでいるが、公営平均よりも稼げていないという状況です。意外な結果かもしれませんが、民営に比べて公営の営業収入額が大きくなっているという結果が出ております。

 これは、表の下の※1に記載のとおり、子会社等に運行の委託を行っている場合、その子会社等の従業員数は、上の表の数値算出の基礎から外れてしまうこと、また子会社等の営業収入は親会社の収入として算出基礎に入るためだと考えております。

 次に、従業員一人1カ月当たり実車走行キロにつきましては、高槻市は1,856.1キロ、民営平均は2,289.6キロ、公営平均は2,780キロ、そして民営と公営の平均は2,489.8キロとなっております。こちらも、※2に記載のとおり、※1と同様、子会社等に運行委託を行っている場合、実車走行キロは親会社の走行キロとして算出基礎に入れられるため、見かけ上、従業員一人1カ月当たり実車走行キロは、公営が大きくなっています。

 次に、実働1日1車当たり実車走行キロにつきましては、高槻市は88.9キロ、民営平均は124.3キロ、公営の平均は108.4キロ、民営公営の平均は116.5キロとなっており、高槻市は民営、公営よりも実車走行キロは少ないということがわかります。

 次に、従業員一人1カ月当たり、そして実働1日1車当たりの実車走行キロにつきましては、民営平均や公営平均と比較しても少なくなっています。その理由としては、高槻の道路事情が良くなく、渋滞になりがちで、実車走行距離を延ばすことが難しいという交通条件による制約と朝の通勤・通学の利用者を住宅地から駅に向かって輸送する大量の片道輸送という運行方法をとらざるを得ないため、営業所から住宅地まで回送車両を走らせなければならないという地形的な制約の二つが主な原因だと考えております。

 また、他社局と比較しますと、高槻市は駅から放射線状へ路線が延びておりますが、京都市や大阪市はそうではなく、面的な運行形態となっており、高槻市よりも実車走行キロが延びる傾向にあると考えております。

 このように、算出基礎が統一されておらず、他社との単純な比較は困難であると考えております。ただ、路線・ダイヤ・仕業を今以上に効率化することで、また増収の努力を継続して、従業員一人1カ月当たりの営業収入を向上させるような努力は継続する必要があると考えております。そのメルクマールとして、自社の対前年度比較の資料ということで、どれだけ生産性を上げることができているか、引き続き上げる努力をしているかという、判断の指標としてこの資料は活用できるのではないかと考えております。

 資料1につきましては、以上でございます。

○会長

 それでは、委員の皆様から、御意見を出していただければと思います。

○A委員

 資料には、従業員と記載されていますが、乗務員という言い方が正確な表現ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○事務局

 この表現は、国土交通省の資料の表現をそのまま使っております。また、乗務員以外の職員も含まれていますので、従業員と記載しております。

○B委員

 前回提出いただいた経費構造の資料と今回の資料を拝見すると、事務局から説明がありましたように単純な他社との比較は難しいと思いますが、現在の高槻市営バスの現状は、高賃金の高コスト構造・低生産性であることは確かであります。現状レベルをしっかり認識しそれを変えて行く事が必要です。ただ単に、今年はこうでしたから来年はこれを改善するために努力をします、と言うような定性的なものだけでは不十分です。数値と具体性が必要です。

○事務局

 効率化につきましては、努力をしていかなければならないと考えております。

○B委員

 管理者にお伺いしたいのですが、これまでの経営指標の資料をご覧になられて現状についてどのような認識をお持ちでしょうか。以前の審議会の中で効率化の努力はしているが変えなければならないという強い必要性は感じていないというようなニュアンスのご発言であったように受け止めておりますが。

○管理者

 前にお話ししたときに、改善が必要ではないということを言ったつもりはございません。さまざまな理由があって、高コスト構造になっています。これは恐らく高槻市だけではなく、公営企業全般がそのような状態になっているのだと思いますが、それがいいというわけではないと考えています。高コスト構造を改善していくことが必要だと思います。

 私が、1年半で一番感じていることは、時間外勤務が非常に多いということです。今、公表されている乗務員一人当たり総年収は、時間外手当を含んで計算されるべきですが、その実態が明らかにされておりません。高槻市交通部はそれを含めて計算しておりますが、他社がどのように計算されているかがわかりません。

 恐らくB委員がおっしゃっているのは、職員1人当たりの収入がかなり高くなっているという御指摘だと思いますが、必ずしもそうではないと思っています。ただ、民間に比べて高いということは事実です。これについては、何らかの対応をして改善していく必要があると思っていますが、それ以前に、妥当な時間外勤務の範囲内で現在の仕業をこなすことができるようにしていく必要があると思っています。

 これまで、ダイヤが増えたときに人員を増やしていない時期もありました。そのことが現在の状況になった要因だと思っています。

 また、これまでお出ししている一部の資料については、各会社で数値の算出基準がまちまちなものがあります。例えば、回送の走行距離について、これは高槻市営バスでは実車走行距離から除いてありますが、それを計算に入れている会社もあると聞いていますので、公表されている数値をそのままうのみにすることは、できないのではないかと思っています。

 そういうことを考えながら、B委員がおっしゃるとおり、どのようにコスト構造を改善していくかについて努力させていただきたいと思っています。

 以上でございます。

○B委員

 前回や今回の資料の数値を見ますと、これを単純に比較はしないとしても、少なくとも国土交通省という国の機関が集計した数値で、高槻市バスの運行原価としての実車走行キロ当たり人件費が539円で他の公営が委託費と合算しても425円程度です。この数値は厳しく認識しなければいけないのではないかと申し上げておるのです。しかしこれは単純に比較すべき数値ではないという言葉で終わっておりますが、これについては如何でしょうか。

○管理者

 申し上げた言葉が説明不足になっているようでしたらお詫びします。データとして斟酌すべきではないと思っているわけではありません。バス事業者として、どう利益を出していくかを考えたときに、一番大きな費用は人件費になっています。約70%近い人件費率となっています。その人件費の構造は一体どうなっているのか、ある民営バスの方にお聞ききしたり、また私たちが手に入れることができるさまざまなデータを確認したりしますと、見れば見るほど一体何が人件費として計上されていて、何が計上されていないのかわからない状態になっています。そのことを今申し上げたわけです。ただおそらく、年収ベースで考えると、時間外手当を計上するか否かが大きな要因になっているように思えます。これを無視して数字を比較するのは控えたいと思います。しかしながら、一般的にコスト構造が高いということに対して、どうしていくかは考えなければなりません。給料を下げれば解決するのかもしれませんが、そう簡単なことでもないと考えています。

 そこは非常に悩ましいところで、B委員がおっしゃるように、そのデータは無視しているのではないかと言われてしまいますと、困ってしまいます。私としましては、そのようなつもりで申し上げたわけではないということだけ、御理解いただきたいと思います。

○B委員

 時間外手当が多いから給与が高くなるというご説明ですが、確かにそうかも知れません。しかし、実働1日1車当たり実車走行キロは88.9キロですが、この低い数値を上げて行けば少ない人員で足ります。また勤務のあり方ですが、仕業、輪番表、ダイヤなどの見直しも必要です。以前も申し上げましたが、ある路線では、1時間に25本のバスが運行され利用者もそれぞれ定員程度です。

 利用者にとっては便利ですがコスト面を考えますとこれが適切かどうか疑問です。このような点もしっかりと見直した上でも時間外手当で対応せざるを得ないのかどうかを検証すべきだと思います。現在、時間外手当が多くなっている原因を検証中であるとのご説明でしたので、ぜひ勤務やダイヤなどについても他社等と比較してどうなのかも含めて検証して頂きたいと思います。

○管理者

 時間外手当の問題は稼働の問題だと思っています。つまり、運転士の正規の労働時間に加えてプラスアルファで勤務してもらうものが時間外であって、これは125%や135%など基本給に加えて付加がつくことになります。B委員がおっしゃっているのは、現在のダイヤなどに無駄があるのではないかということですが、それについては、現在、改善に向けて取り組んでおります。

 もちろん地元との関連もありますから、それを斟酌しながら妥当な乗車率で利用者に不便をかけないよう、そして運行間隔についても工夫をしなければなりません。また、各鉄道の新快速や特急などとの連絡は、特に意識していく必要があると思っています。このような取り組みを実施しないということではなくて、いろいろな制約条件のなかで、どう取り組んでいくか、当然、不便になると利用者からもうバスなんて要らないといわれてしまう、そういう危険性もあるわけです。その妥当なところでダイヤや勤務などを決めていかなければなりません。そのようなことを全て実施して、B委員がおっしゃっているような経営の効率化ということをしなければならないと思っています。ただ、一番つらいのは人件費比率が70%ありますから、効率化を考える上で、ほとんどが稼働に関連する費用ということになりますので、それをどうコントロールするかというところが悩ましいなと思っています。

○B委員

 ほかの議論があると思いますので、最後に一つお伺いしたいのですが、今の状態について悩ましいところだという言葉で終わっていますが、そうではなくて、今よりもさらに経費効率上げて、市民のサービスも適切となるように努力されるということでよろしいですね。

○管理者

 御指摘のとおりです。効率化とサービスどっちか一方に偏ってしまってはいけません。経費効率を上げる方法はいろいろあります。端的にいえば、ダイヤを切り、路線も切りとしてしまえば可能なのですが、そうしますと、市民サービスが落ちてしまいます。それをどう計画していくか考えることが私たちの責任だと思っていますし、それを実行するのが私たちの責務だと思っています。

 そこを一面だけで捉えて、「何も考えていない」と言われてしまうと、大変残念です。

 以上です。

○会長

 それでは、次の議題に参りたいと思います。

 今回は7回目の審議会になりますが、1回目から6回目までの中間のまとめについてです。資料は、2-1、2-2の2種類ですが、これまでの審議会の中で議論したうち、事務局からの説明をまとめたものが2-1、委員の皆さんの意見をまとめたものが2-2となっています。会議録をもとに発言を整理したものです。

 まず、2-1につきまして、事務局から概要の説明をしていただきまして、引き続き、2-2の委員の意見についても順次時間をとって議論をしてまいりたいと思います。

 それでは、お願いいたします。

○事務局

 それでは、今後の答申作成に御活用いただくために今までの審議会の内容をまとめさせていただきましたので、御確認をさせていただきます。

 まず、資料2-1ですが、この四角で囲んだ数字は、審議会のどの回で説明したのかをお示ししているものです。

 こちらに記載している内容は、これまで審議会で御説明した内容とほぼ同様のものになっておりますので、主要な部分だけ説明をさせていただきます。

 まず、第1は、審議会への諮問内容となっています。

 読み上げますと、「現在、高槻市営バス事業は、平成23年度を初年度とした経営改善計画に基づき、公営バス事業の意義と役割を踏まえ、市民の皆さんに支持され必要とされる高槻市営バスを目指して事業運営に努めてきた。

 しかしながら、人口減少や生産年齢人口の減少・老年人口の増加などの人口構造の変化、さらには原油価格の再上昇の懸念など、依然として外部環境は厳しい状況にある。

 そして、事業経営の根幹となる乗合バスの運送収益も小幅ながら減少傾向にあるなど、先行きが見通せない経営状況が続いている。

 ついては、こうした厳しい経営環境を踏まえ、地域住民の移動手段を確保するため、都市基盤としての機能を担う市営バスの今後の事業経営のあり方について諮問する」という諮問内容でございました。

 その次の項目第2は、高槻市営バス事業の現状についてです。

 項目1では、「市営バス経営改善計画」及び「市営バス改革実施計画」の推進というところで、記載されている計画の取り組みを推進しているところであると表現させていただいております。

 そして、項目2では、事業の現況について記載しています。(1)輸送状況(輸送人員数・券種別内訳)では、昭和50年度をピークに減少を続けている。平成5年度から8年度までは、宗教団体施設や大学の新設に伴う輸送増により一時期若干回復傾向にあった。しかし、その後の微減傾向を経て、現在はほぼ横ばいの状況となっている。しかし、輸送人員の券種の内訳としては、市の人口の高齢化に伴い、回数券・現金の利用者が逓減し、無料乗車証の利用者が逓増している。すなわち、乗客数は横ばいだが、その中身は有償乗客者数の減と無償乗客者数の増となっており、今後の収支状況を考える上での厳しい課題となっていると記載しております。

 次に(2)運賃施策では、平成26年度に消費税の増税に伴う運賃改定を行った。また、平成25年度及び26年度には、夏休み期間中に、市バスでぶらり小学生無料キャンペーンを実施して、市営バスの将来顧客である小学生のバスの利用促進に努めたという内容を記載しています。

 次に(3)乗客サービス(接遇・安全運転研修・快適な停留所)では、乗客サービスについては、「市営バスお客さまとの3つのお約束」を車内に掲示し、接遇向上に取り組んだ。乗客アンケートや職員モニターで取り組みの成果を把握した。安全運転研修についても定期的に実施した。標識柱や上屋の補修など必要に応じて実施し、快適なバス待ち環境の実現に努めたという内容を記載しております。

 次に(4)経営状況についてでは、厳しい経営環境の中ではあるが、平成9年度以降、黒字基調の経営を行ってきた。この結果、平成25年度決算の純利益は1億9,169万8,000円となり、全国公営バス事業者の中でも、収支均衡のとれた財政状況を維持しているという内容を記載しています。

 次に(5)人員体制の状況についてでは、人員体制については、乗務員の確保が大きな課題であるが、大型二種免許の保持者、特に若手の保持者が減少しており、本市交通部のみならず全国的にバス運転者の確保が困難となっていると記載しております。

 そして、項目3では、高槻市における公共交通の意義について記載しています。

 まず、(1)では、南北に広がる住宅都市、住宅と駅の間の不可欠な移動手段である。高槻市は住宅都市としての発展を遂げてきた。このため、市営バスは、鉄道駅と住宅地を放射線状に結ぶ重要な輸送手段として、路線を整備・拡充してきた。特に、JR京都線を境として、北部地域が丘陵地であるため、バス交通が非常に重要であると記載しています。

 そして、(2)では、公共交通はまちづくりに不可欠な要素であり、豊かで快適な生活を営む上で欠くことができない重要なインフラであると記載しています。

 そして、(3)では、市営バスは市域のほぼ全域を運行と、市域全体の安定的なバスネットワークサービスを実現していると記載しています。

次に、項目2では、公共交通の担い手・経営形態の分類について記載しています。これは、公営交通事業協会の報告書の中の通説的な分類に従って分類をしています。

 1.は、民営並みの経営効率化に努める「路線維持型」いわゆる直営型で経営の効率化を図るというような経営形態です。

 2.は、路線の一部または全部の運行について別会社に委託する「中間型」、いわゆる管理の受委託という経営形態です。

 3.は、公営バス路線の一部または全部を民営バス事業者に委譲する「路線委譲型」、いわゆる民営化という経営形態です。

 なお書きで、どのような経営形態であっても、効率的な経営を追求すべきと記載しております。

 そして、最後に項目4では、以上を踏まえ、今後の取り組むべき重点課題として、公共負担のあり方について記載しております。

 まず、(1)市営バス事業に対する公共負担の現状というところでは、今の補助制度として大きく二つ、高齢者のための無料乗車証制度と生活交通路線維持事業に伴う補助、いわゆる不採算路線補助がある。高齢化の進行という人口構成の変化により、有償輸送人員が減少するとともに、高齢者無料乗車証の利用者が増加しているにもかかわらず、高齢者の無料化も補助金額が、平成10年度以降固定化されていることが課題である。市の一般会計の財政状況も悪化が予想されるため、生活交通路線維持事業の補助が従前どおり行われないおそれもあるという課題を記載しております。

 そして、(2)今後の公共負担のあり方についてでは、まず(ア)の高齢者無料乗車証制度の部分について、1.検討主体は福祉施策という位置づけで、市の福祉部局を中心に検討すべきである。2.運賃の一部を補助しているという目的から、利用者数の実数把握が課題だ。把握の手法として、例えば無料乗車証をICカード化して、正確な利用者数を集計するという方法が考えられる。

 3.高齢者無料乗車証の交付方法としては、他の公営交通の事業社でもさまざまな手法で取り組んでおり、今度、どのような手法にすべき検討課題である。

 4.現在の無料乗車証は、利用者から自己負担額を徴収していない。他の公営交通事業者の中には、一部自己負担を求めているところもあり、今後の検討課題であると記載しています。

 次に(イ)の生活交通路線維持事業補助金、いわゆる不採算の補助金については、1.市域の交通空白・不便地域解消の観点から行政主体である市は、当該地域について、市民の移動手段の確保を図る必要がある。

 2.一定条件を満たす路線については、市から生活交通路線維持事業に伴う補助金として、市営バスに交付することにより、市民の移動手段の確保を図っている。ただし、今後は市の財政の悪化が予想されるため、縮減の見直しが予想されるところが課題であると記載しております。

 引き続き、資料2-2をご覧ください。

 資料2-2は、これまでの審議会の中で、各委員の皆さんからいただいた御意見をまとめたものです。この資料に、今回の第7回で御意見をいただきまして、内容をさらに充実させたものを第8回で答申素案として再度議論いただく予定です。また、その結果を反映させたものをその第9回で答申案として議論いただきまして、第10回に市長に答申を行う予定でございます。

 項目ごとに事務局からまとめを読み上げさせていただきまして、項目ごとに順次議論いただきたく予定です。 まず全体の項目を確認させていただきます。

 項目1では、安全・安心・快適かつ効率的な輸送サービス網の構築について、項目2では、利用者の需要・ニーズの把握とそれに応えるより魅力的なサービスの供給について、項目3では、まちづくりと連携したバスサービスのあり方について、項目4では、公共負担のあり方について、最後に項目5では、経営基盤の強化についてまとめさせていただいております。

 全体の構成は以上となります。

 では、具体的な内容を確認させていただきます。

 まず、項目1「輸送サービス網の維持」についていただいた御意見としては、現在の1社、市の交通部が市域全体のバスネットワークを構築しているという体制は、今後も維持すべきで、路線ごとに切り売りして、バスネットワークを分断すべきではない。(第3回)

 次に「ダイヤの適正化」については、バスの運行ダイヤは適切か。利用者が受け入れられるサービス水準をどの程度とするか、そしてそれを維持するためにコストがどの程度かかるのかを検討して、利用者数の推移に対応して適正化を図るべきだ。(第3回)

 次に「データの活用」については、時間帯別の利用者数のデータを活用して、利用者が多い時間帯を把握し、それに合わせてダイヤを見直していくことで、効率的な運行ができるのではないか。(第5回)

 項目1では、このような御意見をいただきました。

○会長

 それでは、ここからは今までの議論の内容、議事録を中心に整理したものですけれども、項目ごとに逐次御意見をうかがってまいりたいと思います。

 まず、ここまで、資料2-1、それから2-2の1項目のところまでで、何か御意見、御質問等ありますでしょうか。

○B委員

 この審議会の進め方ですが、今日提示されたこれまでの審議の中間取りまとめについて、この場で各委員が議論することと併せて、今までの議事録などをもう一度確認した上で意見を申し上げることも必要だと思います。これまでの議事録を読みなおすための時間も必要だと思います。

○会長

 次回の審議会は1カ月ほどあきますので、答申の素案をつくる時点で改めて各委員から御意見をうかがい、それを答申の素案に反映させる予定です。議事録についても、第6回案ができておりませんので、次回審議会まで時間がありますので、その間に調整させていただきたいと思います。

○B委員

 中間取りまとめについて、今日この場で意見を申し上げることと、これまでの議事録等を見た上で後日もう一度意見を述べるということでよろしいですね。

○会長

 そうです。

○C委員

 安全・安心・快適ということで、安全の項目が全然記載されていませんが、自分たちで起こしてしまう事故をいかにゼロにしていくかということをまず書くことが必要だと思います。

 また、安心というところに、5ページに記載されている乗務員のサービスのところをこちらに記載してもいいのではないかと思います。

○会長

 安全・安心とよく1つにして使われますが、安全が前提でその上に安心という主観的な部分が実現すると思いますので、安全についても議論があったわけですので、これも盛り込みたいと思います。

○事務局

 先ほどの審議の進め方ですが、今日いただいた意見を取り急ぎまとめさせていただいて、委員の皆さんに送付させていただきます。そこでまた意見をいただいて、それを反映させたものを次の審議会で御提示したいと思っております。そうしますと、お持ち帰りいただいた議事録を見ながら御確認いただけると思いますので、審議会の場とは別になってしまい恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

○会長

 1の項目につきましては、よろしいですか。

 では、続きまして、項目2です。利用者の需要・ニーズの把握とそれに応える魅力的なサービスの供給、こちらについての議論へ参りたいと思います。

 では、こちらも事務局からお願いいたします。

○事務局

 では、続いて項目2利用者の需要・ニーズの把握とそれに応えるより魅力的なサービスの供給でございます。

 まず、「運行ルート」についていただいた御意見としては、今は鉄道駅まで行って乗りかえる必要がある方面があるが、現行の路線をまたぐような路線を検討して、乗り継ぎの利便性を高めてはどうか。(第2回)

同じく運行ルートの項目の中では、地域内を循環するバスの運行を検討してはどうか。(第2回)

 次に「遅延の解消」については、遅れをなくすことがバスという商品の品質向上につながる。(第6回)

遅延したとしても、なぜ遅れたのかを運転士から明らかにすれば、乗客の不満は解消される。(第6回)

バスロケーションシステムを取り入れ、バスの遅延情報などのデータを収集し、ダイヤ改善に取り組むべきだ。バスの遅延がなくなれば、不満が解消される。(第6回)

 次に、「顧客層に応じたサービスの検討」については、顧客を絞り込んで、顧客層に応じた必要なサービスを取り入れていくのはどうか。現在は、高齢者無料乗車証が配布されているが、他の客層に対して同様のサービスを実施した場合、どの程度の効果があるのかを検証してみてはどうか。(第5・6回)

 若者や子育て世代に乗ってもらえる施策を実施していくべきだ。(第3回)

 初めて高槻市営バスを利用する人にとって、バスの乗り方の案内が不足している。公共交通なのだから「一見さんお断り」のサービスにしてはいけない。転入者向けの「バスの利用ガイド」は、有効な手段なので継続して情報発信をしていくべきだ。(第6回)

 鉄道駅からバスの停留所に誘導するサインなど、初めての来訪者のための情報を充実させるべきではないか。(第6回)

 目先の利益に固執せず、利用者のニーズに応じたお得になる乗車券情報を積極的にPRすることが、結果として利用者増につながる。(第6回)

 「小学生無料キャンペーン」や「バスの乗り方教室」は、ふだんバスを利用することが少ない小学生にバスに乗る機会をつくることができるいい施策だ。子供のころからバスに乗る抵抗を減らすことができれば、将来の利用者増につながる。(第5回)

 中高生向けに夏休み期間の安い定期券を発売すれば、バスを利用するよい機会となり、学校が始まってからも自転車からバスに転換する動機づけになる。(第6回)

 輸送量のピークは朝夕の通勤・通学時間帯、例えば朝なら7時、8時台にあるがそこをずらした時間帯の9時、10時に高齢者の利用が増加している。便数を調整するなどして、この状況に対応する必要性がある。(第5回)

 項目2といたしましては、以上のような御意見をいただいています。

○会長

 では、この項目につきましての御意見、あるいは内容の御確認等よろしくお願いいたします。

○C委員

 まず、運行ルートの項目ですが、現行路線をまたぐような路線を検討と記載がありますが、新しい路線をまたぐ路線を検討する以外にも、例えば乗り継ぎ後に、大阪市の市営バスではたしか90分以内に次のバスに乗り継げば、その乗り継いだほうのバス運賃が無料になるという乗り継ぎ制度があります。新しい路線以外にそういったものも検討してはどうかとつけ加えたほうがいいのではないかと思いました。

○A委員

 顧客層に応じたサービス検討のところですが、ピーク時間帯は、無料乗車証をもらっている人は、乗車していないように書いておりますが、病院が8時ごろに受付が始まりますので、早く行って待つ人や診察券を出して家に帰るという人もいますので、乗車していないわけではありませんので、修正が必要かと思います。

○C委員

 この項目をつくるに当たって、公共交通が派生需要であるということを念頭に置いて、まずは、需要と供給を合わせていくという話と、どうやって需要を発生させていくかという2点を記載し、その上で、今の需給に合わせることがどういうことなのか、需要を発生させるにはどうしたらいいかという整理をするとわかりやすくなるのではないかと思います。

 次に、ニーズについては、誰のニーズに応えていくことが優先されるのかということを考えなければいけません。無料で乗っている人のニーズと、毎日定期券を使っている人のニーズと、月1回使っている人のニーズは違います。これから、どうやって経営基盤を高めていくかということを考えたときに、やはり金を払っている人から意見を聞いて、それに合わせて収益をあげていくしかないのではないと思います。

 例えば、定期券使っていて毎日乗っているのに、自分の通勤の時間にはうまく合わないというニーズもあるでしょうし、月に一回だから乗り換え制度があれば便利だと思う人もいるでしょうし、1日乗車券を持っている人は、乗り換えが面倒なので、乗り換えなくてもいいようにして欲しいと思う人もいると思います。それは、全部正しいのですが、どのニーズに応えていくことがこれからの公営交通を維持していくのに重要なのかということを考えていかなければ収集がつかなくなるのではないかと思います。

 先ほど運行ルートに関するお話で、現行路線をまたぐような路線の検討とありましたが、検討はしたらいいと思うのですが、実際に乗るのかというとどうかと思います。また、循環するバスの運行を検討すべきとありますが、なぜ循環するのかということを考えなければ失敗すると思います。循環するバスのメリットというのは、その回っていく間にお客さんが何回転もするからです。例えば、観光であれば、観光客が乗って、おりて、乗ってとするから循環で運行する意味があります。そう考えますと、高槻の場合はどうなのだろうということを考えないと、ただ単に循環バスを走らせてもうまくいかないだろうと想定されます。

○会長

 議事録から整理をしているということで、別々の回で議論したものが1つにまとまっていますので、これで並べるとどうしても総花的に見えるところもあると思います。実際に、答申書を作成していくに当たっては、どこに重点を置くのか、明確にしていかなければいけない点もありますし、両論併記が望ましい場合もありますが、その場合もどういった理由で両論併記しているのかを明らかにしていく必要があると思います。文章として読んで、大きな矛盾がないように努めていこうと考えております。

 ほか、いかがでしょうか。

 時間もちょうど真ん中まで参りましたので、5分ほど休憩をとって、この後の議論に備えようと思います。

 それでは、11時10分から議論を再開したいと思います。

(休 憩)

○会長

 時間が参りましたので、3のまちづくりと連携したバスサービスのあり方について以降の議論を進めてまいりたいと思います。

 それでは、こちらにつきましても、まず事務局から説明をお願いいたします。

○事務局

 では、項目3の説明させていただきます。 項目3につきましては、タイトル、項目立てだけの御紹介ということで進めさせていただきます。

 項目は上から順に、「まちづくり・交通政策との連携」、「新名神高速道路の供用開始との連携」、「観光との連携」、「子育て支援との連携」、「市全体での連携」、

 以上、まちづくりと連携したバスサービスのあり方についての項目でございます。

○会長

 個別の項目につきましては、資料をお読みいただいて御確認いただければと思います。

 休憩前のところと重なっている内容もございます。何か御意見があれば、よろしくお願いいたします。

○C委員

 まちづくりと連携したバスサービスのあり方についてのところか、別項目でつくるかは、今後の話し合いたいと思いますが、前段階として外部環境についてという枠を作るべきではないかと思います。

 外部環境といっても二つありまして、一つは、これから高槻市がどうなっていくかという予測です。例えば、今後人口はそんなに増加していかない。すると、バスの需要が余り出てこなくなり、収支予測も以前の資料よりも少し厳しくなるのではないかという予測ができます。

 そういうことを踏まえた上で、こういうまちにしたいという理想を書いた上で、それを達成するためには、これからバスがどう経営基盤を強化してやっていくかという話のほうがいいのではないかと思います。

 もう一つの外部環境が、交通施策の基本法がもう実施されるだろうという中で、その基本法に応じて、どんなことが要求されるのかということを踏まえた上で、その基本法に対してどう応えていかなければいけないのかというところが出てくると思います。特に沿線住民からの参加が求められる内容になっていますので、それを踏まえてどうまちづくりと連携して経営を行っていかなければならないのかという議論が必要になると思います。

 これからどう政策を行っていくかという部分に力点を置いていくべきだと思います。

 以上です。

○D委員

 この項目の順番立てですけれども、一番目が、安全・安心、2番目が、利用者の需要ニーズという順番になっています。先ほどの3番目の項目が、戦略の内容であるならば、それを受けての戦術として2番目の利用者の利用ニーズ把握と、それに応えるより魅力的なサービスの供給ではないかと思います。そういうふうに項目立てたほうがよりすっきりするのではないかと思いますが、この順番はどのように決められているのでしょうか。

○事務局

 項目立てにつきましては、総論的なところから各論的なところというように、概念の大きさによって分類しております。今、おっしゃっていただいたように、戦略があって戦術という順番にするほうが、つながりがいいと思いますので、御意見を反映した形で修正させていただこうと思います。

○会長

 先ほどC委員が提案された話ですが、私も以前、C委員と一緒に都市計画マスタープランの検討にかかわらせていただきました。そこでも、人口の将来像の話があったと思います。ただ、そこでは横ばいという予測が出ていたのが印象に残っていますが、実際は、先ほどC委員がおっしゃられたように、市営バスの沿線の人口は減少傾向になるのではないかという感じがいたしますので、このあたりをその外部環境、内部環境の整理と合わせて盛り込んでいく必要があると思います。

 では、続きまして、4の公共負担のあり方についてです。事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局

 では、4の公共負担のあり方について説明をさせていただきます。

 まず、「総論」として、補助制度がなくてもバス事業を継続できるようにすべきだ。(第3回)

 「補助金制度全般について一般会計による負担の位置づけ」として、高齢者無料乗車証制度に係る補助金も生活交通路線維持事業にかかる補助金も制度の必要性や適切な評価を行った上で、補助金ではなく負担金という位置づけにすべき。(第5回)

 「補助金制度全般について市の財政との関係」として、今後、市の財政が逼迫していくと予想される中、どこに税金を投入するかが重要であり、市の施策展開の中で、交通政策も考えていくべきだ。(第2回)

 市の財政について、どこに税金を投入すべきか優先順位をつけることも重要だが、優先順位が低いものでは、行政として費用負担すべき施策であれば、費用をかけていくという考え方もあるのではないか。(第4回)

 市の政策として補助金を受けて、黒字経営を維持しているが、バス事業者として効率的な経営を目指し、補助金を減らす努力を継続していくべきだ。(第4回)

 「高齢者無料乗車制度について福祉施策とバス事業との整理」として、バス事業と市の福祉政策を分けて考えることが重要だ。仮に、高齢者無料乗車証制度とそれに伴う補助金がなくなったとしても、バス事業を自立経営していくためにはどのようにすればよいのかを考えるべきだ。(第3回)

 市の福祉施策として高齢者無料乗車制度があるならば、市営バスに限って補助を与えるということにはならない。タクシーなど別の形態での移動手段に対しての補助を検討するということも大切だ。(第3回)

 「高齢者無料乗車制度について市の財政との関係」として、高齢者無料乗車制度の効果については、利用人数だけでなく、例えば、健康が増進される、医療費が削減されるなどのメリットを数値で示すことが必要ではないか。(第3回)

 高齢者無料乗車制度については、年間6億円が一般会計から高槻市自動車運送事業に繰り入れられているが、市の実施する施策に優先順位をつけて、行政としてすべき「子育て、教育、介護、医療、環境、まちづくり」などに注力すべきではないか。(第3回)

 市の人口をふやして、担税人口を増加させなければ、高齢者無料乗車制度を維持することは難しいのではないか。早急な検討が必要だ。(第3回)

 「高齢者無料乗車制度について交通部の方針」として、無料乗車証を廃止するに当たっては、廃止の理由の本質について議論をしていくべき。福祉部門との協議も必要だが、高槻市市営バスがこうありたい、こうあるためには無料乗車証を廃止して、別にどのような施策をしたいのかということを考え、提案していくべき。例えば、将来的に利用者をふやすため、そして将来高槻市に税金を納めてくれる子供たちのために、子供の運賃を無料にする施策にお金を使わせてほしいという提案をすれば高齢者も納得がいく。(第5回)

 実際にどの程度の高齢者が高槻市営バスを利用しているのか路線ごとに把握すべきだ。また、それに基づいて補助金が決められるべきではないか。(第3回)

 高齢者無料乗車制度の問題を議論する上で、利用者の実数把握は重要だ。(第3回)

 高齢者優遇措置制度については、全国でさまざまな手法で実施されているが、高槻市として理想的な手法は何かについて研究していく必要がある。(第3回)

 高齢者無料乗車証制度については、無料を継続していくのか、または一定の負担を求めるのか検討が必要だ。(第3回)

 年金の受給年齢も引き上げられていることから、高齢者無料乗車証制度は継続していくべきだ。(第4回)

 高齢者無料乗車証制度については、70歳以上の方に全員配布するのではなく、申告制にして手数料を幾らかいただくという方法はどうか。(第4回)

 「生活交通路線維持事業制度について市の財政との関係」として、今後、市の財政が逼迫していくと予想される中、生活交通路線維持事業として受け取っている補助金の縮減も考えられる。また、単に補助金を受け取るだけではなく、事業者の営業努力がインセンティブになるような補助制度へ変更を検討してはどうか。(第2回)

 「生活交通路線維持事業制度について交通部の取り組み」として、生活交通路線維持補助路線については、もっと住民の方に乗っていただけるよう経営努力を行うべきだ。具体的には、潜在需要を把握する方法について検討すべきだ。(第4回)

 補助が出ている赤字路線(生活交通路線)の周辺住民には、バスの運行維持のために補助金が出ていることを周知すべきだ。(第4回)

 以上の御意見をいただいております。

○B委員

 全体の構成についてですが、先ず、周囲環境も含めて現状がどうであるかということを記載し、次にどういう方向を目指して行くか、そして、それに対しての方針や施策について記述するのが良いのではないかと思います。全体の構成について議論をして頂きたいと思います。

 また、4の「公共負担のあり方についいて」は全体のボリュームからみても多過ぎるし少し書き過ぎではないかと思います。審議会で色々な意見があったところではありますが基本的には市の施策でありますからこれほどまでに多くを記載する必要はないと思います。現状と他の市町村の動向、そして今後どのような方向が考えられるかという点を取り上げたらよいのではないかと思います。

 現状と他の市町村の動向、そして今後どのような方向が考えられるのかという部分を大きく取り上げたらいいのではないかと思います。

○A委員

 4のところですが、委員の中で無料乗車証をもらわれている方が少ないと思いますので、その中で、無料乗車証の話をしますと、どうしても廃止や一部負担という意見が多くなってしまうかもしれませんが、そういった意見だけではないということを意見として言わせていただきたいと思います。

○C委員

 この審議会は、都市基盤としての機能を担う市営バスが今後の事業経営のあり方について諮問されていますので、その中で、総論のところが一番の主題になるのではないかと思います。補助制度がなくてもバス事業を継続できるようにすべきだというのに対して、どうやっていくかというところで経営効率上げるなどの話になるのかと思いますが、これが一番の主題になるのではないかと思います。

○会長

 公営企業も本来は独立採算が原則ということになっておりますが、民営でも補助をもらっている事業者もありますし、そうでない事業者もあります。補助金依存にならない、そこを目指すというのは、日本の交通事業全体の伝統と思いますが、海外では、補助金をもらうのは当たり前でして、民間企業が鉄道を走らせたり、バスを動かしたりしているということは、海外では信じられないと思われるようです。

 補助制度がなく、独立でやっていったほうが経営の自立性が保てる部分、あるいは企業性を発揮できる部分があるかと思います。

 それでは、続きまして、5の経営基盤の強化に参りたいと思います。

 こちらにつきましても、まずは、事務局から説明をいただければと思います。

○事務局

 では、項目5の経営基盤の強化について説明いたします。

 (1)経営基盤の強化、人員体制の充実というところで、まず「収支予測について」として、将来収支を予測するに当たっては、過去のトレンドを前提として見通しを立て、計画策定に当たっては、特殊な増減要素を加味した上で、ある程度の幅を持った将来収支予測に基づくものとすべきだ。(第6回)

 「公共性と効率性」として、今後の事業運営については、公共交通の利用促進策や活用策だけではなく、効率的な事業運営や公共交通機関としての公共性と採算性についても考えていくべきだ。(第2回)

 「効率性・生産性の追求」として、公営企業であるならば、行政支出をいかに効率的に使うかを考えなければならない。他の公営交通事業者が委託や移管、廃止などの選択をしているのは、行政サービス全体の中で施策に優先順位をつけた結果だと思う。(第2回)

 バスを運行すること自体は、民間企業でも可能だ。民間企業でできることは、民間並みの効率性が求められる。できないようであれば、なぜできないのか検討していくべきだ。(第6回)

単に給与の多寡を論じるのではなく、給与と生産性とを勘案することが重要だ。(第6回)

 「観光客の利用の促進」として、通勤客だけでなく、観光客(新規のお客様)の取り込みを図り、収入増につなげていくべきだ。ただし、観光に関する施策を実施するに当たっては、コストがどの程度となるか、またメリット・デメリットなどを検証した上で実行すべきだ。(第6回)

 「人員確保について」として、人員確保をしなければ、時間外勤務など今の職員の負担が過大過ぎるのではないか。(第4回)

人員確保も大切だが、ダイヤ、予備勤務、輪番表、休暇なども見直していくべきだ。(第4回)生産年齢人口の減少により、今後ますます運転士の雇用確保は難しくなると予想される。若者が職業を選択する際に、運転士を選択する動機となる施策の検討が必要だ。例えば、大型二種免許を取得するまで事務職として雇用し、取得後、運転士として雇用する制度などを検討すべきだ。(第2回)

 国でも議論されているが、女性の積極的な登用が重要だ。(第2回)

 「乗務員のイメージアップ」として、交通業界全体として、子供がバスの運転手になりたいと思えるような、乗務員のイメージアップにつながる取り組みを検討すべきだ。(第2回)

 「給与について」として、給料を下げれば、運転士のモチベーションが低下する。労働環境が悪化すれば優秀な人材からやめていき、ますます運転士の確保が難しくなるのではないか。また、給与水準が高いのであれば、それに見合った高水準のサービスを提供すればいい。(第2・4回)

 給料が高いほうが、モチベーションアップにはつながるかもしれないが、事業として行う以上、採算性を無視することはできない。(第2回)

 接遇サービスや安全運転の技術という部分を評価して、めり張りのある賃金体系を工夫し、働く者のモチベーションを一層高めていくことが重要だ。(第2回)

 そして、(2)職員のサービス業としての意識の質の向上というところで、まず「アンケート」として、乗務員アンケートは、利用者属性も質問項目に加えた上で、今後も続けてほしい。(第6回)

 「グループワーク」として、運転士同士で意見交換ができる機会(グループワークなど)をつくっていくべきだ。(第6回)

 全社的に運転士と事務職員が一緒に話をする場を設けて、組織風土を高めていくことが接客サービスの向上につながる。(第6回)

 「優良運転者のPR」として、優良運転者コンクールなどで表彰された運転士には、利用者が見てもそれがわかるように表示してはどうか。例えば、名札、プレートに記載するとか、バッジのようなものをつけるなど。(第6回)

 以上の御意見をいただいております。

○会長

 この項目に対して御意見いただければと思います。

○D委員

 補助制度がなくてもバス事業を継続できるようにすべきだということで進めていると思いますが、実際のところ、今の段階では皆さんの意見で、「べき」だとか、「あるべき」だなどで、具体策がないので、議論の中で具体策を入れていってはどうかと思います。

 また、利益を出すということを考えた場合、運賃を上げるという意見がでていませんでした。運賃を上げればそれだけ売上があがります。乗る方が少なくなればダイヤを見直せばいい。収益を上げる手だて、ダイヤをさわると時間外も減りますし、できるだけ収益の上がる具体的な手だてを出していただきたいなと思います。

 それと、福祉部との提携など、さまざまな部署と提携すると記載がありますが、今に始まったことではないと思います。高齢者無料乗車証ですと、福祉部と提携と資料2-1に記載されていますが、今までどのようなことをしたのでしょうか。

 また、働く人のモチベーションを高めなければいけないのは事実ですが、運転士の皆さんは公営企業の経営方針及び目標、利益目標、そういうものを理解しているでしょうか。安全運転講習に出るというのは当然なので、何回も記載する必要はないかと思います。

 やはり運転士の皆さんも一緒の目標というものを持たないと、収益部分の改善提案は出てこないと思います。

○事務局

 今の御意見につきましては、資料2-1の中で具体的な明記がないというお話でしたが、資料2-1につきましては、これまでの取り組みという中で、事務局から説明させていただいたものを資料にしておりまして、また、資料2-2につきましても、そういった項目につきまして、委員の皆さんからいただいた御意見をまとめたものでございます。

 具体的な内容については、今回御議論を踏まえて、内容をまとめていただき、それをもとに答申書を作成していただくなかで、ご提案いただくとともに、当部でもその答申書をもとに経営の改善といったところで具体化していく予定でございますので、御理解をいただきたいと考えております。

○B委員

 資料2-2ですが、意見を列記していますが、現状、環境の変化、見通し、方針、施策などのように構成、組み合わせを考えた方が良いと思います。

 5は「経営基盤の強化」という方向性のみで纏めておりますが、現状をきちっと示した上でもっと正確かつシビアに記述すべきです。例えば、生産性についても実態が定量的に示されているのですからその数値を記載すべきですし、人員についても、人員確保についてのみ記述しておりますが人員見直しや人件費見直しについても記述すべきです。「経営基盤の強化」という方向性だけで全体を括ってしまうのではなく現状について定量的に正確に示すべきであります。

○会長

 ほか、いかがでしょうか。

 先ほど、D委員から出た福祉部局との連携のところですが、公営交通事業を持っている自治体に関して、福祉部局と交通部局の連携というと、補助金を出す、もらうという関係に限定されていたような印象を持っております。それが今、財政問題に変化があらわれはじめ、財政難に対応してその補助金の関係だけではなく、お金以外のところで連携が求められているのであろうと思いますので、そういった方向性も記載できたらと感じております。

 また、人員確保のところですが、国でも議論されていると記載があります。確かに、今の内閣は、そのところを強調しているとは思います。しかし、私自身の見解ですが、国での議論というよりは他の事業者とか業界の取り組みを踏まえて、女性の積極的な登用が必要だというつながりにしてはどうかと思っております。

 例えば、物流の業界でも最近は、女性の登用が非常に目立っておりまして、以前だったら男性が着ているイメージの制服を女性が着て活躍されているところをよく目にしますので、そういった業界の動向を見据えて、高槻市営バスでも活用していくといった論調にしてはどうかと思っております。

○C委員

 経営基盤の強化のところも、内部的な現状や内部要因をまとめてから、どう評価するということが重要だと思います。

 全体的な流れとしては、まず高槻市がどうなるのかという話から始まって、将来どうなるのかという話、そして、これまで市営バスは何をしてきたのか、その中に今までの経営の基盤の話を入れ、安心・安全でまちづくりと連携した話、その中でどういうニーズに応えていかなければいけないのかという話、そのためには経営基盤をこのように強化しなければいけないという話、だから公共負担はこういう形が望ましいというような構成がいいのではないかと思います。

 もし、福祉部局が御存じでしたら、そもそもなぜ高齢者無料乗車制度ができたのか把握したいと思います。何となく40年ぐらい残ってきた制度が、既得権益化しているような気がしますので、そもそもどうしてという話をしていかないと議論が分かれてしまうと思います。

 当然ですが、今持っている人にとっては無料乗車証がなくなるのは嫌なことだと思います。私も30年後が楽しみですから、もう今から楽しみにしています。しかし、経営という観点からするとどうなのかを考えていく場合に、なぜあるのかを理解し、もし、みなさんが納得できるのであれば続けていけばいいと思います。

 また、例えば高槻市のまちづくりの中において、バスというものがどの程度重要なのかという位置づけが重要になってくると思います。なぜ、高槻市は公営バスなのといったら、民間に任せていたら、まちの発展に全く追いつかないので、だったら自分たちで都市計画とともに移動のサービスを提供しようというところが、高槻市営バスの始まりです。それを今までやってきた中でこれから、やはりまちづくりの中で公営として必要だという議論をした上で考えていかないと、何となく残っているものになると、本当に何となく残ってしまっていくような気がしますので、今回の審議会でしっかり明記できればいいなと考えています。

○B委員

 資料第2-1の事業の現況についてですが、経営状況が黒字であることは確かですが補助金等を受け入れた上で黒字基調を継続しているのも事実ですから、そのことを記載すべきです。

 それから過去の審議会の答申を見ますと人件費率が高いこと、人員の見直しが課題だということは必ず記述されています。今次案には何も触れられていません。現在の経営実情の中で事実として定量的に示せるものは示すべきだと思います。

 例えば、人員、給与、人件費率、生産性などの問題について審議会に資料が示されているのですからその実態を記載すべきです。

 また、第3-2の「公共交通の担い手・経営形態の分類について」について、例として1.2.3.とありますがこれも一つの考え方ですが、大阪市が市営交通の経営形態の在り方について議論した時の資料が公開されていますので参考になると思います。公開された資料によれば経営形態として、公営、独立法人、株式会社の3分類としており、公営事業として直営で行う場合と一部を委託や移管する場合、独立行政法人とする場合、それから株式会社の場合でも、市が基本的に株式を保有する場合と株式は民間が保有する場合というような分類が示されております。これは大阪市の検討ですが参考にしたら良いと思います。

 以上です。

○C委員

 4番の公共負担のあり方の高齢者無料乗車制度のところですが、どうしても市から見た考えになっていますが、考えていくべきところが、市民が必要としているか否かという観点が必要ではないかと思います。高齢者無料乗車制度が果たして70歳以上の方のどれぐらいが必要としているのでしょうか。多分まだそういった調査がなされていないと思いますので、そういった調査を行った上で、市民の声を反映していくことが必要ではないかと思います。

 以上です。

○B委員

 高齢者無料乗車証の問題は、今後のバス事業の経営に関わるという点で触れるのは良いと思いますが、この審議会で、この制度を廃止すべきだとか、廃止すべきでないということを決める問題ではないと思います。色々な意見が示されたことは記載したら良いと思います。

 高齢者無料乗車証制度が将来のバス事業の経営にどのような影響があるかということは必ず記述すべきですが、廃止すべきだとか、一部負担だといか、継続すべきだとかをここで議論し纏める問題ではないと思います。

○会長

 今の件は、最終的には市議会等の決定に委ねられるべきところかと思います。それは経営形態についても同様の要素がございますので、もちろん議論の形跡を答申書に残すということは重要かと思いますが、選択肢を提示するといいますか、今後の方向性を考える上で、こういうのもあり得るというところを記していってはどうかと考えております。

○D委員

 公営企業の将来にわたる経営について、皆さん意見を出されていますが、わからない点は、赤字企業になったら市営バスはどうなるのでしょうか。そのまま税金が投入されて続けるのですか。もしくは、バス事業が民間に委譲されてしまうのですか。

○事務局

 実際に赤字になった場合にどうなるかという御質問ですが、事務局もわからないところでございます。なぜかと申しますと、そのときにバスが市にとって必要とされているか否かで変わってくるからです。バスをどういう形で存続させるのか、もしくはやめるのか、そのときの議論に委ねられると思っております。赤字になったら、すぐさまどうなるということは、今の段階で申し上げるのは難しいと考えております。

○C委員

 今のお話は、事務局からもありましたけど、そのとおりだと思います。

 将来、間違いなく赤字になることがわかっていて、そのときにバスが必要とされているかどうかで廃止や委譲といういくつかの選択肢を迫られるわけですが、この審議会の役割としては、そういう状況にならないように、今、どうしていくかを考えるべきだと思います。

○会長

 補足をしますと、公営バスを持っている自治体で、その公営企業の経営が危なくなって財政再建団体に指定されて、5カ年計画などで再建せざるを得なくなったという事例は、ほかの自治体であります。

 そこまで悪くなる前に対策を講じて、民間に委譲した公営のバス交通もあるのではないかと思いますので、実際に赤字になってしまったら、このような事例を見ながら、どういう道を選ぶか検討することになると思います。

 今回、答申書を作成するに当たって、それを読んで、高槻市の市営バスの現在の状況を記し、それに対して、この場合にはこのような手段があるということを記載したいと思います。その場合、今までにいただいたデータや他の自治体・業界の事例などを本論とは別にコラムのような形で紹介をしていくといったことも答申書の説得力を高めていく上では重要かもしれません。このあたりにつきましては、また改めて相談したいと思います。

 今回の議論をもとに、答申書の素案の作成にいよいよかかっていくわけでございます。本日もかなりいろいろな議論を頂戴いたしました。本日の議論につきましては、事務局で早急にまとめていただいて、委員の皆さんにフィードバックし、そこで御意見をいただいて答申素案に盛り込んでいきたいと思います。

 その答申書の素案の作成につきましては、これまで市営バスのアドバイザーとしていろいろと高槻市営バスの経営に助言をいただいているC委員、D委員、それから私の3名が中心になりまして、事務局の協力も得ながら素案の作成をしていきたいと思います。その段階で、個別に委員の皆さんから改めて意見を伺うという機会もつくりたいと考えておりますがいかがでございましょうか。(異議なし)

 それでは、次回の日程、審議内容等につきまして、事務局から御提案をお願いいたします。

○事務局

 まずは、次回の開催日程ですが、11月21日金曜日の午前10時から2時間程度を予定しております。場所につきましては、今回と同様、全員協議会室での開催を予定しております。また、開催日が近づきましたら、郵送で御案内させていただきます。

 今回、第1回から第6回の中間まとめということで御議論いただきました。

 事務局からは、以上でございます。

○会長

 それでは、本日の審議会は閉会とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

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